探索日 2012.08.12
No.AK-012

六郎沢線 ■北秋田市(旧森吉町)・鹿角市 ■全線ダート ■分岐→大杉沢線・小木和田沢線・大木和田沢線・ネギ沢線・冷水分線
■接続→夜明島線 ■県309号線から夜明島線とを結ぶ

 人里遠く離れた森吉山系の深いブナ林を行く雰囲気抜群な峰越え林道!  

 ↓前半は快適ダートが、後半は放置臭漂う廃れたダートが楽しめます。1本道
 で接続する夜明島線と合わせると、かなりの距離があるので満腹感は抜群!


……こんな感じ……
■森吉山(1454.2m)の山裾に位置する北秋田市の大平湖付近から、 森吉山系の広大な山深い山中を抜けて鹿角市の夜明島線へと1本道にて接続する峰越え林道。くまげらエコーラインこと県309号線からのアプローチはとても長いが、人里遠く離れたブナ林の山中に延びるその雰囲気とても素晴らしく、ダートの路面状況も基本的には良好。ただし、冷水分線を過ぎた先から始まる峠越えの登坂区間については話は別。通行が途絶えた路面には薮がはびこり、終点となる夜明島線との接続地点手前の終盤では廃れた荒れ状態となる。廃道化しているわけではないので、手馴れた方ならむしろその荒れを楽しめるが、付近にGSは全くないのでガス欠にだけは要注意!

■秋田県でも特に山深くかつてマタギが活躍した旧森吉町(現北秋田市)にある六郎沢線の入口へとやって来ました。 林道入口はR105号線からくまげらエコーラインこと県309号線へと入って森吉ダムを過ぎた先の右手に現れます。ちなみに国道からのアプローチは非常に長く、途中にはろくに商店もないですが、数キロ手前にはレストハウス「グリーンハウス」があります。食糧及び飲料の補給ができるので、備えのない方はぜひ立ち寄っておくと良いでしょう。
■そしてこれが県道から分岐している六郎沢線の入口の状況。林道標は路肩の薮に埋没しているので見つけにくいですが、県道からの入口沿いには「←十和田湖・八幡平方面 鹿角八幡平I.C27km」と記された標識があるので、林道の入口そのものはすぐに分かります。
→振り返る!
■林道入口地点に設けられた土場のような広場を突っ切って、いざ六郎沢線へと乗り込みます。路面は固く締まり、目の細かな砂利が少々スリッピーな感じですが、幅員も広くて序盤はまずまず走りやすいといった印象でした。
■六郎沢線のダートは林道名にもなっている六郎沢の流れに沿ってその源流部へと向かって延びています。とはいってもここは恐ろしく深い人里遠く離れた森の中。生い茂る樹木によって、視界に映るのは小さな沢を跨ぐコンクリ橋とまっすぐ水平に延びているダートのみです。
→沢(左手)を眺める!
→沢(右手)を眺める!
■六郎沢線は1本道にて接続している夜明島線と合わせるとかなりの延長距離となる林道です。そしてそのコースは六郎沢の沢筋に沿ったものであるため、その支流沿いには当然ながら支線林道も密かに存在していることが容易に想像されましたが、やっぱりありましたよ。というわけで、最初の支線林道である大杉沢線の分岐が左手に現れました。
→大杉沢線の様子を眺める!
■左手に大杉沢線を分岐した後も水平コースのダートが続きますが、区間的に路面がボコボコ状態となっている箇所がありました。大雨かなにかで路面が荒れてしまったので、盛土して修復した跡だと思われます。
■岩屑が散乱した路面補修跡であるボコボコ区間を進むと、やがて土塊が荒れ状態で散乱した小さな沢を跨ぐのですが、そこには沢沿いに分岐する支線林道の存在が! 路肩の林道標によればそれは小木和田沢線とのこと。すぐ手前で大杉沢線が現れたというのに、立て続けに支線が現れるとは。もしかして「六郎沢線はピストンの宝庫?」との思いがふと頭をよぎります。
→小木和田沢線の様子を眺める!
■右手に六郎沢の流れを眺めつつ沢沿いコースでダートはさらに続きますが、先ほどまでの路面のボコボコ区間は過ぎ去った模様。その後は再び走りやすいフラット区間が展開していましたよ。
■「ふと振り向けばそこに作業道!」見え隠れする六郎沢の流れを眺めつつさらに前進すると、切り返しの急勾配で森の奥へと延びている作業道が。路面にはゴツゴツとした拳大の石ころが散乱する様はいかにも低規格なダートであり、林道標も存在していなかったことから、これは作業道であると判断して間違いないでしょう。探索時間が惜しいので、「もちろんここには立ち入らず」です。
■うかつにも分岐地点全景を撮り忘れてしまいましたが、その後、この付近で左手に3番目の支線林道となる大木和田沢線の入口が現れます。まあ、他の支線林道の入口風景と大差はないので、そこいら辺は脳内想像していただくことにしますが、とにかく大木和田沢線の分岐が現れます。
→大木和田沢線の様子を眺める!
■鬱蒼とした深い森を貫くように、どこまでも六郎沢線のダートは続きます。今のところダートはほぼ平坦コースなので、「森林浴気分でまさに爽快!」と言いたいところですが、現実はちょっと違うんですね。なにせ今年の夏は高温注意報が各地で発令されるほどの殺人的な猛暑。そのくせ雨がよく降るので風通しの悪い森の中では湿度が高く、ちょっと立ち止まっただけで噴き出す汗で全身タラタラに…。転倒しないことを祈りつつ、「もうどうにでもなれぃ!」とばかりにウェアをガバっとはだけ、袖を捲ってボディを空冷しながら進みます。
■そしてたどり着いたのがこの左折分岐地点。ここに林道標は存在していませんでしたが、その正体は種ヶ沢林道。それよりもここでは軽トラの地元のお爺さんと遭遇したんだっけ。で、よくある話で挨拶代わりにしらじらしい会話を交わしたのですが…。

