2022 北海道林道探索ツーリング 8月4日(木)曇りのち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
8日目[2]  釧路市「釧路 Kushiro→ 根室市「根室 Nemuro もどる  






ガソリン給油量 8.4L 給油回数3回 ガソリン代 1478円 総走行距離 269.1km / ダート走行距離 64.4 km トップへもどる


現在、賤夫向を後にして、「分遺瀬(わかちゃらせ)」を目指して移動中。霧も出ておらず地面も完全に乾いた状態で、次第に晴れてきそうな予感がします。昨日も同じ道を通りましたが、今日は風がとても清々しく感じられてとてもイイ感じ!





アイヌ語由来地名コレクション No23 分遺瀬 / Wakacyarase [ 釧路郡釧路町 ]
分遺瀬はアイヌ語の「ワッカ+チャラセ」で「水+すべり落ちる」の意味で、
「水が滝となって落ちるところ」とか「飲み水が散らばり落ちるところ」を表しているそうです。

元々は海辺にあった集落で昔は昆布漁をする5軒ほどの民家があったそうですが、
浜が侵食されて宅地に危険が迫ったため、
1978(昭和53)年頃に現在の道道沿いの高台へと移転したそうです。
ただし、現在も分遺瀬に定住者がいるのかどうかは不明。

しかし、「分遺」を「わかちゃら」と読ませるとはかなり強引だぜぇ・・・。
アイヌ語由来地名コレクション No24 老者舞 / Osyamappu [ 釧路郡釧路町 ]
分遺瀬から東に1キロほどのところにある集落名。
「老者舞」は完全な当て字ですが、
まだなんとなく「おしゃまっぷ」と読むことができるので難読度は中程度でしょうか。

アイヌ語で「オ+シュマ+オマップ(川尻+石+そこにある+ところ)」もしくは、
「オ+イチャン+オマップ(川尻+産卵床+そこにある+ところ)」とも解釈できるのだそうで、
サケやマスなどが卵を産む場所を示しているそうです。

集落内に小さな沢が流れているので、
その流れが老者舞という地名の由来になっているっぽいな。


漁港もあって意外と広かった老者舞の集落内を走っていると、地名の由来となった沢を渡る橋のたもとに「伊畑漁業部かき直売所」がありました。老者舞産のぷりっぷりな巨大な新鮮生ガキを食べてみたかったですが、ここは直売所なので、残念ながら購入時の試食(有料)以外はカキを食べることはできないみたいです。







老者舞漁港のそばを通りがかると、砂利が敷き詰められた広い昆布干し場でおばさんが昆布を並べて天日干しの作業中でした。釧路町の海岸はこの季節、どこもかしこも「昆布作業中」なんだよな〜。







海辺の老者舞から道142に戻ったら十字路を右折、厚岸町「尾幌」に向かう道道から別れて「尻羽(しれぱ)岬」方向に町道を進んで「知方学(ちっぽまない)」集落に到着しました。ちなみに今いる場所は釧路町立「知方学小学校」の校庭の脇。

小学校は高台の上にありますが、知方学の集落は海辺にあるようで、ちょうどこの辺りで岬へ向かう道と、海辺へと下っていく道(前方右方向)が別れています。





アイヌ語由来地名コレクション No25 知方学 / Chippomanai [ 釧路郡釧路町 ]
知方学小学校の脇から谷間のダラダラ坂を下った先の海岸にある知方学の集落です。
「ちっ→知」「ぽ→方」「まない→学」と漢字を当て字していますが、
なるほどなあと思わず感心してしまいます。

そんな知方学はアイヌ語の「チプ+オマ+ナイ」で「舟+ある+川」という意味で、
その昔、ここに舟が流れ寄ったことから名付けらた地名らしいです。

なお、これとは別に「魚が集まる沢」という意味だとする説もあるようですが、
どちらが正しいのかは不明。


まるで時が止まっているかのようにひっそりと静かであった知方学の集落。浜辺に突き当たる集落のどん詰まり地点まで行ってみましたが、空もいい感じに晴れてきて海風がとても爽やかでした。誰もいないと思っていたら、この時は近所のおばさんが浜辺に向かって散歩しているのに出会ったな〜。







知方学の集落内を流れている小さな沢。水がとてもきれいですが、地名由来の「舟が流れ寄った川」もしくは「魚が集まる沢」というのはこの流れのこと? 記録によれば昔はチカやコマイ、サケなどの魚が集まっていたとのことですが、チカやコマイは海水魚なので、おそらく沢の河口に集まっていたのだと思います。







海辺の知方学集落から小学校まで戻ってきました。今度は尻羽岬に行ってみますが、峠に向かう道(町道尻羽岬線)は知方学小学校の脇からダートになっています。岬まではおよそ3.6キロの道のりなので、往復7キロのダートが楽しめるんだよな!







うひょ〜、こいつは素晴らしい! 小学校の脇から尻羽岬へと続く町道ダートですが、幅員が国道並に広いにもかかわらず未舗装状態であり、それでいながら高速巡航も可能なほどの極上なフラット状態! ここが「林道」でないことだけが残念ですが、すれ違う車を見かけることもないままに極上ダートを独り占めで堪能します!





