阿古林道 / Ako 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.05.02 / No.T-104 
 [ 所在地 ]三宅村 [ 状態 ]ピストン舗装(詳細不明) [ 接続林道 ]雄山環状林道(旧道区間 / 現廃道状態) [ 分岐林道 ]-
 2000年の三宅島噴火によって消滅した林道は今もなお近づくのは限りなく困難な状態のまま・・・

こはかつて村営牧場があった七島展望台入口のそば。「雄山(おやま / 775m)」山頂直下の「危険区域」に指定されている村営牧場跡を、現在は廃道化している雄山環状林道の道筋が阿古林道の起点に向かって延びていますが、阿古林道は放棄されているその雄山環状林道から分岐して、雄山の山頂までを結んでいたピストン林道です。山頂には「八丁平」と呼ばれる湿原や、「雄山サウナ」と呼ばれる山頂火口にできた噴気地帯があって観光客で賑わっていましたが、2000(平成12)年の三宅島噴火によって阿古林道共々跡形もなく消滅。画像は「七島展望台」入口付近から危険区域内を阿古林道起点へと向かう雄山環状林道の道筋ですが、現在は火山ガスの危険性によって阿古林道へは全く近づけない状況になっています。
在、広大な村営牧場跡が広がる危険区域を通る区間は放棄されて廃道化している雄山環状林道ですが、噴火以前のかつてのルートは画像で言うと前方右手(大路池展望台方向)から前方左方向。しかし、左折側は放棄、廃道化しているため、現在はかつての「牧野管理道路(画像手前)」がその代替路として雄山環状林道の一部区間に組み込まれています。
→ 林道標を眺める!
→ 牧場公園案内図を眺める!
岐を振り返るとこんな感じ。コンクリ簡易舗装されているのが現在の雄山環状林道ルートで、黒くアスファルト舗装されている方向が放棄されたかつての雄山環状林道区間。たいていの観光客は気に留めることなく通り過ぎてしまいますが、路肩に今も残されている「牧場公園案内図」をよく眺めるとそのことに気づきます。
2000(平成12)年の噴火以降、危険区域内を阿古林道方向に向かう雄山環状林道は封鎖され続けていますが、封鎖区間の入口には「三宅島ジオトレッキングルート」を示す案内板が設置されていました。村営牧場跡地が広がり、噴火当時の様子がよく分かる場所として、ここはジオトレッキングルートの見どころスポットになってるみたいです。
→ 付近を眺める!
山ガスの危険性により、現在もなお立ち入りが制限されている村営牧場跡地に延びる雄山環状林道。ボコボコと起伏の激しい荒涼とした噴火跡地にはアスファルトの道筋が残されていますが、この道を進んだ先に阿古林道分岐があったというわけ。路面状況的にはオフバイクでならば物理的には進んでいけるのですが、しかし、さすがにねぇ・・・。もちろん、噴火直後に実施されていた「ガスマスク携帯義務」はとっくの昔に解除されているけどさ。
→ 道標を眺める!
棄された区間側から分岐を振り返るとこんな感じ。分岐にはフレコン嚢と鉄パイプ柵が置かれているだけで、その気になれば強硬◯破は容易いですが、そこは耐え難きを耐え、劣情を抑えてぐっと我慢! さすがに火山ガスは怖いし、この先は身を隠す林や人工物がないので、遠くからでも立ち入る姿が丸見えになってしまうので・・・。
火によって壊滅し、区間的に放棄されている雄山環状林道の七島展望台側の状況を確認したら、代替路として現在は雄山環状林道になっているかつての牧場管理道を進み、雄山環状林道の放棄区間の反対側に向かってみます。その途中、右手には緑の灌木に覆われた溶岩原が広がっていますが、ここがかつて村営牧場があった場所。
→ 村営牧場跡を眺める!
山環状林道放棄区間の反対側の入口にやって来ました。「どこが入口?」と思ってしまうかもしれませんが、放棄区間の入口にはフレコン土嚢が置かれているため、辛うじてそこが入口だと分かりますが、しかし、島内巡りの一般観光客が通りがかっても気にもかけないような状況。2000(平成12)年の三宅島噴火以前は、ここから阿古林道を経由して雄山の火口まで行けたなんてとても信じられません。画像では前方が七島展望台方向で、手前は「笠地観音」がある方向。笠地観音の手前にはかつて「三宅村ふれあい広場」があったのですが、村営牧場と同じく噴火によって壊滅してしまったんだよなぁ・・・。
レコン土嚢できっちり隙間なく封鎖されている雄山環状林道放棄区間の入口。あわよくば人目につかぬこちら側から阿古林道に接近できたら・・・なんて思っていましたが、フレコン土嚢と繁茂する灌木の藪に拒まれてしまい、瞬時に無理だと分かる状況でした。それにしても年月の経過で本線である雄山環状林道がこのような状況に陥っていることを考えれば、その支線であった阿古林道はもう完全消滅しているでしょうなぁ・・・。
→ 現場を眺める!
ぁ、ダメだこりゃ・・・。奇跡が起こってエンジン付きで土嚢を乗り越えることができたとしても、その直後に深さ、横幅共に1mほどの大きな側溝が! 土嚢の高さと合わせると、側溝の底までの深さは2mほどになるので、「歩き」でも側溝を超えるのは困難。無理に飛び降りれば足首を挫いて骨折する可能性が大。ここは怖くて近づけなかったぜぇ。
レコン土嚢が置かれて側溝の蓋も外されていた雄山環状林道放棄区間の入口。そこをなんとか突破できたとしても、その先は灌木のジャングルが待ち受けており、こちら側からも阿古林道へのアプローチは到底無理であることを確認しました。
いうわけで阿古林道へと至る雄山環状林道の放棄区間は立ち入り困難なまでに廃道化。よって阿古林道の探索は言うにおよばず、その入口に近づくことすらできませんでしたが、雄山環状林道以上に噴火の被害が甚大で、完膚なきまでに溶岩に埋もれてしまった阿古林道が復旧される日はおそらく未来永劫来ないと思います。
→ 探索終了!
→ 諦めて雄山環状林道に戻る!
トップへもどる 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