大峰展望台から見下ろした新島空港滑走路の南の御子ノ花地区に広がる畑地帯です。

まるで鬱蒼と樹林が茂った森のように見えますが、
樹林の中には小さな畑が数え切れないほど散りばめられているんだよなぁ。
でも新島の農業は販売実績のない自給的農家がほとんど。
専業農家はごく僅かですが、
レザーファンやスルカスといった切り葉の他に
アシタバ、キヌサヤエンドウ、アメリカ芋、タマネギなどの路地野菜が作られています。

ちなみに新島は土壌の水持ちが悪いため農作物の育ちが悪く、
昔は旱魃による凶作で多くの餓死者をだしています。
そのため1735(享保20)年に徳川吉宗が甘薯(サツマイモ)の種芋5個と栽培法の書物を新島に送っていますが、
種芋は青木文蔵(昆陽)が江戸の小石川御薬園と養生所において、
薩摩から取り寄せた180個の種芋から収穫された5651個を飢饉対策として各地に広めたもので、
新島に送られた甘薯の種芋はこの場所でまず試作栽培されています。

そのためかつての甘薯の試作栽培地は島民たちから「薩摩畑」と呼ばれ、
今はその跡地に石碑が立っていますよ。

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