入良川林道 / Iragawa 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2019.08.13 / No.AO-093 
 [ 所在地 ]深浦町 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 10km超えの延長距離で白神山中に分け入るが猛烈な藪で事実上の廃道化、末端まではとても無理!

神山地を右手に眺めながらひたすら海岸伝いに延びるR101号線を進み、秋田県から青森県へと越県した先、木蓮寺海岸付近で右手に現れるの入良川林道の入口です。場所は付近に民家が全くなくて1駅間が10.8キロもあるJR五能線「岩舘駅」と「大間越駅」の間。いきなり埃っぽい砂利ダートが始まっていますが、林道標はおろか道標の類はなにもなく、普通に国道を走っていると、まずそのまま通り過ぎてしまうような入口です。
道から砂利ダートに入るとすぐにJR五能線のガーター橋をくぐります。林道名由来になった入良川を渡る鉄橋ですが、橋をくぐった直後にこんな感じでコンクリの沈下橋で林道も入良川を右岸に渡ります。このタイミングで五能線のディーゼルカーが通過すれば申し分ないのですが、なにぶん運行本数の少ないローカル線なのでそういうことはなかったな。
→ 入良川(下流 / 右)を眺める!
→ 入良川(上流 / 左)を眺める!
良川の沈下橋を渡るとすぐに砕石場の入口があり、そこを過ぎると路面は夏草の茂るワダチダートに規格ダウン。すぐに深山地帯に分け入る林道のそれらしくなってきますが、ワダチ部分は踏み固められており、ごくたまに車両が立ち入っているような雰囲気でした。
て、ここは? ワダチダートを辿って進むと、やがて林道左手に丸太とバラ線で周囲を厳重に囲まれた空き地が出現。立ち入りを拒む警告板が掲げられていましたが、滅多に人が立ち入らないこのような林道でそこまで厳重に囲むものって一体なんだろう?
→ 警告板を眺める!
石会社の火薬庫を過ぎるとダートはいよいよ草深くなってきます。火薬庫までは関係車両の立ち入りも稀にあるのでしょうが、これより先は滅多にそれもないみたい。一段と濃くなるワダチの雑草がそれを物語ます。延長距離が10kmを越えるピストンな入良川林道ですが、果たして末端地点まで辿り着けるかな? 不安と期待でドキドキでした。
→ 路肩を調べる!
道起点を示す林道標が見当たらないまま、腐葉土チックなワダチダートを進んでいきます。道すがらにはイラ川山国有林のブナ林が広がって自然色はとても豊かでしたが、その代わり林道には昼なお薄暗くて鬱蒼とした雰囲気が濃厚に漂います。
道の傍に入良川のせせらぎを感じながら順調にWRを進めますが、ここは一瞬でも立ち止まると速攻でまとわりつくメジロアブが酷かったかな。誰もいない静寂なブナの森をゆくダートの雰囲気は決して悪くないのですが、なにしろアブのまとわりつきがねぇ・・・。
→ 入良川を眺める!
むにつれて路面はヌルヌルな状況になってきました。これって白神山地が寒冷湿潤な気候のせいで雨が多いからなのでしょうか? 路面の土が乾いていることがなく常に湿り気を帯びているような感じで、気分的にちょっと嫌な状況ですね。
柵出現! そんな感じで進んでいくとゲートが設けられていました。しかし、国有林の林道でよく見かける踏切式ゲートではなくてお手製っぽく鉄柵を並べたものでしたが、路肩部分が塞がれているだけで自由通行状態になっています。よく眺めると鉄柵は赤茶色にサビて腐食しており、ここは廃ゲート化されていたみたいです。しかしなぜここにゲート?
して廃ゲート地点を過ぎると路面状況が急激に悪化。それまでは車両の通行の痕跡が認められるワダチダートであったのに、やがて路面全体を覆うように雑草が蔓延ってきます。東北地方の廃れた林道やピストンの末端ではお馴染みの状況で、悪い予感がぷんぷんで、これはちと由々しき状況です。まだ総延長の5分の1くらいしか進んでいないのに・・・。
「!!」その後、路面を覆う雑草の繁茂はあれよあれよという間に酷くなってしまい、やがて地面の土も見えなくなってしまいました。その先には藪に飲まれた道筋がなおも続いていますが、見た目にはどこが道であるのか分からない状況。さすがになにも考えず気軽に前進できるような状況ではなくて、普通にやってこれるのはここまでみたい。
らばと徒歩でその先の状況を偵察してみますが、これはちょっとダメくさかったです。この先どこかで土砂崩れとか路肩崩壊などが発生しているらしくて、路面を過激に覆い尽くす藪の中からそれを警告する鉄パイプ柵が頭をのぞかせていました。藪に覆われて足元の地面が全く確認できない状況では、いくらその気があってもこれ以上進むのは物理的にも危険かと。10mほど先にある入良川を跨ぐコンクリ橋も藪に飲まれて全然見えていねーし。
いうわけで、それ以上の前進を断念して勇退を決意した地点です。延長距離が10km以上にも及ぶ入良川林道ですが、事実上の廃道化により進むことができたのは、1箇所目のコンクリ橋のたもと地点まででした。総延長の半分にも至っていない地点でこの状況ならば、まだまだ続く林道の深部はどれほど恐ろしいことなっているのかと思ってしまったぜぇ・・・。
→探索終了!
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