 ここって行き止まりなんですか?
お爺さん「いや、今ちょっと森を見て回ってんだけど、今年は山菜がなぁ…」
 この辺りには行き止まりの林道が多いけど、ここはどこかにつながっているんですか?
お爺さん「う〜ん、昔、東京の地下鉄工事に行ったけど、ここいら辺の林道も手がけたんだよ」
 ここから林道を抜けて花輪の方まで行くんですけど、まだまだ先は長いですかね?
お爺さん「あ〜、そりゃ、まだまだだ。そういや昔、鶴見(神奈川県)に住んでたこともあるぞ」

とまあ、どうも会話のかみ合わせが…。そして満面の笑顔で話しかけてくるお爺さんには悪かったですが、こちらとしては貴重な探索時間が気になってイライラと。さすがに無視して立ち去るわけにもいかないので、会話を切り上げるのに苦労しましたよ。
→種ヶ沢線の様子を眺める!
■話好きなお爺さんには申し訳なかったですが、やれやれな思いで六郎沢線の探索を続行します。なお、一概にはそうとは言えませんが、林道で出会った地元の年配の方と会話してみると、こちらとしてはせっかくなので当地の話が聞きたいのに、よくあるケースとしては若い頃に都会に行った類のことを一方的に話す方が多いような気が。もちろん、中にはこちらの意をくんでその場を離れたくなくなるような面白い会話ができる場合もあり、ま、当方も「林道」というマニアックな話題を意識してふっているので、つまらんという意味ではお互い様なんですけどね。あはは…。
■で、そんなこんなでさらにダートをたどって進むと、今度は右手にネギ沢線の入口が現れました。そしてこの支線の入口を過ぎると、六郎沢沿いのフラットダートの平坦コースは終わりとなって、峠越えをすべく登坂区間が始まります。
→ネギ沢線の様子を眺める!
→六郎沢の流れ(上流方向)を眺める!
→六郎沢の流れ(下流方向)を眺める!
■ネギ沢線の分岐を後にして先へと進みますが、ここで事件が発生! 撮影のためXRを停車させていると、いつの間にか近づいてきていた軽トラがXRの真後ろに停車。こんな狭い場所でしかも真後ろぴったりに。「ちぃっ、ウザいクルマだな!」と思ってよく眺めてみると、中から出てきたのはなんと先ほどの話好きなお爺さん…。わざわざ追いかけて話の続きをしに来たのかどうかは分かりませんが、撮影しながらゆっくり進んでいたのが仇となってしまい、結局ここでも再び捕まってダラダラと15分くらい話し込まれた!
→さらに六郎沢線を進む!
→もう飽きた…