探索日 2008.07.20
No.F-080

千軒平支線 ■いわき市 ■全線ダート ■接続→銅山線
■銅山線から分岐して山中に延びる

 荒廃感漂う豊富な分岐とガレで楽しめる無名な支線群が魅力かも?!  

 ↓深部へと進むにつれてガレ、藪などで楽しませてくれる1本です。思った以
 上に奥深いので、隅々までじっくり探索するとそれなりに時間はかかりますが。


……こんな感じ……
■銅山線から分岐して林道名にもなっている千軒平溜池脇を回り込んで山中奥深くへと延びるピストンダート。確認できた範囲では5箇所にもわたって枝分かれ式に分岐を繰り返すため、やがてどこが本道であるのか分からなくなってしまう。路面は砂利質から土質まで変化に富むものの、走行的には深部へと進むほどに走りにくくなる。沿道は鬱蒼とした森に覆われているため、決して明るい雰囲気ではないが、自然色だけは豊かなのでトレッキング気分で探索するにはちょうどよいだろう。分岐ダート群はいずれも最終的には藪に飲まれて自然消滅するが、途中にはガレ場を形成する箇所もあり、小慣れたピストン好きならちょうどよい感じかも。

■県別地図などで分岐元である銅山線を眺めてみると、途中で左手に分岐して千軒平溜池の左岸を回り込んで国有林の奥へと延びている1本の道筋がありますが、それがこの千軒平支線です。ただし、銅山線からの分岐地点はおろか沿道にはもはや判読可能な当林道の林道標は存在していません。そのため名無し林道もしくは仮称名で紹介されていることの多い、地図上では1本道で記されたピストンですが、枝分かれ式に分岐を繰り返しているのがその実態。これは林道探索においては最も探索時間のかかる厄介な形態ですが、その反面、探索しがいだけはあるというものでしょう。では前置きはこれくらいにして千軒平支線に突入してみることに!
■銅山線から分岐すると、すぐに蛇行しつつ連続した勾配区間が始まります。路面は荒れてはいないものの、ズルズルな砂利質なのであまりアクセルを吹かしているとズリ気味になってしまうかも。
■見通しの悪いやや急な坂道を登坂して進むと、早くも分岐ダートが右手に現れました。このような草深く小さな分岐は手持ちの地図に載っているわけもなく、その暗い雰囲気から作業道であると推察されましたが、あいにく入口には「関係者以外立入禁止」の立て看板と共に1本のチェーンが。おそらくこの先にある千軒平溜池のほとり方向にでも延びているのでしょうが、ここはその意志を尊重してひとまずパスしておくことにします。
■1本目の分岐を過ぎてさらに進むと、ここでようやく入線直後から連続していた心臓破りの急勾配は一息つく感じで終了となりました。あらためて周囲を見回してみますが、そこにはガスで霞がかった深い緑の森が広がっているだけであり、入線早々にして、これはまたとんでもない山奥まで来てしまったと実感してしまいます。
■霧のようなガスが漂ってしっぽりとした雰囲気の中、さらに森の奥へと延びるダートをたどるとY字のようになった2本目の二股分岐に行き着きました。ここに標識類はもちろん無く、左右のどちらもあまり大差ない路面状況なので、どちらに進むべきか少々悩んでしまいましたが、千軒平支線本道は緩い下りとなっている右手方向です。 で、 もう一方の登り坂となっている左手の状況ですが…これは突入してみればすぐに分かります。
→左折分岐に突入!
■ガレ場へと続いていた左折分岐地点を過ぎると、やがて路肩右手に木々の隙間から林道名にもなっている千軒平溜池がちらほらと見えるようになって、ダートはその左岸に沿って進んで行きます。ただし、ここは岸辺の鬱蒼とした森の中を進むことになるので、開放的というにはほど遠く、ダートはどちらかといえば暗めな雰囲気でしょう。
