吾妻川林道 / Azumagawa 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2019.08.13 / No.AO-095 
 [ 所在地 ]深浦町 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 吾妻川伝いに遡るダートは固く締まって快適だが、突然藪に埋もれて末端区間は廃道状態に・・・

R五能線「深浦駅」からR101号線を鰺ヶ沢町方向に進むと、マックスバリュ深浦店の手前で吾妻川の橋がありますが、橋を越えて右折して川沿いに進んでいくと路面がダート化している吾妻川林道の入口です。路肩の傍にはフォワーダが置かれ、早くも林道くささが漂ってきますが、残念ながらここに林道標は設置されていませんでした。
→ 立看板を眺める!
→ 振り返る!
→ 付近を眺める!
点を振り返るとこんな感じ。渡っているのは吾妻川支流の東股沢に架かる橋で、正確には吾妻川林道のダートはこの橋を渡った地点から開始しています。橋のたもと向かって右折方向は東股沢沿いに深浦町「長慶平」へと至る道。白神ラインこと県28号線(岩崎西目屋弘前線)に抜けることもできますが、目指す吾妻川林道は手前側なので間違えないように!
→ 吾妻川を眺める!
→ ?!
股沢の橋を渡っていざ吾妻川林道のダートに乗り込むと、しばらくは川沿いに細長く続く水田を眺めながら進みます。海迫る白神山地の山々に挟まれて耕地が少ない深浦町では、昔の人は少しでも場所があればお米を得るべく水田を作ったんですね。
→ 景色を眺める!
田区間を過ぎると吾妻川左岸にとりついて森の中を進んで行きます。固く締まった小砂利質のダートは快適で、急カーブや勾配もほとんど見られず穏やかですが、それもそのはず。この吾妻川林道も元を正せば1935(昭和10)年に開設され、1967(昭和42)年にその歴史を閉じた林鉄の軌道跡なんだよなぁ。延長距離は11.210キロあったらしく、現在の林道区間のほぼ全てが軌道跡みたいです。ただし、道すがらに林鉄遺構は見つけられなかったですけどね。
妻川の岸辺に沿って元林鉄軌道のダートが延びています。川沿いに進むので周囲の山々は深いですが、閉塞感はあまり感じられなかったかな。木材搬出の林業トラックの通行もそれなりにあるのか、路面は荒れ知らずでエンジン音も軽やかに進めてしまいます。
がて行く手に伐採跡地区間が見えてきました。林鉄軌道が失われた今も林業はバリバリに健在らしく、林業作業で行手が塞がれていないかが心配でしたが、その時は秘密の交渉術で切り抜けるだけの話。お約束の林道ゲートもないので構わず前進させていただきます。
→ 路肩を眺める!
妻川の水際に伐採区間が続きます。立ち止まると瞬時にまとわりついてくるメジロアブに辟易させられますが、それはもう毎年の林道探索である程度慣れています。澄んだ渓流の流れを眺めつつ進むのは爽快であり、「アブが酷い」と言っても、当方みたいにやたらと撮影のために立ち止まらなければ、オフ装備によって血を吸われる心配はほとんどないです。
→ 吾妻川を眺める!
「分収林看板発見!」国有林林道ではお馴染みの看板ですが、深浦山国有林をゆく吾妻川林道にも設置されていましたよ。なぜかどこにも林道標の設置されていなかった吾妻川林道でしたが、でもこれによって「吾妻川林道」であることが現地確認できたんだよな〜。
→ 分収林看板を眺める!
面の伐採跡地に沿って進んでいきますが、路面が固く締まっているのは林業重機や木材搬出トラックの通行によるもので、路肩部分にキャタピラ跡が刻み付けられて残っていました。でも伐採作業は林道のさらに奥へと移動したらしく、地面は土塊だっていることもなく、真夏の強烈な日差しで乾燥しきってコチコチ状態でした。
→ 付近を眺める!
妻川沿いになおも続く伐採跡地区間を進みますが、樹木が伐採された跡に茂った藪が壁をなして猛烈な繁茂していました。それにしても夏の藪の繁殖力は凄まじく、ここは人の背丈を超える高さの藪の壁で緑の回廊状態でした。定期的な藪刈りを怠れば、あっという間に林道は藪に飲まれてしまうと思います。
採跡地区間を過ぎると吾妻川を右岸に渡るコンクリ橋を通過します。しかし路肩の林縁で猛烈に繁茂する藪に隠されて手前からは全く気がつかない状態でした。突然、短いガードレールが不自然に現れたので、路肩を覗き込むとそこに吾妻川の流れがあったという次第です。
→ 吾妻川(上流 / 右)を眺める!
→ 吾妻川(下流 / 左)を眺める!
妻川右岸に位置を移して水際コースを進んでいきますが、この辺りからあからさまに林業トラックの通行の痕跡が目につき始めます。すなわち、それはタイヤで捏ねられた水分を含んだ泥っぽい路面と、路肩落ちを防ぐために敷かれた鉄板。これはどうみてもその先に土場があるに違いないですね。吾妻川林道における林業現場の最前線に近づいたようです。
お、やっぱり! 土場の存在が薄々感じられてきたかと思うと、やがて木材が筏状態に積み上げられた地点が現れました。大量に積まれていたのは切り出されたばかりで新鮮ホヤホヤのスギで、新鮮な木材が放つ、芳しい香りが周囲にぷ〜んと漂っていました。林業バリバリのいかにも林道らしい光景であり、なんだか嬉しくなってしまいます。
→ 土場を眺める!
材が積まれて後は搬出を待つだけであった土場を過ぎると、再び伐採跡地らしき地点を通って2ヶ所目のコンクリ橋を渡りますが、土場を過ぎても路面が規格ダウンすることはなかったです。この状況から推察するに、おそらく林道伝いに土場が何ヶ所も連なっているに違いありません。その先で再び土場が現れそうな予感がしました。
→ 吾妻川を眺める!
ンクリ橋を越えてさらに進むと路面が湿って泥っぽくなりましたが、ここで再び土場が出現。しかし、トラックが反転するスペースは設けられておらず、木材は路肩に簡易的に積まれている感じ。幅員に余裕がないので、タイミング悪くトラックへの積み込み現場に遭遇した場合は道を塞がれて前進不可になると思います。
→ さらに吾妻川林道を進む!
→ 探索中止!
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