相内川林道 / Aiuchigawa 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.08.14 / No.AO-101 
 [ 所在地 ]五所川原市 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ]長根山林道冷水沢林道 [ 分岐林道 ]大導寺林道・嘉郎林道
 平坦コースが続く津軽森林鉄道軌道跡の快適ダートの林道で、途中には分岐、接続林道もあり!

所川原市太田「山の井」集落の外れにある相内川林道の入口です。弘南バスの「太田バス停」がある太田集落から、上流で太田川と名を変える相内川沿いに遡っていくと、やがて舗装が途切れて路面がダート化して右折分岐が現れますが、その直進方向が目指す相内川林道。一方の左折側は長根山林道になっていますが、ここには長根山林道の林道標しか設置されていないので注意してください。なお、厳密には同地点が相内川林道の起点であるのかどうかは分かりませんが、当サイトでは便宜上、独断でここを起点として紹介することにしておきます。
ざ相内川林道に入線すると、舗装路を思わせるカチカチに硬く締まった林道らしからぬダートがストレート主体で続きます。勾配のない平坦コースがどこまでも延びており、後方に砂埃を黙々と巻き上げながら、エンジン音も軽やかに気分良く快走することができました。雰囲気はまるで良く整備された未舗装県道のような感じでしょうか。
んな感じで進んでいくと、やがてダートは鬱蒼とした木々に囲まれた森の中へと進んでいきますが、相変わらず勾配はほとんどなくて砂利質の路面も快適そのもの。地理院地図でこの区間を眺めてみると、道すがらには水田と畑を示す記号が連なっていることから、相内林道は相内川沿いの谷間に開けた平地に沿って進んでいるようでした。まずはこの谷間の平地伝いに平坦コースで進み、その先から山中に分け入っていくみたいです。途中でダート十字路がに差しかかりましたが、相内川林道本線は言うまでもなく直進ですよ。
→ 右折分岐の様子をうかがう!
→ 左折分岐の様子をうかがう!
道との交差くさかった十字のダート交差点を過ぎて少し進むとコンクリ橋が出現。ここで左岸に渡っているのは相内川上流域の太田川で、メジロアブが酷くたかってきましたが、お約束で橋上から上流と下流を眺めておきました。ちなみにこの橋は「東橋」といいます。
→ 太田川(上流 / 右)を眺める!
→ 太田川(下流 / 左)を眺める!
田川を左岸に渡った先でも快適なストレート主体の平坦コースが続きましたが、そういえばここもかつて津軽半島に存在していた津軽森林鉄道の軌道跡。津軽半島の豊富なヒバ材を搬出するために建設された林鉄で、青森〜蟹田〜今泉〜金木〜喜良市のコースで半島を横断して長大な路線網を有し、それに付随する膨大な支線の1本が現在の相内川林道というわけ。道理でコースもなだらかなわけですが、どこかに林鉄の名残が残っていないかなぁ。
や、道すがらの森が開けてまた畑が現れました。ここも太田川沿いの谷に開かれた耕地ですが、なかなか山中へと分け入っていかないですね。林道入口から山中へと向かうアプローチがやたら長い林道ってたまにありますが、相内川林道もそんな1本かな。
導寺林道発見! なかなか本格的に山中へと進まないなと思っていると、やがて左折して登坂する砂利ダートの大導寺林道分岐が現れました。遭難を警告する立て看板と共に林道標が設置されていて、林道ゲートは設けられていませんでしたが、探索時にはなぜかトラロープで簡易封鎖されていましたよ。大導寺林道は途中で大長根林道を分岐し、相内川林道〜大導寺林道〜大長根林道と乗り継げば、地図上では長根沢林道へと連絡しているのですが、肝心の大長根林道は廃れまくって藪に埋没している状態。実際にはルートの通り抜けは困難であり、そのため大導寺林道の入口も簡易封鎖されているのでしょうか?
→ 林道標(大導寺林道)を眺める!
→ 立看板を眺める!
