No.N-012
大水無線 |
■王滝村 ■全線ダート ■接続→五味沢線・中浦線 ■五味沢線から分岐して中浦線とを結ぶ |
隣接する中浦線と共に周回ルートを形成する爽快さ抜群な雄大山岳ダート! |
……こんな感じ…… ■五味沢線から分岐して大水無沢沿いの森林地帯を連続勾配にて登坂する林道で、これも五味沢線から分岐する支線である中浦線と、1本道状態にて終点で接続されている。中浦線側から入線すると、しばらくは尾根筋区間を行くこととなり、大きく開けた開放感と御嶽山の素晴らしい眺望が楽しめるが、残る終点までの区間はひたすら連続する下り坂を延々と下っていくことになる。路面については山岳林道特有の砂礫や岩石の散乱が見受けられ、区間によってはかなりのズルズル感を覚えるが、基本的には荒れていない。とにかく明るく開放的な雰囲気が素晴らしく、中浦線、大水無線のどちら側からのアプローチでも、ここは大差なく十分に楽しめるだろう。 |
■三浦実験林内部を巡る中浦線から1本道にて接続している大水無線の入口です。当初、水無線はピストンであると思いこんでいたので、その探索は五味沢線口からスタートする予定でしたが、中浦線探索時にその終点にて1本道で接続されていることが判明。となれば、わざわざ中浦線をトンボ返りで引き返して五味沢線→大水無線へとアプローチする必要はありません。貴重なガスと時間短縮に思わぬ「ツキ」を感じつつ、急遽こちら側からそのまま突入することになりました。これはもう林道の女神様が祝福しているに違いありませんね。わっはっは! | |
■「ほう、これはこれは!」中浦線との接続口がすでに尾根筋に位置しているため、入線直後から見晴らしの素晴らしい展望コースが連続します。右手方にはどっしりと構えた御嶽山の神々しい雄姿が常にあるような感じで、最高のロケーションですが、関係車両の通行はここでは極々希なのか、部分的に路面を埋め尽くすような雑草の茂りに僅かな放置臭が感じられました。 | |
■尾根筋の等高線に沿って蛇行を繰り返す山岳コースが続きます。山肌の斜面を突貫工事的に切り崩した簡易的な造りのダートでは常に小規模な土砂崩れが発生しているようで、路肩には砂礫や岩屑が斜め45度に堆積した壁が途切れることなく延びていましたよ。 | |
■まるで「ここは作業道か!」とでも言いたくなるような、作業道チックな山土ダートで大水無線は尾根筋の山肌を巻くようにして延びています。路面的には四輪の通行にも十分に耐えうるでしょうが、それでいて整備され過ぎずにどこか投げやり的な簡素な雰囲気が、山岳シーンの味な趣を演出。やっぱり山岳ダートはこれでなくては! | |
■やはり山岳ダートの真骨頂と言ったら尾根筋でしょう。この恐ろしく開放的な雰囲気とワイルドに大きく開けた空間、そしてそこにプラスされる御嶽山の雄姿との組み合わせは、ちょっとやそっとでは得難いものがありますよ。この区間での走行は感動的ですらあり、そしてその感激をいつまでも忘れないことでしょう。まさにオフの醍醐味というか、オフバイクに乗っていて良かったと実感してしまう瞬間ですね! ここ、来て良かったなぁ!
→展望を眺める! |
|
■涙が出るほど最高に素晴らしかった尾根筋区間もついに終了、やがてダートはやや急な傾斜角度にて山腹に沿って高度を下げていきます。そしてここでもまるで急遽間に合わせたかのような、突貫工事的なダートのあからさまに無骨な造りがとても良い感じに! | |
■「や、やられた…!」中浦線からそのまま大水無線へと乗り継ぐことができ、予想外にも貴重なガスと探索時間が大幅に節約できたと我が身のツキを感じていたのですが、なんとそこには行く手を塞ぐ土砂崩れが! この土砂崩れ、規模的には大したこと無さそうですが、そこにはクマザサの茂った薮塊が混じっており、堆積した土砂は徒歩ででも足がめり込むほどブヨブヨと柔らかく、 とても乗り越えられそうにはありません。てっきりこのまま五味沢線へと抜けられると思っていたのに…。これじゃあ、ガスと探索時間の節約どころか大幅な浪費じゃないですか。ハァ…、林道の女神様もそうは甘くなかったようです。なんてこった!
→現場を調べる! →今来た道を振り返る! |
|
■「突破は不可能と思わせといて…ほれ、ご覧の通り!」…とはやはりゆかずに、結局、大水無線→中浦線→五味沢線→大水無線での大幅な迂回を強いらてようやく現場の反対側へとやって来ました。このロスのせいで一般道退出時にはガス欠寸前に陥ってしまい、急いで最寄りのGSへと駆け込んだのは言うまでもありません。 | |
■とまあ、かなりのロスを喰らってしまいましたが、これでようやく大水無線の探索を再開します。 | |
■先述の土砂崩れは連続する下り坂の途中にあったので、当然ながらその先にも下り坂が続きます。左手には深く切れ込んだ大水無沢の谷間があって、そこに沢が流れているようでしたが、谷間は深くて走りながらその流れを目にすることはできません。 | |
■沢沿いコースながらもその流れが見えないので、ここでは沿道の地形的な険しさのみが目に付きました。谷間に面した急斜面を削り取って棚状にもうけられたダートはいかにも脆弱そうで、路面はパラパラと崩れ落ちて堆積した細かな山土っぽい砂礫で覆われています。 | |
■両路肩にてんこ盛り積み上げられた岩石の小山が、ここで土砂崩れが発生したことを物語っていました。強引な路面開設と地質的な要因によって崩れては復旧、そしてまた崩れては復旧のイタチごっこなのでしょう。ここでは、例の迂回による時間的ロスを少しでも回復すべく少々スピードアップを図ったのですが、おかげで尻を振りまくりでしたよ。 | |
■この連続する下り坂を降りきればすぐに終点である五味沢線にたどり着くだろうと思っていたのですが、この区間は意外と長かったです。下り坂は途切れることなく続きますが、ダート右に左へと蛇行を繰り返してどこまでも延びていました。なので、知らず知らずで距離メーターに目が向いてしまいますが、あれよあれよという間にキロ単位でカチカチと距離を刻んでいたっけ。 | |
■「おお、こんな場所からも!」大水無線の景観的な見所は前半の尾根筋区間のみと思っていましたが、途中、切り通しとなった地点からも御嶽山の神々しい雄姿が! 何度、そしていつどこから眺めても見飽きることがないのは御嶽山の風格のなせる業なのか、やはり木曽谷の林道では御嶽山の存在は切っても切り離せません! | |
■いつ終わるとも知れず、先の見えないズルズルな急坂を下ってその後も進みますが、ここでちょっと余談を一つ。かつて王滝森林鉄道時代、現在の大水無線のコースに沿って大水無沢を遡る大規模な作業軌道が存在していたとのこと。それは途中で二手に別れて「小水無沢赤谷」奥地と、「五味沢黒沢」沿いに入ってさらに「琴沢」へと別れる2系統の計3本で、桟橋と木橋を連ねて延びていたそうです。詳しいことは林鉄マニア系サイトに任せますが、とにかく、オフバイクでも息を付くような急坂の連続するこんな山中にまで、かつて林鉄が存在していたことは驚きですね。もちろん一切の痕跡は、はるか昔に自然回帰してしまっていますけどね。
→もう飽きた… →さらに大水無線を進む! |