探索日 2008.11.01.08
No.T-005

無砂谷左岸線 ■日光市(旧栗山村) ■全線ダート ■分岐→無砂谷右岸線 ■接続→川俣桧枝岐線
■川俣桧枝岐線から分岐してループ状で無砂谷右岸線に接続(※路面消失につき事実上のピストン状態)

 人跡希な山中へと周回ダートは続くが、致命的な障害によりピストン化!  

 ↓通行量の極端な少なさゆえか、ダートには山道チックな雰囲気が漂いますが、
 それはそれで面白く、静寂な山の雰囲気を楽しむには最高の1本でしょう。


……こんな感じ……
■川俣桧枝岐線から分岐して福島県との県境に近い深山地帯へと分け入っていくダート林道。途中で右手に分岐する無砂谷右岸線とループ状に接続して周回コースを形成するが、現状としては路面消失によって事実上ピストンと化している。そのため路面にはややの荒廃感が漂い、致命的ではないものの若干の荒れなもみられ、区間によってはゴツゴツとして走りにくい箇所もある。ただし、コース的に見て難所的な急勾配はほとんど見受けられず、コース自体は基本的になだらかなもの(走行可能な区間に限って)となっているため、雰囲気負けしなければ人跡希な深山の自然色豊かな雰囲気を満喫することができるだろう。

■川俣桧枝岐線から分岐している無砂谷左岸線の入口です。県別地図などで川俣湖付近を眺めてみると、湖の上流地点にて川俣桧枝岐線から左手に分岐してループを形成している道筋がありますが、川俣桧枝岐線との分岐地点からループの輪の左側半分がこの無砂谷左岸線となっています。ただでさえ山深い山中においてさらに山奥へと分け入り、どこへ抜けるともなく周回しているその道筋は林道好きならとても気になる存在であり、その実態を確かめるべく突入探索してみることに。
■分岐直後に僅かに下り坂となっているダートに突入すると、2、30メートルほど先に「路肩 落石 カーブ 注意しよう」と記された黄色い看板と共にコンクリブロック製の林道標が設置されていました。ただし、その位置は分岐地点から僅かながらも少し先となっているため、一瞬、「もはや林道標は消朽ち果てた?!」と思ってしまいましたが、そういうことはなかったようです。
■林道標にてこのダートが無砂谷左岸線であることを確認してからさらに先へと進みと、少し進んだ地点に踏切式のゲートがありました。ただし、遮断バーすでには取り外されたのか、それとも朽ち果ててしまったのか、そこには存在しておらず、どうやらここは廃ゲート化していた模様。
■落葉の時季とはいえ、それにしてもこの落ち葉の量はどうしたことでしょうか。路面を完全に覆い尽くしています。例えればハイキングコースの小径のような山道っぽい雰囲気で、それだけで通行量の極端な少なさがうかがい知れるというものですが、道筋自体は明確であり、もはやその必要もないと思われましたが、このような車両のすれ違いの待避スペースも設けられていました。
■ダート路面に厚く堆積した落ち葉をカサコソと踏み分けつつなおも前進すると、軽い土砂崩れ跡がありました。ただし、軽いといってもそれは二輪に限った場合のことであり、林道を走行する作業系のトラックなどにおいては、それなりの障害となりうる状況です。ダメージ的には大したことないのでそのまま放置してあるのか、それとも何かの理由でダートそのものを放棄しているため、あえて打ち捨てているのか判断に悩むところです。
■土砂崩れ地点を過ぎると左手に大きく開けた谷間が現れました。これは林道名にもなっている「無砂谷」だと思われますが、谷間を挟んだV字の山肌には覆い尽くすような見事な紅葉が! はっとするような思わず立ち止まって見入ってしまう美しさでしたが、路面状態はいつしか岩屑や砂礫が散乱し始めてややガレ気味に…。景色は美しいので文句なしですが、路面的には若干の不安を覚える状況になってきます。
→谷間を眺める!
■路面が若干ガレ始めてくると随所で荒れが目に付くようになりました。その中にはこのような路肩崩落箇所も。路肩をガードする擁壁は残っているのに、肝心の地面の土が底抜けしていました。しかもコーンや警告版など危険箇所を告知するど設置物は何も無し! 完全にそのまま放置されているといった感じです。なので、当林道での脇見運転だけはなかなか危険かと。
■画像では分かり難いですが、路肩崩落の先には軽度の土砂崩れ跡がまたありました。堆積した土砂で路面がボコボコと不自然に盛り上がっていましたが、もちろんオフバイクでなら何の問題もない程度。これまでのところは走行困難といった荒れは見受けられなかったものの、それでも荒れは僅かながらも確実に進行しているようです。
■山道だかガレ道だか釈然としないどっちつかずの中途半端な荒れ具合を見せるダートをさらに進むと、やがてY字になった分岐が現れました。ここは一瞬、「すわ、名無しの類の入口か?!」と思ってしまいましたが、結果から述べると左手側が無砂谷左岸線で、右手側は無砂谷右岸線となっています。ここが県別地図などで記されているループ区間の入口なのですが、分岐地点には林道標も設置されておらず、名無しの入口と受け取られても仕方ないような雰囲気かと。
→無砂谷右岸線に突入!
■分岐地点から無砂谷左岸線、無砂谷右岸線それぞれの行く手を眺めてみるとこんな感じです。左岸線のダートはここから下り坂で一気に駆け下り、一方の右岸線はそのまま平坦路っぽいダートが続いていました。ちなみに無砂谷右岸線の林道標はここからしばらく進んだ地点に存在していますが、初めてやって来た場合は、ここに到達した時点ではそれに気が付くこともないので、どちらに進むべきか迷ってしまうかもしれません。よって、ここを右折側へと進んでしまい、左岸線のつもりで右岸線へと入線していることもありがちです。
■無砂谷右岸線に別れを告げて左岸線の下り坂をゆっくりと下って進みます。地図上では分岐後に無砂谷の流れを渡り、その左岸側を大きく回り込んで右岸線に接続しているはずなので、この下り坂は谷を渡るべくその岸辺へと降りていくものだと想像できました。それにしても落ち葉の量が物凄いです。
■下り坂は先に進むにつれて傾斜角度が徐々に増大、まるで転がり落ちるような感じになってきました。ここは慎重にブレーキ操作をこなして進みますが、何もしなくても自然とスピードが上がってしまい、エンブレ音がうるさいぐらいです。そしてとある急カーブを曲がると…。
■なんとダートは無砂谷の岸辺にていきなり消滅! しかもその末端部分は水辺に落ち込んでの消滅でした。おそらくダートは下流に設けられたダムに土砂が堆積したことによって増水氾濫した水流で洗い流されてしまったのでしょう。手持ちの県別地図には谷を渡る道筋がはっきりと記されていましたが、ここにはもはや橋の痕跡すら全くありません。その先へと元々道が続いていたのかさえ疑わしくなってくる状態です。というわけで、無砂谷左岸線は完全に分断されているのが現状であり、こんな状態なので全面復旧はもはや望めないかもしれません。どうしても対岸のその先を走ってみたいというのならば、これはもう無砂谷右岸線側から逆回りでアプローチするしかなさそうですね。何人といえどもオフバイクではこの流は越えられませんよ。だめだコリャ…。
→諦める!
→その先を眺める!
→引き返して川俣桧枝岐線に向かう!