つづき堂と賽の河原
天上山櫛が峰を源とする、つづき沢の中流に位置する。堂の中には、木造金色の観世音菩薩が祀られ、
信仰篤い島民の心のよりどころとなっている。
車を使うと村落から20分位で来ることの出来るこの地も、
昔は、天上山の山すそをぬって作られた、うす暗い山道を数時間かかりながら通い詣でた。

境内を出て車道をさらに進むと涸沢に砂防ダムが建設されている。つづき沢である。
河原の片隅に地蔵が祀られている。島民は賽の河原と呼び、愛児を亡くした親や親族が小石を積み冥福を祈っている。
昔、子供を亡くしたある家の母親は、未明に家を出、山道をたどり河原に着くと、
小石を積み重ね堂内や境内の地蔵尊に子の冥福を祈ると、朝餉の仕たくをする時間までには家に戻らなければならなかった。
生活に追われ、このような形でしか愛情の表現が出来なかった当時の母親の悲しい実話である。
昭和56年3月 神津島村

「つづき堂」に立っていたと説明板です。
説明板によればお堂には木造金色の観世音菩薩が祀られているみたいだな。

なお、「賽の河原」というのは入口の道標に記されていた「賽の河原地蔵菩薩」のある場所のことで、
天上山林道をさらに進んだ地点にありますよ。

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