上野大滝林道 / Uenootaki 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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道2本を連続して抜けると、ダートは少々ガレた状況に変化します。具体的には岩屑や石片の散乱が増えてきて、路面のガタガタ感が大きくなってくるんですね。広河原沢沿いのV字渓谷のような谷間伝いに進むこの区間、地形的にかなり険しいようで、常にどこかで岩壁から岩石が剥離、もしくは落下しているのでしょう。
壁から落下してそこで食い止められたのか、ガードレールの脇には無数の岩石が散らばっていました。落石というと真上からドスンと落ちてくるイメージですが、もしもここで落石の直撃を食らうとしたら、左脇腹を打ち抜かれるような感じでしょうか。実際には斜めに転がるようにして落ちてくるんだと思います。後方から「カツーン!!」と物凄い音がしたので振り返ってみたら、すぐ後ろで漬物石クラスの岩石がガードレールにぶち当たっていた、なんてことも過去にはあります。ここはそういう事態も十分にあり得るでしょう。
の後も渓谷沿いに切り立つような高い壁面区間が続きました。広河原沢の渓谷区間に林道を通すには、こんな形に切り崩すしかなかったのでしょう。今この瞬間にも岩壁が剥がれて落ちてきそうな、黒光りしたむき出しの垂直の壁面が怖かったです。
々しく迫力満点な壁面区間を進んでいくと、前方にまたしても隧道が出現! 素堀りタイプではなくてコンクリ隧道でしたが、それでも内部は未舗装状態です。この隧道、群馬県側から進んでくると5本目となっていますが、なぜか地理院地図には記載されていません。記載ミスくさい気がします。ちなみに、入口手前に四輪の通行を意識した「幅員狭し」との標識が立てられていましたが、探索中にはオフバイクはおろか、四輪とすれ違う事はまったくなかったです。路肩に駐車された無人のジムニーは1台見かけましたけど。
本目となった隧道を抜けてさらに進みますが、埼玉県側のダート区間、走っていても飽きがこないですね。峰越えする長距離ダートの林道では、峠へのアプローチでは同じ景色が延々と続いてしまうことがよくあって、もどかしさを感じてしまうものですが、ここではそんな事もなかったです。道すがらの荒々しい景観と無数に現れる隧道がそんな気にさせません!
→景色を眺める!
して上野大滝林道のトンネルと言えばやっぱりここでしょう。6本目となる、最短の長さであっという間に通り抜けてしまう隧道ですが、なんといってもその場所が特徴的! オーバーハングでせり出た岩石塊を見事な形でくぐり抜けているのが凄いですよ。必ずや立ち止まって見入ってしまいます。
面から眺めるとオーバーハングした巨大な岩塊をくぐり抜ける様子がよくわかります。本来ならば切り崩して道を通したかったのでしょうが、そうもいかなかったみたい。「どうやってくり抜いた?!」と思ってしまう上野大滝林道では有名なお約束ポイントです!
も6本目の隧道を抜けると上野大滝林道の終点はもう近いです。その後、広河原沢の渓流沿いに大きく蛇行を繰り返しながら進んでいくと・・・。
がて前方に遮断バー式のゲートが現れます。先述した県境に位置する天丸トンネル出口のゲートと対になっているやつであり、基本はオープンですが、いつもどこかで自然災害が発生している上野大滝林道では、閉じられていることの方が多いと思って間違いありません。案の定、探索当日も立ち入れない残念な四輪がそこに止められていたし・・・。
→ゲートを眺める!
いうわけで、ダートはゲートのすぐ先で県210号線に合流して終点となっています。群馬県上野村の中の沢林道からの入口からここまでおよそ21km。区間的に未舗装が残存しているものの、もはやその大半が舗装化されてしまった現在(2016年時点)では、はっきり言ってオフバイクで全線走破するのは別の意味で辛いですが、すぐそばには関東でメジャーな中津川林道入口があるので、時間があればついでに顔をのぞかせてみてもいいかもしれません。これで上野大滝林道の探索は終了ですが、県道を左折すればニッチ秩父鉱山を経て金山志賀坂林道経由で志賀坂峠に、右折すれば中津川方向となっています。
→探索終了!
→振り返る!
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