No.F-123
千沢線 |
■白河市・天栄村 ■半ダート ■県282号線大信隈戸「十日市」地区から天栄村「牧之内」地区を経て県58号線大信隈戸「原町」地区とを結ぶ |
勾配続きで淋しい山間部の斜面を巻くようにして延びる完抜け半ダート |
……こんな感じ…… ■山の稜線付近を巻くようにして県282号線から県58号線とを結ぶ完抜け林道。 県282号線側は生活道路を兼ねるため最奥の民家までは鋪装されているが、以降の区間はダートとなっている。探索時は積雪期であったため通常期とは状況が異なるが、路面的には良もなく不可もないといったところ。区間によっては雑草のはびこりも確認されたが、基本的には荒れもなく走りやすい部類に入るだろう。植林と雑木の混在する山間部に勾配主体で延びており、淋しい雰囲気の漂う林道だが、閉鎖的というわけでもなく途中には付近の山々を望める展望箇所もある。わざわざ訪れるほどのものはないが、付近を通りかかったならば立ち入ってみてもよい1本である。 |
■未知なる林道を求めて、冬期には白河市と天栄村の境の峠が通行止めとなる県282号線を白河市側から進むと大信隈戸「十日市」地区で左折する千沢線を発見。正確には起点となる入口には木杭タイプの林道標が設置されていましたが、残念ながら路面は舗装路にてスタートしていました。 | |
■いざ千沢線に乗り込みますが、ここは十日市地区の生活道路になっているみたい。淋しく点在する民家を眺めつつその先の山林へと向かって進みますが、いつしか舗装路は凍結プラス積雪状態に…。福島県でもこの辺りは降雪はあってもさほど積もるような地域ではないので、路面や建物は乾いているのですが、さすがに山間部辺りでは話は別というわけか。 | |
■山林内へと進むと鋪装区間は終わって路面はダート化しましたが、登り坂となったその先は積雪で真っ白でした。ここは進むべきか進まざるべきか悩みどころですが、「雪道林道もまたオツなもの」というわけで、あまり深く考えずに前進を選択。 | |
■積雪は10センチほどでしたが、登り坂の傾斜はそれほどでもなかったことが幸いしてランラランと順調に進みます。今のところ前途に不安を感じるようなことはありませんでしたが、身を切るような寒さは格別。腰から下が痺れるような、そして持参したドリンクも凍ってしまうのではないかと思われるほどの寒さです。 | |
■しばくは順調に進めたものの、坂道の傾斜角度が次第に大きくなって来るとスタック回数が増えてきます。そのような場合はもちろん手押しにて進むわけですが、そのおかげで身体がポカポカと暖かくなってきましたよ。 | |
■下車、乗車を繰り返しながら進みますが、ダートを覆い尽くす積雪からは冬枯れした雑草が顔を覗かせていました。林道自体に荒れはないみたいですが、通常期でも千沢線の通行量はかなり希薄そうです。それゆえか、積雪に残されていた四輪のタイヤの踏み跡も進むにつれて薄れてしまい、積雪は徐々に新雪っぽくなってきます。
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■し、しまった…! | |
■坂道の雪は表面が固くなってその上をスムーズに進めるところもありましたが、概してはまり込むとなかなか抜け出せません。手押しで脱出しようにもリアが暴れて雪を掘るばかり…。際限なくそのようなことを繰り返すうちに疲労感が高まってしまい、行軍速度は次第に匍匐前進のような微々たるものになってしまいました。
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■そしてついに勇気ある撤退を決意。ここまでの過酷な手押し行軍によって汗だくとなった身体は一時的に暖かくなっていますが、一息つけるために僅かでも立ち止まると急速に全身が冷却されてしましまいます。そのような状況でこれ以上前進することは自ら死地へと入り込むようなもの。残念ながらここは潔く撤退するしかないようです。 | |
■というわけで千沢線を入口のある県282号線へと退出。その後接続する県58号線を羽鳥湖方向に進みましたが、なんと58号線沿いに千沢線の木杭タイプの林道標を発見! そこには「二級林道 千沢線終点」なる文字が記されていました。ということは、千沢線は県282号線から県58号線を結ぶ完抜け林道だったのか!
→林道標を確認する! |
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■「ならば行くしかないだろう!」県282号線側からのアプローチは勇気ある撤退を強いられて千沢線探索は失敗となりましたが、これで状況が変わりました。こちら側からならばうまいこと完走できるかもしれません。時刻はすでに短い冬の日の夕闇迫る午後4時でしたが、そんなこと構わず千沢線へと再突入ですよ! | |
■県58号線側から再突入するとすぐに路面はダート化しましたが、 入線直後は田圃の脇を抜けてまるで農道みたいな雰囲気です。身も凍る寒い真冬の、それも正月元日の夕暮れ間近にわざわざ立ち入るような場所ではないな。う〜、さぶ…。 | |
■田圃脇の坂道を登って進むとダートはすぐに積雪状態となり、そのまま山林の奥へと続いていました。夕暮れ間近ということもあって林道にはかなり暗い雰囲気が漂っています。 | |
■山林内部の積雪ダートを慎重に前進中。積雪量はやはり10センチほどでしたが、路面には四輪のタイヤが刻み付けたワダチが形成されていました。山林の見回りか、何かの用で近在の軽トラでも立ち入ったものと思われます。 | |
■山林の奥に向かって延びていたワダチをたどって進みますが、そのワダチは日中の気温の上昇で溶けた表層が早くも凍結し始めています。スリップするほどではないですが、踏み付けるとぱりぱりとした感触が伝わってきました。山の気温は氷点下に向かって急激に低下しつつあるようです。
→さらに千沢線を進む! →探索中止! |