おっと、前方路肩に落石です。しかも人の背丈ほどもある巨大なやつ。周囲を見回してみても、こんな巨大岩石が落下してくるような崖などないように見えますが、実は右手の薮に崖が隠されているだけなんですね。このような斜面の薮からいきなり帯出してくる落石、その瞬間に出くわしたら実際のところ避けようがないと思います。 | |
ダートには落石もみえるようになり、いよいよピストンならではの険しさが出てきたようです。雑草のワダチダートも次第にガタガタ感が強くなってきました。半乾き状態の水溜まり跡もあり、泥でヌルっとした地点もあったりします。 | |
路面の砂利がすっかり洗い流されてゴツゴツな岩盤が部分的に露出していました。なのでここは十分にスピードダウン。進入速度に気を付けないとかなりの衝撃を尻に受けてしまうのはもちろん、不意にフロントが弾かれて転倒の危険もあります。 | |
どこかで清水でも流れ込んでいるのか、またしても路面がびちゃびちゃな区間。シャシャ〜っと水を跳ねながら前進します。そして天候は晴れであるのになぜか足回りは泥だらけ。まあ、山奥のダートピストンではこれも仕方ないです。 | |
半濡れ状態のダートをしばらく進んでいくと道端に木材が積み上げられていました。搬出を待つ伐り出された木材の集積場、すなわち土場ですね。見上げる壁状態で物凄い量でしたが、これって下北半島特産の「青森ヒバ」でしょうか? | |
その後も道すがらに度場が連なって点在していました。そして玉切りされたヒバ材がここでも見上げる高さにまでみっちりと積まれています。土場に人の姿はなくてシンと静まり返っていましたが、いかにも木材搬出系の林道らしいその雰囲気が良かったです。 | |
これほど高く積んで崩れないのかと思ってしまいますが、よく眺めてみると端の部分が筏状に組まれていました。これなら崩れないですね。しかしよくまあ、ここまで整然と積み上げたものだと感心しながら土場を抜けて先へと進みます。 | |
そこに木材の積まれた土場があったということは、木材搬出トラックがそこまで通っているということ。したがってこの先にまだ土場があるのならば、路面はいかにガタガタな雑草まみれの低規格であっても放置系荒廃だけはしていないはず。というわけでこの安部城林道、いまだ荒廃を見せないその状況から察するに、終点まではまだまだ距離がありそうだな。 | |
やはりその先にもまだ土場がありました。でも木材は1本もなくてカラッポ。そしてどうやらここが安部城林道最奥の土場だったみたいですが、夕暮れ迫るこの時間帯、人里遠く離れた山中の最奥の土場には恐ろしく淋しい雰囲気が漂っていました。 | |
最奥の土場の先にもダートは続いていましたが、そうであると睨んだ通り、ここを境に雑草深さが一気に増しました。林道終点へと近づいてきたらしく、ピストンではお約束の展開です。ここから先に立ち入る車両があるとすれば軽トラくらい。そんな感じです。 | |
膝の高さにまで雑草が延びまくった安部城林道末端区間。雑草に隠れがちな路面のワダチもいつの間にかヌルっぽい土質へと変わっています。まともな林道ライダーならば嫌煙したくなる雰囲気ですが、ここでは思わず嬉しくなってニヤリと含み笑い・・・。 | |
すぐにでも薮に埋没していそうな雰囲気が常に感じられ、もはや「ここは作業道である」と言ってもおかしくはない路面状況。それでいながら途切れることなく、林道ライダーを奥へ奥へと誘い込むかのようになおも続いていたワダチダートです。いい状況になってきましたよ。 | |
とはいうものの、雑草に埋没寸前であったダートの閉塞感はかなりのもの。壁状態で連なるクマザサの薮が放つ圧迫感、そして夕暮れ迫って陽が少し陰り始めてきた状況に思わずゾクゾクしてしまいます。もし、ここでなにかのトラブルで身動きとれなくなったならば、陽のある内に林道脱出することはまず不可能。そう考えるとリアルに少し恐いですが、それでいながら先へと進んでしまうのは恐いもの見たさでしょうか。 | |
もはや地面の土はほとんど見えておらず、雑草に埋没寸前であった安部城林道のダートでしたが、やがて待避所のような地点に到着。なぜかそこだけ路面の雑草が刈られていましたが、どうみてもここに車両同士がすれ違うだけの通行量なんてないです。おそらく、極希に立ち入る車両の引き返し場となっているのでしょう。周囲は酷い薮森状態であり、まるで薮の中にポッカリと開けたエアポケットのようでした。 | |
そして視線を先へと向ければ、一段と薮むした状態のダートがさらに続いています。林道開設当初はそこへも車両が立ち入っていたのでしょうが、とっくに放棄されていたみたい。というわけで、最低限なんとか車両が通行可能な道として機能していたのはここまで。放棄で廃れ果てた道筋はなおも続きますが、同地点をもって事実上の安部城林道終点とみていいでしょう。
→振り返る! →空を見上げる! |
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となれば残る問題はただ一つ。さらにここを進むべきか引き返すべきか…。でも残念ながら状況がそれを許しません。気がつけば時刻はすでに午後5時をとっくに過ぎています。まだ陽は明るいですが、それでも山の日暮れは思っている以上に早いもの。行くと決めたらなりふり構わず一騎駆けに突き進みますが、ここは勇気をもって退く時でしょう。というか、そろそろお腹も空いてきたし、なによりも真夏の林道三昧でかいた汗を温泉で早く流したかったのでね。
→探索終了! |
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