田代相馬林道 / Tashirisoma 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
田代相馬林道 [1] [2]
沢林道の分岐を後にして田代相馬線をさらに進みます。それまでとは一変して一気に山岳林道の雰囲気が濃くなってきました。道幅がぐっと狭まり、脇から路面にせり出した草木の草いきれでムンムンします。周囲は鬱蒼とした森の木々に覆われて視界はまったくきかず、道から一歩踏み外せば、即遭難しそうな雰囲気です。森の中に延びるダートの路面と前方を見据えながらゆっくりと進みます。
木に覆われた一車線のわだちダートを進むとY字分岐が現れました。道端には大きな看板が立てられており、右方面は「ロケット燃焼試験場 岩瀬沢 山瀬ダムへ」、左方面は「県境 長慶峠 相馬村へ」と記されています。 長慶峠へはここを左折しますが、 右折すると岩瀬線となって約30キロほどで県道68号線に行き着きます。 こちらも田代相馬林道に劣らずロングダートが続きますが、 今回は見送りこのまま長慶峠を目指します。
→ 岩瀬林道の様子を眺める!
→ 岩瀬林道に突入!
ば路面を覆い隠す勢いで路肩に迫ったクマザサや巨大な蕗が鬱蒼とした雰囲気を盛り上げます。この区間のダートは一応砂利質ですが、所々でむき出しになった岩盤が頭を出しており、これに乗り上げないように気を付けて進みます。ダート路面もさることながら、道は両側をびっしりと草木に覆われているため見通しが悪く、対向車のいきなりの出現にだけは注意しておきましょう。
蒼としたクマザサ地帯を進むとカーブの途中に看板が立っています。ここはちょっとした広場みたいに道が幅広くなっていて、すぐ横には展望台へと続く小径が延びています。ここから長慶峠まではさほど距離はありませんが、田代相馬林道最高の眺望ポイントで一服したいなら、こちらをオススメします。先を急がないのであれば、ここは是非とも立ち寄っていきましょう。なお、ここを訪れたとき、この手前数百メートル地点の狭い路肩に半ば道を塞ぐような形でバンが停車しており、ドヤ顔のオッサンがなにやらが険しい顔をして立ち尽くしています。路肩の茂みに脱輪でもしたのかとも思いましたが、アイコンタクトで助けを求めるわけでもなく無反応であったため、そのまま止まることなく通過しておきました。山菜採りにしては怪しすぎるし、目つきがヤバかったような気が・・・。人気のない林道では怪しい人物を見かけることも希にありますので、同じオフバイクならいざしらず、胡散臭いと思ったらできるだけ係わらないようにしておいた方がいいかもしれません。そして田代相馬林道で出会った車はこれが最後となりました。
→ 展望台に向かう!
っと、展望台を過ぎて少し進むと前方に巨大な水溜まりです! 長さは約7〜8メートルはあるでしょうか。通常なら路肩の水際を通ってやり過ごすのですが、路肩の草木が邪魔をしており、それもままなりません。茶褐色の水溜まりは底の様子が全く分からず、不安ではありますが、突入するしかないようです。慎重に1速でソロリソロリと進みます。思っていたほどは深くはありませんでしたが、速度が遅すぎてかえって転倒しそうになりましたが、なんとか無事に切り抜けました。
溜まりを通過してしばらくすると、山中のちょっと開けた場所に行き着きます。ここから先は一転して下り坂になっており、どうやらここが長慶峠(726m)です。これで第2ステージはクリアです。周囲は深い森に囲まれており、峠とはいってもここからの眺望は全くききません。特に楽しくなるような場所ではありませんが、辺りを見回してみると路肩の草むした駐車スペースのような場所に焚き火跡がありました。きっと誰かがここで夜を明かしたのでしょう。あいにくこの場所には木陰が無く、じっとしていると照りつける陽射しで汗ばんできたのであまり長居をせず、先へ進むことにしておきました。ここから先は青森県となります。
→ 周囲を調べる!
慶峠を越えてここから終点までが第3ステージですが、峠を越えて下り坂になったとたんに路面状況が一挙に悪化したようです。ダートは岩盤むき出しのボコボコ状態で非常に走りにくく、同時に背丈を超える藪が両脇からせり出してプレッシャーを与えてきます。この区間は急激なつづら折りの下り坂になっているのでタイヤを取られないように慎重に進みましょう。長慶峠は青森県との県境でもあり、路面の整備状況の違いはそのまま行政区域の違いということなのでしょうか。
レた下り坂を慎重に進むと深い谷間に架かるコンクリ橋が現れました。この橋は手持ちの県別地図に載っており、「こしじ橋」と記されています。流れる川は東股川で、峠で県境を越えると同時に分水嶺も越えたようです。橋が立派であったので、路面もここからはまともになるのだろうと思いきや、橋の向こう側には相変わらずのガレたダートが続きました。
→ 東股川を眺める!