■千軒平溜池の左岸沿いにしばらく進むと、びっしりとした森に囲まれてなんとも薄暗いY字の分岐地点が現れました。この地点には林道標の類は存在していませんが、「→三森山」とだけ記された道標があり、分岐の股の部分には苔むした石祠がぽつんと祀られています。なお、コース的には分岐の左右どちらく路面的には似た状況でなので、ここはどちらに進むべきか大いに迷ってしまうところでありますが、千軒平支線の役割を登山道を主体と考えるならば右折側が本道で、林業的役割を重視しているのなら左折側が本道だと思われます。果たしてどちらが千軒平支線の本道であるのか正確なところはよく分かりませんが、ここは県別地図などでは右折方向のみ道筋が記載されています。
→付近を眺める!
■石祠前のY字分岐をとりあえず左折して探索を続行します。 左折すると千軒平溜池の岸部からは完全に離れて昼なお暗い森の真っ直中に小砂利のダートが途切れることなく続いていました。沿道の森は雰囲気的には暗めですが、自然色だけは豊かなのであまり悪い気はしません。
■森林浴気分で小砂利ダートをしばらくたどっていくと、このように路肩の脹らんだ地点がありました。一見するとなんでもないような場所ですが、路肩の藪をよく眺めてみると「松山沢廃坑跡」と記された立て札が設置されています。かつてここには坑道入口があったらしいですが、現在では一面草木に覆われてしまい、このように案内してもらわなければ、いや、案内してもらっても全く分からない状態と化しています。
→立て札を眺める!
■「あ、ゲートだ!」松山沢の廃坑跡を過ぎると、とあるコンクリ橋の手前に遮断式のゲートがありました。とはいってもご覧の通り、ゲートのバーが路肩の藪に半ば埋もれていることから、ここはすでに死んで(廃ゲート化)しまっているようです。ゲートがあるということは、こちらが千軒平支線の本道なのか? とも思いましたが、それを確かめるすべがありません。ま、ここはオープン状態にあったということだけで良しとしておきましょう。
■廃ゲート化していた地点を過ぎてなおも前進すると、路面はいつの間にか草深さを増してきたようです。道筋事態はまだしっかりしていましたが、何となくその先の様子が不安となるような雰囲気が路面に漂い始め、こいつはなかなか面白くなってきましたよ!
■ダートが草深く変化してその先行きが怪しくなってきたと思うと、その先にて少々ガレた登坂区間が現れました。ダートはここに至って路面状況が一変したようで、それまでの走りやすいものから作業道じみたものに変化、これ以降の区間は場所によっては走りにくい地点が現れるようになってきます。これはなんとなく想像していた展開でもあり、また、路面的にこの先どのように楽しませてくれるのかとの期待を込めて思わずニヤリと含み笑いが。
■「おお、またしても分岐が!」千軒平支線突入後、数えて4箇所目の分岐地点が現れました。林道屋の直感としては先述した石祠前の分岐からこちら方向がやはり千軒平支線の本道だと思われるのですが、ここに至ってはもうどちらが本道であるのか、判断が付きかねる状況ですよ! 見た目的にも双方ともに大差がないので、ここもどちらに進むべきか迷ってしまう地点だと思います。ちなみに、ここにはその僅かな判断材料となる林道標らしきものがあるのですが、サビが回って半ば朽ちかけているため、実際にはなんの参考にもならず…。
→付近を調べる!
■「うひゃぁ…」先述の分岐地点の朽ちかけた林道標らしき標識の存在によって、そこまではとにかく「林道」であることは判明したものの、分岐の股の部分に設置されているため、左右のどちら方向を示しているのかが不明であったので、とりあえず下り坂となっていた左手方向に突入してみましたが、坂を下りきった地点にて荒廃を感じさせる藪が!
■路面の雑草は深かったですが、ワダチ部分はなんとか土が見えていたので「ならば前進するしかないだろう…」と進んでみたのも束の間、行く手は一面の雑草まみれに。その先にてダートの自然消滅を予感させる展開ですが、道筋は消えることなくさらに続いていました。
→さらに千軒平支線を進む!
→探索中止…