萩形ダムの堤から眺めた小阿仁湖の眺めです。
さざ波一つ立たずに時の流れが止まったたたずまいの静かな湖面。
そこには限りなき静寂さがあるのみですが、
実は湖底にダム建設に伴って移転を余儀なくされた「萩形」集落の一部が沈んでいるんですね。

萩形集落の最盛期は36戸を数えた昭和36(1961)年頃。
これほどの奥地集落でありながら、
沖田面小学校萩形分校が設けられると共に一時期は中学校の分校もあったそうで、
営林署担当区事務所と森林軌道の拠点にもなっていたとのこと。
しかしその後のダム建設によって昭和39(1964)年からついに移転が始まり、
森林軌道は昭和44(1969)年に廃止され、
分校も同年に廃校・・・。
元々はマタギを生業とする狩猟文化が盛んであった萩形、
昭和45(1970)年に最後の12戸が集団移転して集落の歴史は終焉を迎えたらしいです。

あぁ、このダム湖にそんな歴史が秘められていたとは・・・。

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