案内沢線 / Annaizawa 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2013.08.14 / No.I-002 
  峠を境に状況が激変、稜線コースから薮漕ぎまで楽しめる黒森峠の迂回ダート!


↑後半区間は酷く雑草むした薮区間が終点まで連続します。前半の爽快さにつられて前進しがちですが、薮が苦手な方は雰囲気負けしないように…。
30号線から県15号線とを結ぶ完抜けフルダートで、分断状態にある県30号線の迂回路的存在の林道。県30号線側から入線すると途中の峠地点までは普通に進めるが、その先でダートは薮に埋没してしまう。ただし、牧草地が道すがらに点在する走行可能区間の雰囲気は良好だ。とくに入線直後の連続登坂路を駆け登った先に現れる稜線コースが素晴らしい。ある程度藪慣れした林道ライダーならば、稜線ダートと薮ダートを一挙両得に楽しむことができるだろう。なお、アプローチは県30号線からとした方が無難。

 [所在地]葛巻町
 [路面状況]全線ダート / 完抜
 [コース]県30号線「吉ヶ沢」から県15号線「泡淵」とを結ぶ

手銀河鉄道「奥中山高原駅」からから県30号線をR281号線方向に向かって進むと、国道に接続する手前の「黒森峠」で県道は通行不能区間(約1.4km)となって分断されてしまい、国道へと抜けることはできませんが、それを迂回するように延びているのがこの案内沢林道。そして県道沿いの黒森峠手前、「吉ヶ沢」地区に左折して始まる林道区間の入口があります。入口にはきちんと林道標も立っていますが、目印はこの赤い神社(蒼前神社)です。
社の数メートル先左側に位置する案内沢線の入口です。木杭タイプの林道標が立ち、すぐさま砂利ダートの登坂路で林道区間は開始していますが、入口から数十メート先に民家があるため、そこまでは住民の方の乗用車が砂埃をあげて勢いよく入っていったりします。てっきり、県道分断区間の迂回路として四輪の通行が激しいのかと思ってしまいましたが、そうではないことは案内沢線を進んでいくうちに嫌でも分かってきます。
線直後からすぐに開始する連続登坂路をバババーンッと元気良く進みます。入口付近はかなりズルズルな砂利状態でしたが、途中の民家脇を過ぎると路面状態も次第に落ち着いてきました。ダートにはうっすらとした雑草のワダチも現れ、どこかまったりとした雰囲気が漂います。
の後はひたすらに山中を行くことになるのかと思いきや、途中には牧野もありました。近所の農家の牧草採り場にでもなっているのでしょう。鬱蒼と茂る森の中にいきなり現れるので、「まさかこんなところに?」と少し驚いてしまいましたよ。
の後もダート沿いに現れる牧草地を眺めつつ連続登坂路を一気に駆け登ります。その高低差は現在地点で林道入口からおよそ200m。急カーブの九十九折りが現れるわけでもなく、またダートは見た目的にも穏やかなのであまり高低差を感じさせませんが、それでもここは林道です。気がついたらそれくらいあっという間に登り詰めていたという感じでしょうか。
続坂を登り詰めて山の稜線へと至ったのか、やがて軽いアップダウン程度の起伏が続く水平コースが始まりました。それと同時に雑草のワダチがやや深くなってきたような感じで、路面の白い砂利にワダチラインの鮮やかなグリーンが映える様子は見た目的にも美しかったなぁ。
の雑草によるワダチラインの様子ですが、深さというか高さはこれくらい。ちょっと延び過ぎである印象を受けましたが、その裏を返せば、ここまで雑草が延びてしまうほど案内沢線を行く車両の通行が希薄ということみたいです。
続登坂路を登り詰めた先の稜線コースを進みますが、そこでは上空以外の空間はすべてが緑一色に埋もれた状態でした。どこが路肩であるのかよく分からないので、ここはワダチラインを忠実にたどって進むのみです。まさに盛夏の頃の林道といった雰囲気ですね。そしてくそ暑いし…。
線地帯に切り開かれた牧野の脇を抜けてワダチダートが続きます。大きく開けた上空がいかにも高所の稜線地帯らしくて爽快感溢れる区間ですが、ただ一つ惜しかったのは、そこからは眺望的なものが望めなかったことでしょうか。その後の展開としてビューポイントが現れてもおかしくはない雰囲気なのですが、残念ながらそれでいて現れません。
→路肩を眺める!
分良く高原風チックな稜線伝いに進んでいくと、やがてY字となった分岐が出現。結果的には手前から左折方向が案内沢線本道となっているのですが、左右どちらともワダチダートで同様に草むしていたため、一瞬迷ってしまいましたが、案内沢線本道は左折側であると判断しました。よく眺めてみれば、右折方向にはより廃れ感が漂っているのが分かりますが、何かの事情で急いでいたり慌てていると、ここは進むべき方向を間違えてしまうかもしれません。ちなみに、右折側についてはピストンであるか、それともどこかへと抜けているのかも含めて、その実態はまったく不明です。
体不明の分岐地点を過ぎると、それまでの稜線沿いの開放的な雰囲気から一転して、山中の鬱蒼とした雰囲気が色濃くなってきました。この辺りが全行程のちょうど中間くらいですが、牧草地の点在して爽快感に満ちあふれていた前半に対して、この先の後半区間は濃密な樹林の山中を行くコースとなっているみたいです。
ここがそうである」とはっきりと分かる地形の峠ではありませんが、案内沢線のダートはこの付近でそれまでの平坦コースから下りコースに転じます。そして林道名にもなっている「案内沢」の源流を目指して降路が続き、沢沿いに下って終点である県15号線へと至っているようでした。ただし、道すがらに案内沢の流れを眺めることはできません。
般的に「峠を越す」とは、危険な状態を過ぎることなどを表しますが、この案内沢林道ではそれは当てはまりません。峠を越えるとさらに雑草の繁茂が勢いを増してしまい、林道は薮じみた様相となってきます。それはそれでオフ林道の展開としては面白いですが、こうなると無事に終点である県15号線に抜けられるかが不安となってきます。
〜ん、やはりそうきたか。とくに通行止看板などは掲げられていませんでしたが、行く手の悪しき状況を予感させる鉄パイプバリケードが…。
かし、案内沢線が完抜けできないとなると、林道の行き着く先きの県15号線へと至るには、多大な距離の大迂回を強いられてしまいます。それだけはなんとしても避けたい事態であり、次第に薮むしさ加減が増してきたとはいえ、その下の地面はしっかりしている様子。果たして吉と出るか凶となるかは不明ですが、ここはそのまま前進することを選択させていただきましたよ。
→さらに案内沢線を進む!
→探索中止…
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