おそらく林道の雰囲気の暗さは都内随一、できれば夕暮れ時には近寄りたくない・・・ |
↑いつも湿っているようなぬるっとした土質ダート、そして山林の陰気な暗い雰囲気、そういうのが苦手な方は近寄らない方がいいかも…。 |
||
JR中央線高尾駅からほど近い「元八王子」地区の山林内に延びるダート林道。老人介護施設「城山病院」が林道入口の目印だが、その雰囲気は昼なお暗く陰鬱そのもの。夕暮れ時には近寄りたくない林道である。御霊谷川沿いに山林内を蛇行して進むコースで特に荒れはないが、ぬるっとした土質路面には注意したい。厳密には末端でループしているダートだが、まともに進めるのはその手前まで。事実上のピストン状態となっているのが現状で、とにかく陰気暗いの一言である。 | ||
[所在地]八王子市 [路面状況]全線ダート / ピストン [コース]「元八王子町」地区から「林野庁実習室」とを結ぶ |
圏央道八王子西インターから都61号線をJR高尾駅方向に進み、中央自動車道の高架下をくぐって右折すると老人介護医療施設の「城山病院」があります。目指す御霊谷(ごれいや)林道の入口は施設正面を通り抜けた先の山林に面した駐車場の奥にありました。そこに林道標らしき看板が存在していたものの、残念ながら文字は完全消滅して林道名の確認は不可能状態に。なお、林道には2箇所に鉄冊式ゲートが存在しています。
→振り返る! →ゲートを調べる! |
|
林道入口で感じられた暗い雰囲気ですが、実際それはかなりのものがありました。荒れや荒廃は見られなかったものの、常にジメジメと濡れているような土質っぽいダート。そのあんまりな陰鬱な雰囲気に気が滅入りそう。ちなみに探索当日は晴れで時刻はまだ昼前なのに、ライトの光がはっきり映り込むこの暗さとは…。 | |
御霊谷林道、その暗さから決して楽しくなるような雰囲気の林道ではなかったですが、このような林道でも紅葉が見られました。暗さでひきたつ紅葉は華麗ですが、同時に死の季節、すなわち冬へと向かう終焉の予感をはらみます。それはいいようのない哀切感であり、日本人が自然の摂理のなかに見い出す仏教的無常感というやつですね。まさか林道でそれを感じてしまうとは。 | |
まったく人気のない暗く淋しいダート。それでも希に立ち入る関係車両もあるのか、枯れ草むしたワダチダートがさらなる深部へと続いていました。自然と無言状態のまま、そしてなにかに誘い込まれるかのように進みます。 | |
それにしても暗すぎる雰囲気の御霊谷林道。その暗さ、今のところ東京都の林道のなかでは最高かもしれません。林道沿いには御霊谷川も流れているはずですが、薮と潅木に覆われてそれもどこにあるのやら。ちなみに、河川名と林道名は付近に位置する平景政(鎌倉景政)さんを祀る御霊神社に由来していると思われます。なお、平景政さんは平安時代後期に東北地方で起きた後三年の役(1083〜1087)に出陣して奮闘活躍した武将ですよ。 | |
「奥山に〜、紅葉ふみわけ鳴く鹿の〜、こえ聞く時ぞ秋はかなしき〜」っと。ここ、そんな感じですかね。いいようのない暗さの中ではっとさせられる黄色紅葉、物悲し気なシカのなき声でもきこえてきそうな晩秋の御霊谷林道は「わび」、「さび」の世界そのもの。限りなき静寂さの中に諸行無常を感じるぜぇ…。 | |
山林の隅々まで絨毯を敷き詰めたようなザクザクな枯れ葉。ダートそこで終わりなのかとも思いましたが、さらに続いてるみたい。静かに進んでいきますが、林道は踏みつけた落ち葉がかさこそとささやく音に包まれました。もう別世界ですな、ここは。 | |
気の滅入るような陰鬱とした暗さの中に美しさを見い出しつつ前進しますが、それができるのは雑草さえもが色づいて紅葉するこの時季のみでしょう。林道探索では訪れるタイミングも実は重要だったりするんですよね。 | |
晩秋の枯れ葉で埋め尽くされた御霊谷林道のダート。このような枯葉の絨毯は表面は乾いていてもその下は湿っていることが多いです。土むき出しの路面よりは走りやすいですが、気がつくと足回りがぐしゅぐしゅに濡れていしまうことも。 | |
う〜ん、暗さに加えて今度は薮ですか。いくら紅葉の時季でもこれはちょっとなぁ…。もしかしてこのまま枯れ薮に埋もれて自然消滅しているとか? | |
「なんだここは?!」秋枯れの薮ダートをかき分けて前進していくと、やがてこのようなゲートが出現! 林道入口にあったのと同じタイプでしたが、なぜかここは開きっ放しでした。そしてゲートの先にはなにやら一軒家のような建物が見えています。 | |
「これが林野庁実習室?」ゲートを抜けた先の建物ですが、どうやらこれ、林野庁の実習室らしいです。シャッター脇にその看板が取り付けられていました。でも、風雨でボロボロに傷んだその様子から、もう永らく放置されているのかもしれません。で、肝心の御霊谷林道のダートですが、地図上ではその先でループして再び同地点へと戻る周回ルートがさらに続いているのですが、酷く荒れ果ててまともに進める状態ではないみたい。林道に漂う陰鬱とした暗い雰囲気、無理して進む気も失せたので御霊谷林道の探索はここまで。
→探索終了! →その先の様子を眺める! →振り返る! |
→トップへもどる | 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 |