ワレ西上作戦開始セリ! 猛暑の山と海の林道探索ツーリング 7月21日(日)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
2日目[5]  → 敦賀市「敦賀トンネル温泉 北国グランドホテル もどる  






ガソリン給油量 7.94L 給油回数2回 ガソリン代 1455円 高速代 1030円 総走行距離 175.1km トップへもどる


先述の成出へと至るダート分岐を過ぎた後は、しばらくの間は小浜市と若狭町の境界をなぞるようにして尾根筋を北上し、やがて進路を北北東に向けて小浜市を離れ、完全に若狭町エリアへと進んでいきます。

若狭町に入ったからといって路面状況に目立つ変化はありませんが、小浜市区間ではあまり見かけなかった局地的に砂利深くなっている箇所があり、そのような所では地割れのようなクレバスが路面に沿って走っているのを見かけました。







クレバス区間をやり過ごして若狭幹線林道を進んでいくと、とある右カーブの右路肩に道標が設置されている箇所がありますが、ここで左の路肩を眺めてみると・・・。







山の神? 左の路肩を眺めてみると、茂みの中にポツンと小さな祠が祀られているのを発見しました。手前の展望台で見かけたお地蔵様の祠とは違い、昔から祀られ続けているような感じの祠なので、通りがかったら林道探索中の無事を願ってそっと手を合わせておきましょう。ただし、なにが祀られているのかは不明ナリ・・・。







祠を後にしてさらに前進していくと、またしても灌木が繁茂して枝葉がせり出た地点に遭遇。ワサワサとした枝葉のトンネルを身を屈めてやり過ごしますが、たとえメジャーな林道であっても、植物が勢いづく夏の季節にはこうなるんですね。







その後も灌木の茂みが連なる緑の回廊区間が続きます。その状況に若干の薄暗さと草深さを感じてしまいますが、それでいながら車両の通行量がそこそこあるためか、路面には雑草のワダチが形成されていることはなくて、それどころか路面には夏草1本生えていなかったのがなんだか不思議でした。







四阿発見! そして到着したのが若狭幹線林道では3箇所目となるこの展望台。灌木の藪が連なる重苦しい緑の回廊区間が突然明るく開け、幅員が大きく膨らんだ次の瞬間、行手に突然現れる小浜湾最東端の「久世見湾」を見渡す展望台ですが、ここも若狭幹線林道では知らぬ者はいないほどよく知られたスポットですね。







標高311.6mの高さから久世見湾を見渡す絶好のロケーションに立つ展望台の四阿。強烈な夏の陽射しを遮る日陰のベンチもあるので、目の前に広がる海の絶景を眺めながらちょっと休憩するには最高の場所になっています。







烏辺島、常神半島、御神島
烏辺島は世久見の漁港から約800mの沖にある、
周囲約1km、標高95mの常緑樹に覆われた無人島です。
島には、スダジイ、タブノキ、ヤブニッケイ、ケヤキ等があり樹冠を形成しています。
森のなかに入るとモチノキやツバキが多く、
林床にはジャノヒゲ、ヤブラン、ベニシダ等の植物が生育しています。

常神半島は三方五湖の北方に延びた半島で、
海岸線は出入りに富み、海食崖も良く発達しています。
植生は近年減少しているヤブコウジ-スダジイ群集の典型的な照葉樹林が残存していて貴重です。
常神のソテツの巨木は国の天然記念物に、
小川神社のカゴノキは県の天然記念物に指定されています。

御神島は常神半島の先端から約500m西にある、
面積約0.4平方km、標高195mの無人島です。
植生は全島ホソバカナワラビが優占するヤブコウジ-スダジイ群集の照葉樹林で、
ヤブツバキ、ヤブニッケイ、ジャノヒゲなどが顕著に見られます。

環境省・福井県
展望台の四阿に掲げられていた案内板です。目の前に広がる世久見湾に浮かぶ無人島の「烏辺島(うべじま)」、世久見湾の北東に突き出た「常神(つねがみ)半島」および、半島の先端に浮かぶこれも無人島である「御神島(おんがみじま)」についての説明が記されているのでぜひ読んでおきましょう。