アイヌ語由来地名コレクション No26 去来牛 / Sarukiushi [ 釧路郡釧路町 ]
尻羽岬へと続く海岸の途中にある超難読地名「去来牛」への入口です。

去来牛はアイヌ語の「サルキ+ウ+シ」で「ヨシ(葦)+生えている+ところ」を意味し、
直訳すると「ヨシが群生しているところ」となるそうです。
もうどれくらい昔のことかわかりませんが、
かつてアイヌの人たちがこの場所でヨシで民家を立てて住んでいたのでしょう。

しかし、海べりの去来牛集落へと向かう道は舗装されておらず、
そのうえ通行止め状態になっていることから、
とっくの昔に無住となって今は廃村状態になっているのだと思います。


極上フラットダートを一騎駆けに走り抜けて尻羽岬に到着しました。しかし、道東でもマイナーな岬なので誰もいませね。ここにもアイヌ語由来の地名看板が設置されていましたが、それによれば、尻羽はアイヌ語で「シリ+パ」で「大地+頭」の意味。それを解釈すると「厚岸湾を抱いている岬」という意味になるらしいです。







尻羽岬のただっ広い駐車スペース。これだけ広いのに車はおろかバイクすら1台も見かけず、周囲に人の気配は全くなかったです。駐車場の片隅から草原越しに太平洋の青い海原が見えていますが、眺めているのは岬のちょうど南側。しかし、海が見えているのはこの方向だけで、岬の先端方向(画像左方向)に海は見えていません。







駐車場から尻羽岬の先端方向に延びる小径です。岬の先端まで歩いて行けるらしかったですが、ここまで釧路町の美しい海岸風景を散々眺めてきたので、「海はもういいや」と岬の先端に向かうのはパス。しばし岬の駐車場でまったりとしてから、厚岸に移動していよいよ本日最初の林道に向かいます。







釧路町東端の尻羽岬を後にしたら再び道142に戻り、JR根室本線「尾幌駅」前からR44に入って厚岸方面に移動しますが、そのまま内陸コースの国道を進むのではなくて、海岸伝いの町道を通ってみました。

移動時間は国道を進んだほうが早いですが、道すがらには厚岸町「苫多(とまた)」の漁村の民家が散在し、海の向こうには「厚岸湖」湖畔の「愛冠岬」や「アイニンカップ岬」が小さく見えていて、ここはなかなか爽快なルートだったかな。







町道を海岸伝いに進んでR44に合流する厚岸町「門静」に到着したら、JR根室本線の踏切を渡り、「門静駅」前の国道沿いで見かけた丸平門静SSで本日最初の給油をしておきます。ハイオクL / 175円で3.7L(648円)入りました。







給油を済ませたら根室本線の線路と並走しつつ、R44を海岸伝いに厚岸市街地に向けて移動します。やがて「厚岸大橋」が前方に小さく見えてきますが、国道は車の通行量が極めて少なくてガラガラ。門静駅前から厚岸駅までおよそ5キロの距離がありますが、道はガラ空きなのであっという間に到着してしまいます。







厚岸の市街地に近づいたら、回転寿司「すしハウスかざぐるま」がある交差点を右折、R44から道425に入ります。その直後にセイコマ厚岸店があったので、本日最初の林道探索へとおもむく前にここでしばし小休止。

そういえば今朝は朝食をまだ食べていませんでしたが、わざわざ厚岸駅まで「かきめし弁当(1080円)」を買いに行くのも面倒臭いし、お腹はとくに空いていなかったので今日はこのまま朝食抜きに決定! その代わり喉が乾いていたので、ここでアイスコーヒー(100円)を飲んで水分補給だけしておきました。







セイコマを出発したらすぐにJR根室本線の踏切を渡り、厚岸駅南側の市街地を通り抜けて厚岸大橋方向に進みます。厚岸大橋を渡ったら道123を「浜中町」方向にひたすら移動していきますが、その道道沿いに入口がある林道群をこれから探索しようというわけ。第一目標としてまずは「松の木林道」を目指しますが・・・?







しかし、道123からの林道入口が分かり難かった! 地図で眺める限りは一目瞭然で迷う要素はなに一つないのですが、実際には道すがらには地図に未記載なダートの入口が無数にあって、しかもそこには林道標が設置されていない場合がほとんどなので、目指す松の木林道の入口が特定できないんですね。

というわけで、道道で行ったり来たりを繰り返してしまい、松の木林道の入口を特定できないまま時間だけが虚しく経過する状態に業を煮やし、「ええいままよ!」と適当に当たりをつけて飛び込んでみたダートの入口がここ。







なぬ、桜の木林道!? 道123沿いの「原生花園あやめヶ原」入口から霧多布方向に2.7キロほどのところにあった松の木林道と思われたダートの入口ですが、ここには林道標は設置されていなかったですが、その代わり林道維持のための工事区間を示す木杭が設置されていて、そこに「桜の木林道」の文字が記されているのを発見!

そしてこの桜の木林道ですが、某ツーリングマップルには「松の木林道」と記されています。「桜」の一文字を「松」に間違えているのですが、おかげで松の木林道入口を探しまくりましたが、いくら探しても見つからない理由がこれで判明。

誰がどのように現地で確認しているのか知りませんが、地図は情報の正確さが命。◯文社さん、誤った情報を何年も使い回さず、そのつど情報確認の徹底を頼むぜぇ! もちろんタダなら文句は一切言いませんが、3300円も取っているのだからねぇ・・・。

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