早秋紅葉ざんまい林道探索 浜通り地方林道 編(2019.11.03)   秋の紅葉林道探索一覧へもどる  







毎年、秋の紅葉の時季が近づくと、それだけでソワソワしてしまいますが、
今年は昨年訪れた福島県浜通り地方を再び訪れてみることにしました。

ただし、今回は訪れる時期を微妙に1週間ほど遅らせています。
その狙いは1週間の時季違いが紅葉にどのように現れるのかを確認しようというわけ。

でも結果から述べると今年の浜通り地方の林道はいつもと状況が全く異なりました。
それはすなわち令和元年(2019)年10月12日に日本列島に上陸して各地に甚大な被害をもたらした「台風19号」、
そして同月25日に千葉県を中心に記録的な被害をもたらした集中豪雨の影響です。

自然災害の傷跡が林道に刻み込まれているのを随所で目撃してしまいましたが、
そのようなわけで、今回ははからずも林道の深刻な被害報告も兼ねた秋の紅葉三昧林道探索となりました。

[ 小画像はその地点からの眺めです。さらに拡大画像で美しい紅葉の色彩をどうぞ! ]


年の紅葉林道探索は当初は長野県方面を予定していたのですが、連発する台風と大雨によって予定は大きく狂い、どうしたものかと考えてしまいましたが、昨年同様、福島県の阿武隈高地と太平洋に挟まれた「中通り地方」を訪れることにしました。これまでに幾度となく林道探索で訪れている勝手知ったる地域であるし、メジャーな林道も無数にあって、「紅葉」を抜きにしても十分に楽しめるんですね。ただし、中通り地方は温暖なので、同じ福島県でも会津地方と比較して紅葉の時季は遅く、さらには地球温暖化の影響で紅葉の見頃は過去と比較して確実に遅くなっています。それを考えると11月に入ったとはいえ、時季尚早かとも思われましたが、今回の紅葉探索中に雨が降る可能性はなさそうなので、そこはあまり深く考えずに早朝に自宅を出発。そして午前8時に到着した常磐自動車道「いわき勿来インター」出口です。
本目の林道はいわき市の「目兼林道」。いわき市山玉町「前田」から同市田人町南大平「長沢」とを結ぶ完抜けダートの林道で、弥太郎林道および横川林道に接続し、「弥太郎林道→熊倉林道」と乗り継げば県27号線(塙大津港線)に、横川林道に乗り継げば「横川林道→四時川林道」と乗り継ぐことができ、この辺りではメジャーなルートとなっています。どちらのルートを進むかは直前まで迷っていましたが、とりあえず高速出口から「川部鉱泉」を経由して「前田」地区にある目兼林道のダート開始地点にやって来ました。いよいよ2019年の紅葉ざんまい林道探索の開始です!
「なぬ?!」目兼林道のダートにいざ入線、すぐに始まる上り坂を登坂していくと、強烈なクレバスが出現! 思わず緊張が走りますが、これは2019年10月6日に発生した台風19号および、10月25日の猛烈な豪雨によって発生したものと推測。10月の台風と大雨によって福島県は河川氾濫や冠水で甚大な被害を被りましたが、当然ながら林道も甚大なダメージを受けていたんですね。ニュースでは林道の被害についてまで報道されませんでしたが、その惨状は目を覆いたくなるほど。というわけで、今回の紅葉林道探索はささやかな紅葉を楽しむと同時に、緊急的にいわき地方の林道が被った被害報告も兼ねたものとします。というか必然的にそうなってしまいます。
兼林道に入線して最初の分岐地点です。直進側には「←目兼展示林」の道標が立っていて、そこはおそらく林業系の木材搬出ダートなのでパス。上り坂となった右手の目兼林道本線に進路をとりますが、付近は大雨による路面の洗堀が酷かったです。とても気軽にまったりと紅葉を楽しめる状況ではなく、とにかく転倒せずに無事に進めるかどうかの方が切実な問題だったかな。
兼展示林への分岐を右折して「目兼スギ」産地の仏具山国有林を「蛭田川」伝いに進みます。路面のクレバスも見られなくなり、小砂利質の路面はまともな状態になりますが、でも紅葉的にはさっぱり・・・。ですが、同じいわき市でも場所によって紅葉具合は大きく異なるので慌てません。さらに林道を進んで標高が高まることで、やがて紅葉全線に追いつき状況も変わると思います。