うわぉ、素晴らしい海の眺めです! 青く澄み切った海面は波一つなく凪いでまるで時が止まっているみたい! これ以上望めないほどの夏晴れで、遥か彼方の水平線まで思いっきり見渡すことができ、左手には世久見の漁港と黒崎半島が見えていましたが、沖に浮かんでいる小島が烏辺島ですね。

なお、世久見湾を含む若狭湾は夏は多くの海水浴客で賑わいますが、今年はなぜか若狭湾の海水浴場では海水浴客が野生のイルカに噛まれる事故が大量発生していたな〜。探索当日もタイムリーに発生しており、テレビでやたら報道されていたので記憶にある方も多いと思いますが、その「噛まれ事故」が多発していたのがここですよ。







続いて展望台から右手に烏辺島を眺めてみました。烏辺島は周囲およそ1kmで面積は7ヘクタール、島頂高度95mのピラミッドのような形をした世久見湾の中央に浮かぶ無人島。昔は「烏(う)」が何千羽も生息して営巣していたそうで、それが島名の由来とのことで、島には弁天様が祀られています。

また、烏辺島周辺の海中ではホンダワラやワカメなどの海藻類と海棲動物が豊富で、海中景観も変化に富んで素晴らしく、透明度も高くて27mに達することもあるそうで、釣りやスキンダイビングの絶好スポットになっているらしいですよ。







これは黒崎半島の付け根、「食見(しきみ)」集落から西方向の海岸ですが、養殖筏が浮かんでいるのが見えていました。ちなみに世久見湾を含む若狭湾では「若狭ふぐ」と呼ばれる「トラフグ」や「サバ(若狭さば)」の養殖も行われているそうですが、それともあれは「カキ(若狭のかき)」の筏かな?







三方五湖
美浜・三方両町にまたがる
日向(海水)、久々子(淡水)、水月(汽水)、菅(汽水)、三方(淡水)の五胡を三方五湖といいます。
若狭湾国定公園の特別地域および国の名勝に指定されており、
人々の生活と、自然環境がよく調和した美しい水郷です。

この五胡は、今から50万年前に起こった地殻の沈降(三方断層)により形成され、
現在は、浦見川の掘削によって久々子湖と水月湖がつながり、
遊覧船が周遊しています。

水月湖の北にある梅丈岳には、観光道路レインボーラインが作られ、
展望台から湖面を望むと水深などの違いによって
それぞれの湖の色が異なって見えるなど素晴らしい景観を楽しむことができます。

大きな水面は、冬鳥であるカモ類の大切な越冬地で、
マガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロなどの水鳥が合計6000羽も羽を休め、
ボラなどの魚をねらうミサゴ(留鳥)や、
豊富な餌場を求めてシベリア方面からやってくるオオワシ、オジロワシが出現します。

周囲の山は、アカマツ・コナラの疎林となっていますが、
梅丈岳には暖地性のタブノキ、スダジイの自然林があります。
湖畔には広い範囲にわたって西田梅の名で知られるウメが栽培され、
3月には一帯が白い花で飾られます。

環境省・福井県
それから展望台には世久見湾の東に位置する「三方(みかた)五胡」の案内板もありました。三方五胡とは日向湖、久々子湖、水月湖、菅湖、三方湖の総称ですが、しかし、この展望台から三方五湖は見えていなかったような気がします。







なお、探索当日は日曜日だったこともあり、多くのバイクが若狭幹線林道を訪れていたようで、誰もいなかった展望台の四阿で海を眺めてたたずんでいると、軽快なエンジン音と共に2台のミニバイクが到着しました。

入れ替わりで展望台を出発しますが、結局、若狭幹線林道探索中にすれ違ったのはオフバイクを含めたエンジン付きの二輪がほとんどで、その他としては乗用車が1台だけだったかな。体感温度40度に迫る危険なほどの猛暑日だったこともあってか、さすがに人力頼りの自転車乗りとすれ違うことはなかったぜぇ。







