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R349号線をJR水郡線「東舘」駅から「湯岐温泉」方向に進んでいくと、塙町との町界手前の「入宝坂」地区に入口がある金沢・入宝坂林道の起点です。この林道、実はそこそこ荒れているのですが、それでいながら訪れる林道ライダーも少なくはないとのことで、以前から気になっていたんですね。そして実際のところはどのような状況なのか探索すべくやって来た次第です。ちなみに、矢祭町から塙町にかけての界隈だと、比較的延長距離の長い板庭・入宝坂林道がメジャーとして知られていますが、それとは違うので注意してください。
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林道標の立つ起点から林道区間をのぞいてみますが、やはり噂通りに薮むしていました。枯れススキやつる草がはびこり、それは放置系の荒廃を思わせる状態です。冬枯れしていたからまだマシものの、林道ビギナーの方ならちょっとドキッとしてするような雰囲気です。ここ、夏場であったならば酷いことになっていそうだな。
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入線直後の地点には薮に埋もれた状態ながらもガードレールがあって、ここが車道であることが分かります(上段画像を参照)が、すぐにそのような物は消えました。そしてダートの状況はこれです。まだいくばくも進まぬというのに素敵な感じに廃れていますね。
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道筋はキープされているものの、路面は歳月によって幾重にも堆積した枯れ草で地面の土が見えていません。よって走行した感触はとてもフカフカ。その柔らかさ具合がなんともいえない微妙な気持ちにさせてくれますが、このような状態につき、車両の通行はとうに途絶していると断言しても構わないと思います。
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路面を覆い尽くす枯れ薮をもワサワサと踏み分けながら前進しますが、時には背丈が腰の辺りほどもある屈強な枯れ草地点も・・・。かすかに確認できるワダチ部分をフロントで押し分けるようにして通過していきますが、注意しなければならないのがツルやツタ草の存在。勢いで突っ込むと、まるでロープに引っかかったかのように、いきなりの強い衝撃と共にグイっと引き戻されてしまう事態が発生したりもします。
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でもダートは全面的に薮に埋もれているわけではないみたい。時としてこのように開けた区間も現れます。相変わらず地面の土が見えていませんが、それでも一息つける地点ですね。放置系の荒廃林道においては、薮に完全埋没しているように見えても、実はその先に開けた区間があることも多いです。といっても、ここはそこまで薮深くもないですけど。
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地面の土が見えておらず、覆い被さるようにせり出た灌木などでダートは周囲の斜面とほとんど同化した状態に・・・。それでも道なき斜面を進んでいるのではなく、ちゃんと林道を進んでいる最中ですよ。そのような状況がまた楽しかったりもしますが、それにしてもこの金沢・入宝坂林道、なにゆえここまで廃れてしまったのでしょうか?
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もはや、道とも思えないまでに放置が極まった金沢・入宝坂林道でしたが、それでもここが車の通行する車道であることを示す証が存在。すなわち待避所を示す標識でした。しかし、以前はそこにあったと思われる退避スペースはすっかり消滅していました。まあ、車両の通行は途絶えているので問題はないのでしょうが、思わず失笑です。
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うわ、これは酷い! 路面に生えた灌木が頭上に多い被さって頭を擦りそう。基本、林道走行中は空気感を直に味わいたくてメットのシールドは上げているのですが、さすがに顔面を保護するため、ここではそれを降ろします。車両が通過する路面上に灌木がここまで根を張っていることからも、放置の度合いが知れるというものですが、放置系の林道では薮を「かき分ける」と共に、「くぐる」要素もけっこうあったりするんですよね。
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林道のルートそのものは把握していますが、具体的にどの地点を通っているのか把握できない状況が続きます。前後左右、視界に入るのは冬枯れした薮まみれな地面のみ。もちろん、林道入口に立った時点で景観などは期待はしていませんが、こういった状況なので道すがらの景色なんて楽しめないですよ。そういうのを求める林道ライダーは立ち入らない方がいいでしょう。この先どこで前進を妨げられるか知れたものではないし、林道にはその手のか濃ゆい雰囲気がプンプンと・・・。それを分かっていないと、必ずや失敗したと思ってしまいます。
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その後に現れた一面コケむしたブロック擁壁区間。ここが車道であることを改めて認識させられますが、せり出た枝と薮に半ば埋もれた状態はまるでどこかの遺跡の遺構みたい。訪れる者が途絶えて完全なる静寂に包まれた林道はまさに無人境そのものでした。いいようの知れない不気味さを感じながらも、それでいながらどこか廃れの美を感じてしまいます。
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通行が途絶えて荒廃したダートの放つ廃れの雰囲気を楽しみながら進んでいきますが、状況は僅かに良くなってきたみたい。相変わらずダートは腐葉土状態ですが、路面上にはびこる灌木や薮が鳴りをひそめ、路面は落ち着いた雰囲気となってきます。
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さらに進んで堆積する落葉の量が減ってくると、それに隠されていた土のワダチが現れてきます。枯れ葉に覆われていた方が走りやすいかどうかの問題はさておき、金沢・入宝坂林道本来の路面状態はやはり土質だったんですね。所々で土塊だって作業道臭くもありますが、それでもここまで来ればもう安心。だいぶ道らしくなってきました。
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そして到着したダート終了地点、すなわち金沢・入宝坂林道の終点です。以降は農道じみた舗装路となり、その先の突き当たりを左折すれば再び県349号線へと戻れますが、アプローチ的にはやはり県道側から直接入線する方が格段に分かりやすいでしょう。一応、こちら側の出口にも杭タイプとグリーンの鉄板タイプの林道標が設置されてはいますけどね。
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林道出口を振り返るとこんな感じ。舗装が途切れて作業道じみた土質ダートが開始する様子が確認できます。というわけで廃れの状態は致命的ではなかったものの、それなりの荒廃っぷりで楽しませてくれた金沢・入宝坂林道の探索はこれで終了ですが、やはり夏場の突入は避けた方が無難かもしれません。それと、雰囲気負けしないだけの心の準備も必要ですよ。
→探索終了!
→左折分岐の先を眺める!
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