阿仁又林道 / Animata 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.08.12 / No.AK-043 
 [ 所在地 ]五城目町 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]大倉又林道
 林鉄軌道跡の木材搬出系林道だが、中盤以降は雑草まみれで見るかげもなく荒れ果てて・・・

田県南秋田郡の五城目町から上小阿仁村にかけて広大な深い森が広がる大平山地。かつてマタギが活躍した山々ですが、そのような深山地帯に無数に延びるピストン林道群。しかし五城目町〜上小阿仁村間の県129号線(杉沢上小阿仁村線)が「萩形白内峠(386m)」を挟んで万年通行止化しているため、近接していながら両町村の林道群を総ナメで一挙に探索するのは距離的、時間的に難しいのが現状。というわけで今回は五城目町エリアに的を絞って訪れた林道群の1本がこの阿仁又林道というわけ。
してこれが無数の道標群が立つ馬場目「落合」地区にある阿仁又林道の起点の様子。県15号線を五城目市街地方向から進んで来ると、県129号線分岐の先の1つ目の左折路が林道入口になっています。情報によれば以前は「阿仁又林道入口」と記された林道標があったようですが、現在は「阿仁又」とのみ記された道標が設置されています。
→ 道標を眺める!
→ 道標を眺める!
道標の代わりに「阿仁又」とのみ記された道標を後にして、いざ阿仁又林道の探索を開始します。すぐに大量の土砂が路肩に積み上げられた土砂崩れの発生跡が現れましたが、路面はすでに復旧済み。きれいに踏み均されて全く問題はなかったです。なお、画像では前方左手の斜面を登っていく草深い分岐ダートが見えていますが、たぶんあれは道標も設置されていない作業道の類でしょう。本線探索を優先して立入りは見送っておきました。
く踏みしめられて締まった状態の阿仁又林道のダートが森の奥へと続きます。ダンプ道というほどガチガチではなかったですが、路面にはワダチの雑草もほとんど見られず、平日には林業トラックや関係車両がそれなりに立ち入っているのだと思われました。
通しの良い適度なアップダウンでなだらかなコース展開が続きますが、それはたぶん阿仁又林道の前身が森林鉄道の軌道であったことに関係しているのかもしれません。現在の林道は昭和44(1969)年に廃止された杉沢森林鉄道「大倉又支線」の軌道だったとのこと。ただし、道すがらに林鉄遺構や古レールの再利用は見られなかったですけどね。
こも土砂崩れの復旧跡ですね。崩れた土砂や岩はすでに取り除かれており、車両の通行で路面は整地したように均された状態でした。多少のモコモコ感と土中から頭をのぞかせる岩がガタガタとした程度で、基本的には通行に支障にもなかったです。あえて述べるとすれば、土が湿っているので通行に際して多少の泥っぽい感触があったことくらいでしょうか。
フライダー的には思わず嬉しくなってしまうアップダウンのコース展開で楽しませてくれた阿仁又林道。思わずアクセルが開きがちになってしまいますが、大量の石が頭を出してえらくガタガタな区間も局地的に現れるのでスピードの出し過ぎには注意! 調子こいていると予期せぬ強い振動でフロントを振られて突っ転ばされる可能性もあります。
して現れた林道名由来の「阿仁又沢」を右岸へと渡る橋。馬場目沢国有林に源を発し、馬場目川へと注ぐ沢ですが、そこに架かる橋上はお約束通りトロトロな深泥と水溜まりで覆われていました。しかし、道すがらに阿仁又沢の流れを眺められる地点は橋上だけなので、ブーツが泥にめり込まないようにそおっと欄干に近づいて沢を見下ろします。
→ 阿仁又沢を眺める!
仁又沢を渡って右岸伝いに溯っていきますが、深く濃密に茂った木々が視界を遮っているため、林道のすぐ左手に流れているはずの阿仁又沢の渓流はまったく見えていません。ただひたすらに真夏のむせ返るような濃密な緑の中を前進するのみでした。しかも、少しでも立ち止まろうものなら、凄まじいメジロアブの大群が血を求めてわ〜んわ〜んと集ってくるし。
すがらに見えない阿仁又沢沿いにその源流へと向かってダートは続きますが、途中、水溜まり前後の泥っぽくて軟弱そうな地点では路肩に鉄板が敷かれていました。木材搬出の林業トラックおよび関係車両への通行対策であり、路面維持もきちんとなされているようです。
の後しばらく進むとY字となった分岐が現れますが、ここは阿仁又林道をたどる探索では少しばかり注意が必要な地点。すなわち左折側が阿仁又林道本線となっているのですが、道なりの右折方向が阿仁又林道であるかのように見えているんですね。しかし、分岐の股の薮の中に「大倉又林道」と記された林道標を発見! 林道標は明らかに右折方向を示しており、これより先は別林道になっていたことが判明しましたよ。というわけで、もしも林道標を見つけることができなかったならば、確実に道間違いをヤラかしてしまうと思います。
→ 林道標を眺める!
→ 大倉又林道の様子を眺める!
→ 大倉又林道に突入!
道標の発見によって分岐の左方向が引き続き阿仁又林道であることが判明しましたが、分岐地点を境として路面状況は急激に悪化します。僅か十数メートル進んだだけで早くも「車両の通行は途絶えていますよ」感が漂い、ポツポツと路面に雑草が蔓延ってきます。そして現れたのが左右に張られたトラロープ。この先で落石が発生しているため、車両が立ち入らないようにとのお約束の簡易的なゲート処置ですなぁ・・・。
→ 振り返る!
いうわけで大倉又林道都の分岐は左方向に進んで阿仁又林道をさらに前進させていただきますが、路面状況が悪化しているといっても、即立入りが困難なほど荒れているわけではありません。車両の通行の痕跡はかなり薄く、ここ最近は車両の立入りが途絶えているのが一目で分かりましたが、オフバイク的にはまだ普通に進めてしまう状況です。
の後、今のところは通行に支障はないですが、予期していた通り、前進するにつれてダートは徐々に草深いものへと変化。路面が作業道じみたものへと確実に規格ダウンしてしまい、やがてダートは蔓延る雑草でワダチダート状態になりますが、構わずさらに進むと、そのワダチダートも生い茂る夏草に埋もれがちで不明瞭な状態に・・・。この先どこまで進めるのか不安と期待で胸の鼓動が高まってきます。
両の通行が途絶えるとやがてワダチは風雨で均され、路面はフカフカで軟弱な腐葉土状態になってしまうか、それとも表層の土が洗い流されて酷くガタガタな状態になるかのいずれかですが、阿仁又林道では前者であったみたい。そのような林道に漂う廃れを、ここではハンドルやシートから尻に伝わる路面の柔らかさからも感じることができました。
→ さらに阿仁又林道を進む!
→ 探索中止!
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