探索日 2012.10.13
No.C-172

大森第2支線 ■大多喜町 ■全線ダート ■接続→大森線
■大森線から分岐して山中に延びる

 濃厚な房総林道ならではの雰囲気が探索者を魅了する未知なるピストン  

 ↓奥深い房総山中の林道ならではの路面状況と、自然色豊かな沿道の雰囲気が
 素晴らしいダート林道。真の林道好きならばその林道標は眺めておきたい?!


……こんな感じ……
■厳重なる封鎖によりまともには探索できない大森線から分岐する支線ピストン。ゆえに勇気を持って自動二輪以外の探索手段を選択した者だけが訪れることのできる存在であり、もちろん県別地図にも未記載につきかなり訪れにくい林道である。基本的には荒れはないが、深部へと進むにつれて路面から感じられてくる廃れ系の放置臭は否定できず、房総ピストンならではの鬱蒼とした雰囲気の区間もある。しかし、それを考慮しても総じて素晴らしい雰囲気のダートであり、ここでは房総ならではの自然をじっくり味わうことができるだろう。人や車両がほとんど立ち入らないため、大森第2支線沿道ではシカやヤマドリなどの動物と出会える確率はかなり高い。

■大多喜町「会所」地区に存在する大森線の支線である大森第2支線の入口へとやって来ました。本線である大森線は厳重に封鎖されているためオフバイクでのアプローチは不可能なことに加えて、房総林道の中でもまず知られることなく事前情報は皆無であり、さらに探索には自動二輪以外の手段が求められるため、なかなか訪れることが難しい1本です。それゆえに、林道標の設置されたこの地点に立った瞬間の驚きと喜びはひとしお! 事情が事情なのでやむを得ませんが、それでは早速徒歩にて探索してみたいと思います。
■僅かな舗装の痕跡がみられた入線直後のストレートを過ぎると、切り開かれた森の切れ目に沿ってダートは延びています。陽射しのさんさんと差し込むとても明るい雰囲気が素晴らしいなぁ。
→樹木を見上げる!
■大森第2支線のダートは山肌の細かなしわを丁寧になぞるように右へ左へと細かなカーブを描きます。カーブ地点では道を通すために右手の山側の斜面が切り崩されて砂岩質っぽい崖が露出。この林道には思っていたい以上に険しい雰囲気が感じられました。
■沿道の森はかなり濃厚な雰囲気を放っています。陽射しの差し込む地点では実に明るい雰囲気ですが、日陰となったカーブ地点では昼なお薄暗さが感じられ、やはりここは鬱蒼とした房総山中であることをあらためて実感。ま、そのぶん自然色は豊かなんですけどね。
■封鎖林道の支線ということで大森第2支線へと入る関係車両の通行はかなり稀みたいです。路面には砂利が敷かれていましたが、雨にでも洗い流されたのか、その大半はコケやうっすらとした雑草に覆われて申し訳程度にしか残っていません。一般車両が立ち入れないためバイクのタイヤ跡があるはずもなく、関係車両のものと思われるタイヤ跡ですらここでは見られませんでした。
■林道は静寂そのものですが、やたらとシカに遭遇したっけ。その姿が見えなくても警戒のピイピイという鳴き声が森の奥から聞こえたりしました。やはり徒歩だと音を立てないので、バイク走行時に比べて動物との遭遇率は格段にアップするようです。
■通常の林道探索では1日を通して飲み物以外には一切口にしないこともあるのですが、さすがに徒歩となると話は別。しっかり食べて栄養補給しないとへばってしまいますからね。というわけで、途中でたびたび現われるブロックタイプの林道標設置地点でメシにしますか、メシに!
→メシにする!
→地面を調べる!
■ランチを摂取、体力回復を図って再び前進を再開します。それにしてもこれは徒歩だからこそ気付いたことですが、シカがやたらと出没する林道ではそのフンも多いですね。ところ構わずしまくっているらしく、小豆大の黒い粒々がワダチ脇の雑草の上に大量に、それもいたる所に散乱していましたよ。踏まないように避けつつ進むのが大変でした。
■黙々と大森第2支線のダートを終点目指して進みますが、道すがらブロックタイプの林道標がぽつりぽつりと現われます。それらは林道が延長される毎に新たに設置されるらしく、どうやらこの林道は4、5回の延長工事を経て現在の長さに達したみたい。
→景色を眺める!
■砂岩質の岩盤の露出した切り度しを何度も抜けてダートはさらに延びています。両脇を崖に挟まれた切り通しでは日陰となっているので、路面状態もジクジク気味となっていたっけ。いかにも房総林道らしくはありますが、雨天直後はちとばかり厄介そうな大森第2支線ですね。
■どういう風に厄介であるかと言うとズバリこんな感じでしょう。オフバイクでならこういう箇所に乗り込んでもさほど気にはなりませんが、徒歩での場合は靴が泥まみれとなってしまいます。
→景色を眺める!
■この大森第2支線は相次ぐ延長工事で開設されていったので深部へと進むほど路面は新しいはずなのですが、実際には前進するほどに放置系の荒れが見られます。ワダチは風雨によって完全に均されて車両の通行の痕跡が消え失せている区間もあったな。
■うわ、凄いシダ系の植物の繁茂です。垂直な路肩の崖の上部から路面に覆い被さる勢いでアーケード状に垂れ下がっていましたよ。ジメジメとした房総林道ではしばし見られる光景です。
■ですが、日当たり良好な区間ではこのようにとてつもなく明るい雰囲気に早変わりします。こういう区間では快晴にさえ恵まれれば暗めな房総林道とは思えないほどの爽快さとなるので、特に房総林道ではできる限り快晴時を狙って探索するのが重要でしょう。
■「変形支線分岐?」その後もまだ見ぬ終点を目指しててくてく進みますが、やがて前方にこのような地点が現われました。それにしても支線分岐にしては少々不自然な形状をしているので、とりあえず右折側を眺めてみますが、ここの正体ってなんだか分かります?
→右折側を眺める!
■切り返し場が現われたことで終点の近さを確信しますが、やはりその先の急カーブを曲がった少し先でダートはぷつりと途切れて終点を迎えます。そこから先には樹木の茂った斜面があるだけで、木こり道さえ存在していませんでした。濃厚かつ鬱蒼とした森のまっただ中の何もない場所なので、ここは長居をするような場所でもないでしょう。早々に回れ右にて、シカのフンがやたらと散乱していた道をトボトボ引き返して大森第2支線の徒歩探索は終了です。
→探索終了!
→引き返して大森線に向かう!
→その先の様子を眺める!
→振り返る!