世久見湾の眺めが素晴らしかった展望台を後にして若狭幹線林道の探索を再開。残り区間はあと僅かとなりましたが、終盤区間はこれといった特筆すべきビューポイントやダート区間が現れることもないまま舗装区間が続きます。







その後、ラストスパートで終盤区間の舗装路を進んでいくと、少々廃れた雰囲気の漂う切り返しの舗装右折分岐が現れますが、ここは標高203mの「世久見峠」。

しかし、峠といっても周囲には昼なお暗い鬱蒼とした森が広がっているだけ。眺望も望めなくて峠らしさは皆無ですが、ちょうど真下には「世久見」から「世久津」間を結ぶR162の「世久見トンネル(715m)」が走っています。







落ち葉が腐葉土状態で積もり、舗装されているのに夏草が蔓延って廃れ感が濃厚であった右折分岐の様子ですが、ここは1986(昭和61)年に世久見トンネルが開通する以前は世久見峠越えのルートとして使われていた旧道らしいです。

世久見トンネルが開通するまでR162は世久見峠で東西に分断されていて、そのためここは世久見〜世久津間を結ぶ唯一の峠越えをする道だったらしいのですが、トンネルが開通したことで用済みになってしまったんですね。

なお、探索時には中を覗くことなく通り過ぎてしまいましたが、分岐の傍にはコンクリブロック小屋が立っています。そしてこれもさすがに気がつかなったですが、あの小屋の中には峠の安全を見守るお地蔵さまが祀られているらしいですよ。







あぁ、無残! 今は真下に国道のトンネルが開通し、若狭幹線林道を訪れる林道ライダーがたまに通るだけの寂れた世久見峠ですが、付近の路肩の藪を探ってみると、例のデカデカとした若狭幹線林道マップがなぜか打ち捨てられているのを発見。







旧道が合流してくる世久見峠を後にして前進再開。若狭幹線林道をさらに進んでいきますが、峠からおよそ1キロで今度は左折分岐が現れます。

探索時には直進方向に単管パイプのバリケードが置かれており、ぱっと見すると下っていく左折方向が本線だと思ってしまいますが、そうではなくて左折方向はおよそ1.9キロでR162へと至る一般道からの連絡路になっています、ここで例のデカデカとした林道マップを思い出してみると・・・。







現在地は「世久見」付近。林道マップには終点の手前で分岐してR162へと下っていく連絡路の道筋が記されており、ほとんどの林道ライダーは左折して連絡路経由でR162に退出してしまうのですが、しかし、若狭幹線林道については直進方向の「終点」に向かってさらに道筋が記載されています。

ならば当然のこととして分岐は直進して「終点」へと向かい、その先の状況を探索調査しなければなるまい!







というわけで分岐の状況をあらためて眺めてみるとこんな感じ。画像左手から手前(終点方向)が若狭幹線林道本線で、右手はR162方向となっています。

ちなみに国道へと下る連絡路(左折方向)は、先述した世久見トンネル開通以前の峠越えルートの一部になっています。つまり、手前の分岐からここまでの間は既存の峠越えルートをそのまま若狭幹線林道に転用した区間なのだと思われます。







そんなわけでバリケードの脇を失礼させていただき分岐を直進すると、その先には藪が激しくせり出した藪の回廊さながらの区間が続きました。路面は舗装されているので走りやすいですが、閉塞感抜群で廃道チックな雰囲気が色濃く漂います。







この区間、道が廃れているのでバリケードが置かれているのか、それともバリケードが置かれているため道が廃れているのかよく分かりませんでしたが、日陰となった路面には緑色のコケがびっしり! 不用意なブレーキ操作によるコケ滑り転倒を警戒しながら進んでいきますが、それにしても車両の通行が途絶えていますなぁ・・・。

もどる ][ 2日目[1][2][3][4][5][6]へ ]