2022 北海道林道探索ツーリング 8月1日(月)曇りのち霧雨 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
5日目[3]  浦幌町「浦幌 Urahoro→ 釧路市「釧路 Kushiro もどる  






ガソリン給油量 6.03L 給油回数2回 ガソリン代 1084円 総走行距離 244.6km / ダート走行距離 65.6km トップへもどる


町道茂螺湾上稲牛線に入って畑の脇を迂回するように登坂していくと、すぐにシカ避けゲートが現れます。ここにも赤スプレーで「しめて」と書き殴られた板が貼り付けられていましたが、もちろん、通過後は忘れずにちゃんと閉めておきました。







シカ避けゲートを通過すると、ダートは細かいカーブを繰り返しながら標高327mの最高所地点まで一気に駆け登ります。軽く山越えをした後はなだらかなアップダウンで下りコースに転じますが、ここ、緑のワダチダートがとても美しかったなぁ。







町が管理する「町道」なので、ダートには定期的に整備が入るのか、路面はとても走りやすくて快適な町道茂螺湾上稲牛線。町道であるのが惜しいほどに「林道」っぽかったです。できれば「林道」に格下げしてくれねえかなぁ、ここ。







うわぉ、これな素晴らしい! 山越えの坂道を下りきると、「キナワシモラワン川」沿いに連なる牧草地帯をストレートで一気に駆け抜けます。キュッキュと踏み締めるワダチダートの小砂利の感触が抜群に心地良くて、最高の走り心地!







牧草地の広大な風景を眺めながら町道ダートを進んでいきますが、途中でオレンジ色の大きな花を咲かせた「ヤブカンゾウ」が路肩で群生しているのを見かけました。きれいだったのでちょっと立ち止まって眺めておきます。







町道茂螺湾上稲牛線のダートで見かけたヤブカンゾウ。ススキノキ科のヤブカンゾウは道端や水田や畑、牧草地の縁などの湿った場所に生え、茎の高さは80〜100センチと高く、赤を帯びた橙色で直径8〜10センチもある花は見応えがあってとてもきれい! 花弁は6枚ですが、雄しべと雌しべが花弁化して八重咲きになるのが特徴らしいです。

ちなみにヤブカンゾウの花は日中だけ咲いて夜には咲き終わりますが、その開花期間は短くてたったの1日なのだそうです。和名は「藪萱草」で、藪に生える「萱草(わすれぐさ)」という意味ですが、それを音読みしてヤブカンゾウというわけ。







その後、キンイチナイ林道(2489m)の右折分岐を過ぎると、足寄町「螺湾沢」で右手から「町道茂螺湾太線(町326)」が合流してきますが、ここは直進。そのまま町道茂上稲牛線を進んで道664を目指します。ちなみに町道茂螺湾太線もダート町道なので、そちらに進んでみてもいいですが、最終的には行き止まりになっています。







町道茂螺湾太線が合流してくる場所は足寄町「茂螺湾」地区ですが、この辺りは高さが2mにもなる巨大な「ラワンブキ」のふるさと。ダートの路肩でも大量に繁茂する野生の 螺湾ブキを見かけました。

しかし、高さが2mを超えるまで成長するラワンブキは限られていて、なぜか足寄町を流れる「螺湾川」沿いの限られた地域にしか生えません。しかも、その理由は科学的にも解明されておらず、今もって謎らしいですよ。







町道茂螺湾上稲牛線の終点になっている足寄町「螺湾沢」にある道664への合流地点。ここでいったんダートから離れますが、次は道道を右折して「オンネトー」方向に5キロほど進んだ地点に入口がある「町道茂足寄上螺湾線(町333)」に向かいます。







あー、それから道664への出口には町道標と「足寄動物群化石発掘現場」の看板が立っています。足寄動物群化石発掘現場とは、1976(昭和51)年に茂螺湾川で足寄町初となる化石が発見された場所のことらしいです。

そのことが北海道新聞の朝刊で報じられると足寄町は化石発見に沸き立ち、当時の螺湾小学校の全生徒もスクールバスで見学に訪れ、また、発掘現場を一目見ようという人々で周辺の道が渋滞するほどの大騒ぎだったとか。