に別れる大導寺林道の分岐を過ぎて少し進むと2箇所目のコンクリ橋が現れました。冬季の積雪によるためか欄干がベコベコにひしゃげており、流れは鬱蒼とした木々に覆われてほとんど見えていませんでしたが、これは太田川へと注ぎ込む支流の沢。
田川支流の沢を跨ぐ橋を渡ると、林道入口から細長く続いて平坦コース続きであった太田川の谷もぐっ狭まり、それと同時に行く手には鬱蒼とした山の斜面が近くに見えてきます。ダートはこの辺りから本格的に山中へと進んでいくようで、極めて緩い傾斜角度の登坂コースが開始しますが、路面は相変わらずの荒れ知らずで快適そのもでした。
道標発見! 快適な高速ダート状態で順調に相内川林道を突き進んで行くと、とある地点で古ぼけた木杭タイプの林道標を見つけました。すぐ傍にはとある遺物を再利用したこれも古ぼけた分収林看板が立っています。林道起点はずっと手前のはずですが、それにしてもなぜこの地点に林道標が設置されているのでしょうか?
→ 林道標を眺める!
→ やや、これは?!
道としての林道の前身である津軽森林鉄道時代の遺物である「レール」も目にすることができ、満足気になおも進んでいくと3箇所目となるコンクリ橋が出現。渡っているのは太田川支流の「兵部沢」ですが、純白な欄干が出来立てほやほやな状態を物語っていました。察するに、大雨か台風でそれまでの橋が落ちてしまい、復旧の一環として新たに橋を架け直したのだと思います。ちなみにこの橋は「兵部沢橋」といいます。
場だ! 真新しい兵部橋を渡ると、その先で道沿いに路肩が膨らんだ土場に差しかかりました。しかし、積み上げられた木材を支える支柱の丸太が地面に数本刺してあるだけで、1本も木材はなかったです。ここ最近は木材集積の場として使われていないらしく、土場の土塊だった地面には夏草が一面に蔓延っているだけでした。
鉄時代の軌道跡を彷彿とさせる相内川林道のフラットダートのストレート。対向車両とすれ違うこともなく、荒れやガレ知らずでストレスなく鼻歌まじりで進んでいけるのは良いですが、オフバイク的には大人し過ぎて多少の物足りなさがあるかもね。
んな感じで相内川林道を順調に進んで行くと、国有林林道ではお馴染みの分収林看板がここにも立っていました。それによれば付近は太田山国有林というそうで、国有林内には林道沿いの分収育林が数カ所設定されているみたいだな。しかし、そんなことはどうでもいい話。記載された付近の林道地図にしか興味はなかったです。
→ 分収林看板を眺める!
→ 太田川を眺める!
収林看板を後にして、ひとまず左折分岐しているはずの未だ見ぬ嘉郎林道分岐地点を目指します。道すがらにはなだらかな登りコースが続き、アクセントで時おり適度な緩いカーブが現れて気分も上々! 真夏のうだるような蒸し暑ささえなければ最高でした。
「えぇ、ここが終点?」やがて先述の分収林看板に記載されていた嘉郎林道とおぼしき左折する分岐地点が現れましたが、嘉郎林道を示す林道標は設置されておらず、そこにあった林道標は相内川林道のものだけで、道なりの直進側は相内川林道から冷水沢林道へと名を変えることが記されていたんですね。なんの疑いもなく相内川林道はさらに続くと思っていただけに不意打ちを食らった感じでしたが、未知なる探索林道数が1本増えるのでまあいいか。というわけで相内川林道の探索はここで唐突に終了。ちなみに左折している嘉郎林道はどこにも林道標が設置されていないことから、公式には「林道」ではなくなっている可能性が高いですが、その一方で嘉郎林道は「木無岳(きなしだけ / 587.4m)」への登山道化していたりします。
→ 林道標を眺める!
→ 冷水沢林道に突入!
→ 嘉郎林道の様子を眺める!
→ 付近を調べる!
→ 探索終了!
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