別当代山線

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■崖崩れ地点を過ぎるとまたダートが復活しました。周囲の様子もここまで来ると下界の鬱蒼とした森とは異なって、広葉樹の生える明るいものになってきます。それだけでも標高の高さが実感できますが、ダートは直線と切り返しの連続でジグザグに進みつつ、さらに高度を稼いでいきます。
■幅員の狭めな急斜面に道幅分だけ切り開かれた登坂路が途切れることなく連続します。オフバイクになら十分な幅員ですが、それでも左手路肩は僅かに土が盛られただけで、コースアウト、すなわち転落死しそうな感じです。まばらに生える木々の隙間からなまじ下方が見えるだけに、この区間はスリル感も十分味わえることと思います。ちなみに、探索時にはその帰路において、ここを登坂してくる作業トラック(4トン)に出会いましたが、当然ながら亀の歩み状態でした。
■九十九折りで盛んにジグザグと方向転換するため、その後、どれくらいの距離を進んだのか分からなくなりますが、とにかく延々と道なりに登坂して進みます。最近、何気なくこのループ線をサイトで調べてみたところ、ここを登り切った地点に広場があってダートが左右に分岐、右側はループ線として町道入口方面に下り(ゲート有)、左手は林道開設工事中ということでしたが、探索時にはそれと意識していなかったためか、それとも単なる見落としなのか、この分岐についてはどうしても思い出すことができません。ちなみにここでいう「開設工事中の林道」が別当代山線です。
■記憶にないので何とも言えませんが、先述の分岐地点を左折した地点にある別当代山線の起点ゲートです。付近には林道標もなく、そこにはまるでドス、バキ、ドゴォッ!! と破壊されたかのような状態でオープンされたゲート(2008年6月現在、ここは通年通行止め)があるだけでした。探索時には既に林道開設工事は完了していましたが、その代わりに地質調査工事が行われており、そのためゲート脇に掲げられていた工事看板から別当代山線の林道名が判明できました。でも探索時にはここが別当代山線であることは露知らず、町道広河原線のループ本道であると思いこんで進んでいましたけどね。
→看板を眺める!
■秋も深まった11月に山岳林道へ出かけるということは、 少なからず、道すがらの紅葉を期待するものですが、ここまでやって来てようやく紅葉が目に付くようになりました。尾根付近がこれほど紅葉していたとは想像していなかっただけに、期待は裏切られず、見渡す限りに紅葉した木々が実に見事です。ダートは正面の木々に覆われた山肌を再びジグザグに登坂しています。
■途中にあった切り返し登坂カーブです。この辺りまで進むと標高が高いためか、みちすがらの視界を遮る草木も少なく、随所で眺望がきくようになってきました。なお、路面は基本的には高速巡航も可能なフラットな砂利質でしたが、ここがそうであるように、所によってはズリ気味に深くなっているようです。
■思い出したように現れる登坂区間のストレートです。澄み切った青空、道すがらの黄色く色付いた木々も良い感じですが、ここの素晴らしさは、なんと言っても正面に全山紅葉に包まれた山を見据える絶景アングル(Page1見出し画像参照)で走れることでしょう。やはり林道は秋口が一番、わざわざやって来た甲斐があるというものです。
■周囲の紅葉を堪能しつつ進み、登坂路を登り切ると、峠のようになっているちょっとした広場に行き着きました。そこには大きな櫓が組まれていて、周囲を見渡すまでもなく、まさに工事看板にあった地質調査工事の真っ最中…。何気なく写真を撮るフリをして周囲をうかがうと、ダートはここから下り坂になってさらに続いていましたが、あいにく工事資材のパイプが路面を塞いでいました。悲し気な目付きでジッとそれを眺めていたのが功を奏したのか、なんと、作業員の方がパイプを持ち上げてくれたので、厚意に感謝しつつ、そこをくぐって通過することができました。
■地質調査の行われていた広場から下っているダートです。「なるほどね、ループ線はここから下りになって麓の入口に戻っているのか」と思いつつ進みますが…。
→周囲を眺める!
■無情にもダートはその先でプツリと途切れてしまいました。ループ線をたどっていたと思っていたので、「まさか、ここで廃道化?!」とも思ってしまいましたが、どう見てもその先にはもう道はありません。今思えば、ここがループ線の支線である別当代山線の終点だったわけですが、探索時には訳が分からず、これ以上の調査をすることなく、元来た道を速攻戻ってしまいました。なお、今もって、そのアプローチルートには釈然としない部分が多いので、ここは永久封印しておこうと思っていましたが、いつまでも寝かせておくわけにもいかず、とりあえず紹介することにしました。そのうち気が向いたら再調査でもしてみたいと思います。
→探索終了!
→その先を眺める!