現在、茂螺湾川で発見された化石は「足寄動物化石博物館(観覧料400円)」に展示されていますが、化石発見からすでに40年以上の歳月が経過した今は、現場は当時の大騒ぎが全くウソであったかのような静けに包まれているだけでした。







足寄町「上螺湾」(道664)にある町道茂足寄上螺湾線の入口にやって来ました。計画としては、ここから山越えの町道ダート経由でR241に抜けた後、道143へと進んでその先に待ち構える長距離林道群を攻めるつもりです。







ダート開始地点に設置されていた町道茂足寄上螺湾線の町道標。町道名と共に「至国道241号線」と記されているので、進むべき道はここで間違いなさそうです。







足寄町上螺湾で町道ダートに突入すると、まずは放牧場の脇を通り抜けて前方に控える森の中に進んでいきますが、路肩の牧草地でまどろむ牛さんたちを見かけました。道すがらに漂う香りがちょっとあれでしたが、立ち止まって眺めてみます。







モオォ〜っと、突然の闖入者に何事かと一斉に視線を向ける乳牛たち。白黒模様のホルスタインではなくて、ジャージー種だと思いますが、ジャージー種はホルスタインよりも身体は小さいけれど、味が良くて濃い牛乳を出してくれます。それは脂肪率が高くてバターやアイスクリームを作るのに適した牛乳なんだよな〜。







放牧場を過ぎると登り坂が始まり、それと同時にシカ避けゲートが出現。何度も何度も現れると、正直、開閉作業が煩わしくなってきますが、野良シカが牧草地に入ってしまうと大事なので、通過後はちゃんと閉めておきますよっと・・・。







シカ避けゲートを通過すると細かなカーブを繰り返しながら標高370mまで一気に登坂します。その後はなだらかなカーブで穏やかに下るコースですが、「町道」なので路面状況はいたってまとも。すれ違う対向車に出会うこともなく、町道茂足寄上螺湾線ではのんびりとしたダートランが楽しめました。







無名峠で山越えをしてなだらかな坂道を駆け下りると、そこで再びシカ避けゲートが現れましたが、そこは右折分岐する上足寄苗畑林道の起点にもなっていました。左側の路肩に真新しい鉄板タイプの林道標が設置されています。







上足寄苗畑林道の林道標です。上足寄苗畑林道は町道から分岐して「茂足寄川」支流の沢沿いに遡る延長距離1.8キロほどのショートなピストンですが、多少の草深さは感じられたものの、荒廃しているわけでもなさそう。

町道ダートばかり走っているので、ここらで「林道」にも立ち寄っておこうかとも思いましたが、予定としては長距離林道群の探索が控えているので止めておきました。







シカ避けゲートからおよそ450m、R241に突き当たる地点が町道ダートの終点でした。国道を右折すれば阿寒湖に直行できますが、それじゃあつまりません。

阿寒湖へと向かう国道の北側の山中あって、R241に並走する形で迂回ルートを形成している長距離林道群。具体的には上足寄林道、39線沢林道、35線沢林道ですが、それらを経由して阿寒湖を目指す方が100万倍も楽しいに決まっているし!







というわけで阿寒湖へは遠回りになりますが、目指す長距離林道群に接続する道143へと進むべく、R241を足寄町「上足寄本町」まで移動してきました。画像は国道から道道に入った直後、上足寄本町の寂れた家並みが見えている地点です。

ちなみに某ツーリングマップルには上足寄本町の国道沿いにGSマークが記載されていますが、そこにあったホクレン上足寄SSはとっくに廃業しています。ここ上足寄本町での給油を前提として林道探索を計画していると、予定していた給油ができず、最悪ガス欠に陥る可能性が高いので要注意!







上足寄本町の通りで見かけた商店の古い蔵。重厚な趣で風格を感じさせるそのたたずまいに、失礼ながら「こんな過疎地なのに立派過ぎ?」と思ってしまいましたが、かつての足寄は林業で大いに栄え、多くの林業マンが山の木々と格闘していた町です。

上足寄本町もかなりの規模を持つ集落だったようで、その証がこの「鳶足商店」。現在は廃業していると思われる個人商店ですが、まさか、こんな僻地の店なのに店舗の隣に蔵まで建ててしまうなんて、往時はよほど繁盛してたんだろうな。

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