かし、その後もクレバ区間は現れてしまい、しかもその規模は確実に大きくなっている様子。ここでは幅員の半分が陥没し、濁流と化した水がゴーゴーと流れ下っていました。最後に雨が降ったのは5日前だというのにこの激しい水勢。水はどこから流れてくるのか不思議でしたが、この有様はちょっと尋常ではないな!
線早々にして激しい豪雨の痕跡を見せつけられましたが、その後は目立つ異常もなく左折する砂防ダムの管理道分岐までやって来ました。左折側には蛭田川を渡る管理道の「前坂橋」が見えていますが、ここは道なりに目兼林道本線を進みます。
がて道すがらの樹林や路肩に草葉の黄色い色づきがチラチラと混ざり始めてると、やがて行く手に「山火事注意」と「林道交通安全」の幟が見えてきました。目兼林道の林道標設置地点に到達したようです。ここにはプレートタイプの林道標が設置れていて、国有林林道ではおなじみの通行禁止看板も立っています。
→ 林道標を眺める!
→ 通行禁止看板を眺める!
道標設置地点にたどり着く前からすでに尋常でない荒れ状態を見せていた目兼林道。待ち構えるその先の状況が危ぶまれますが、林道標を眺めればヤル気も掻き立てられるというもの。早速、目兼林道をその先へと進ませていただきます!

目兼林道の草紅葉

イヌタデ
露に濡れてしっぽりとした雰囲気の漂う中、なだらかな勾配の続くダートをたどって進み、何事もないまま3箇所目となる分岐地点に到達。目兼林道本線は緩い登り坂となっている右手で、一もう方の右手は、四時川林道字参支線というらしいです。それを示は林道標はすでに消滅していましたが、ここにも「←目兼展示林」の道標が立っていました。なお、路肩に目を凝らしてみると、黄色や赤に色づき始めた草葉が藪の中にちらほらとその姿を見せています。
参支線林道の分岐を右手に進むと勾配の傾斜も大きくなって、そのまま山中を登っていきますが、ここで土砂崩れに遭遇! 言うまでもなく台風と集中豪雨によって発生したもので、崩れたてのホヤホヤ感がまだ漂っていました。しかもたっぷりと水分を含んだトロトロな状態で・・・。チョコレート色のたっぷりな泥水が嫌だったなぁ。
ぅ、その直後にまたしても連続して土砂崩れです! 序盤で凄まじいクレバスが出現していたので、その先もただでは済まされないと覚悟していましたが、やはりそうきたか・・・。大量のヌタヌタな土が樹木を巻き込んで小山のように堆積、あちゃ〜と思ってしまいましたが、すでに現場を乗り越える一筋のタイヤ跡が刻み付けられているのを確認。すでにどなたか乗り越えられていたみたいです。
されていた一筋のタイヤ後に勇気づけられて土砂崩れの現場を無事に通過。そのまま勾配を駆け登っていくと、やがて「目兼橋」に差しかかります。蛭田川源流付近に架かる苔むした欄干の目兼林道ではよく知られた風情ある橋ですね。
→ 欄干をよく眺める!

目兼林道の黄葉

ヌルデ

イヌタデ
お、ここでようやく紅葉らしい草木の色づきを眺めることができました! 谷間に流れるのは蛭田川源流の沢。斜面の樹林が伐採されていたことで沢辺に色づく木々を見下ろすことができたんだよな〜。
れは凶悪! せっかく道すがらに紅葉が見られ始めたと思った次の瞬間、凄まじい規模のクレバスがダートに沿って走っているのに遭遇! これはもう路面崩壊レベルであり、バランスを崩して落ちようものなら即致命的クラスです。かようなまでに路面を掘り下げる大雨時の流水の凄まじさを実感させられますが、これにはちょっとビビったな。斜めに走るクレバスを跨ごうにも、場所をよく見極めないと大惨事。
→ さらに紅葉探索を続ける!
→ 探索中止!
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