しじ橋を渡った先の右カーブを曲がると現れるのがこの二股です。正確には右側が本道らしいのですが、土砂崩れで埋まってしまったのでしょう。左手は土砂崩れそのものを乗り越えるような形で自然発生(?)した迂回路になっているようでした。左手はヌタ地獄で、こちらを進めばXRの泥まみれは必須。右手は路面状態こそ普通ですが、よく眺めてみると崖っぷち間際で倒木が進路を邪魔をするように半ば前方を塞いでいます。オフバイクでならどちら側を進んでもやり過ごせますが、結局、右手からゆっくりと慎重に倒木をやりすごしてここはクリアです。車にとっては最悪ですが、オフバイクにとってはなかなか楽しいポイントです。
砂崩れ跡の二股地点を過ぎて先へ進むとガレ状態が最高潮に達します。この区間、ガードレールこそあるものの、半ば土砂で埋もれかけており、小岩の散乱する路面には巨大なクレバスが道なりに沿って斜めに走っています。いくらオフバイクとはいえ、まともにハマってしまったらそのダメージは大きなものとなるでしょう。道は直線に延びているので真っ直ぐ進みたいのですが、クレバスを跨ぐためにはそれに対して直角にハンドルを切らねばなりません。しばらくはこんな状態が続きます。緊張の連続で少々疲れてしまいますが、オフならではの心地よい疲れといった感じです。
→ 路面状態を調べる!
ードレールのガレ場区間を抜けると二股分岐が現れました。周囲には林道標などは見あたらないので、どちらが本道であるのか判断しがたいところですが、田代相馬林道は左手方面になっているので注意してください。もう一方の気になる右折方向ですが、手持ちの地図によれば最終的には弘前南部広域農道、通称「アップルロード」に行き着くようなので、気が向いたら突入してみても構わないと思います。ただし、未確認ではありますが。
してたどり着いた田代相馬線最悪ポイントがここです。よく眺めると前方で路面が窪地状に落ち込んでいますが、よりによってそこには巨大な水溜まりが・・・。ちょっと見だけでもそこがかなりの深さのあることが想像できます。おまけにその前後はぬちょぬちょのヌタまみれです。迂回路はもちろんありません。「ここは思案のしどころ」と言いたいですが、それは時間の無駄でしょう。だって道はここしかないんだから進むしかないってね。
フトを1速に落として慎重に泥水へとフロントを突入させますが、やっぱり水溜まりは相当な深さで、ズブブ・・・と、イイ感じでタイヤがみるみる泥水に飲み込まれていきました。こんな所でうかつに足を着いたりエンストさせたら最悪です。
ざばあん、ざばあん、きゅるるる・・・。
「たのむ、こんな所でエンストしないでくれ・・・!」
ざばあん、ざばあん、きゅるるる・・・。
やった! 嫌がるXRをなだめつつ、どうやら無事に抜けきることができました! でもその代償で足回りは完璧に泥まみれ・・・。ともあれ無事に水溜まりを渡りきった地点で後ろを振り返ってみると、反対側からでは気が付きませんでしたが、どうらやここも土砂崩れで右手の本道がヤラれてしまったらしく、その迂回路がこの窪地になっていたようです。ガレはまだいいですけど、ヌタ越えはホントに疲れますね。
溜まりを越えて、タイヤも乾かぬ内に今度は路肩の崩落現場です。林道入口の通行止看板はこのことでしょう。見た感じでは、ダートの路面が半分ほどえぐり取られています。オフバイクなら問題ないですが、それでも雨天直後や雨天時は追加で路肩が崩れる恐れがあるので断言はできません。この有様なので夕暮れ時や夜間の通行は大変危険です。
→ 現場を眺める!
た路面に沢が流れています。一見すると何でもないようですが、路肩の端が徐々に水の流れでえぐり取られつつあるようです。そのうち、大雨が降った時にごっそりヤラレてしまうのかもしれません。現在のところは全く問題ありませんが、実は崩落の芽はこんな所から発生していたりして・・・。
→ さらに田代相馬林道を進む!
→ 探索中止!
トップへもどる 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