2022 北海道林道探索ツーリング 8月14日(日)曇りのち雨のち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
18日目[2]  網走市「網走 Abashiri→ 上士幌町「糠平温泉 Nukabira Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.86L 給油回数4回 ガソリン代 1020円 総走行距離  259.1 km / ダート走行距離 28.0 km トップへもどる


給油を終えて見北見の市街地のまっただ中を通過中。さすがに北見ともなれば町中もこのように開けていますが、雨が降っていることもあってか駅前のメインストリートに人通りはほとんどなかったですよ。もちろん交通渋滞もありません。







交通渋滞もないまま北見駅前を通過してガラ空き状態の「本町4丁目」の交差点でただいま信号待ち。地面はまだぐっしょりと濡れていますが、嬉しいことに雨はこの時すでに霧雨程度にまで弱まってきている状態でした。さすがに陽射しは出ていませんが、メットのシールドをあげても問題なく走れるほどにはなっています。







おお、やったぜぇ! 北見の市街地を走り抜けてさらに国道を西へと進み、7日前に宿泊した「北見温泉(ポンユ)三光荘」を国道沿いに眺めつつ北見市「留辺蕊町」までやって来たところで霧雨も完全に止みました!

雨が止んだことでなんだかやたら嬉しくなってしまい、思わず国道沿いに現れたセイコマるべしべ店に思わず飛び込んじゃいましたが、もちろんそれは暑苦しくて鬱陶しいレインウェラを脱ぐため。この先もう雨は降らないと睨んでのことですが、うふふ、当方の晴れ男っぷりがここでも発揮されてしまったぜぇ!

ちなみにこの後の予定としては北見市から「上川町」→「上士幌町」と進み、その途中で北海道の屋根ともいえる石北峠や三国峠を越えていきます。北海道でも特に標高の高い場所を通っていくので、雨に降られながらの最悪な峠越えになると意気消沈していたのですが、これぞ天の配剤! まさかここまで都合よく物事が進むとは!







レインウェアを脱いで身軽になったらコンビニを出発。引き続きR39を北見市「留辺蕊町温根湯温泉」へと向かいますが、この辺りは6日前のツーリング12日目の林道探索で訪れたエリア。その後、道北を巡って再び通りがかったわけですが、それからもう1週間近くも過ぎたのかぁ。なんだか遥か昔の出来事のように思えるぜぇ・・・。

と、ガラにもなく感傷に浸ってしまいましたが、温根湯温泉手前のJR石北本線「西留辺蕊駅」にほど近い北見市「留辺蕊町栄町」で見かけたENEOS留辺蕊SSで給油を済ませておきます。先ほど給油したばかりなのでハイオク180円 / Lで0.82L(147円)しか入りませんでしたが、実はここでの給油がとても重要。

なぜって、この先の留辺蕊町温根湯温泉にある最終のGS(ホクレン温根湯SS)を過ぎると、本日の宿がある上士幌町ぬかびら源泉郷までの102km(!)間にはGSが1軒もないから。しかも、目的地であるぬかびら源泉郷にもGSは無くて、次にGSが現れるのはさらに23キロ先の上士幌町の市街地となっています。

つまり、留辺蕊町温根湯温泉の最終のGSを過ぎると、なんと、恐ろしいことに125km先の上士幌町上士幌東3線(上士幌町役場そば)にあるアポロステーション上士幌SSまで給油できないというわけ。いかにも北海道らしいGS事情ですが、125kmという距離は東海道本線で例えると、だいたい東京駅〜沼津駅間と同じですよ。







給油を済ませ温根湯温泉も通り過ぎてWRをひたすら西に走らせていくと、やがてタコ部屋労働で悪名高く、かつて日本一の水銀採掘量を誇った「イトムカ鉱山」跡(現イトムカ鉱業所 / 水銀含有廃棄物の処理・リサイクル工場)が現れますが、そこも通り過ぎて「イトムカ川」伝いにヘアピンカーブで登坂していくと石北峠に到着。







石北峠
標高1050m
北見路110km始点
峠の駐車帯に設置されていた石北峠を示す標柱。いまさら説明するまでもないですが、旭川(「」狩国)〜北見(「」見国)間を結ぶ最短ルートにある峠なので、旧国名から1文字づつとって「石北」と命名されています。







路側帯に毛の生えたような小さな数台分の駐車スペースに峠の標柱と簡単なイラスト案内板が1つあるだけでだけで、基本的にはなにもない石北峠。はっきり言って「よくある国道沿いのパーキング」ですが、そのせいかわざわざ立ち寄っているツーリングライダーもいなかったです。







移転
石北峠売店
おんねゆ温泉道の駅にうつりました
なんと、移転したとな?! 今はただのパーキングににしか見えない石北峠ですが、平成の頃にはここに売店と食堂が立ち並び、夏の観光シーズンには今では想像もできないほど立ち寄る観光客で大いに賑わっていたらしいです。

しかし、2007(平成19)年8月29日午前0時頃に火事が発生。6軒ほどあった売店や食堂は全て焼けてしまったそうです。ちなみに売店は火事の翌年2008(平成20)年5月に1、2軒ほどが再建されましたが、その後は旭川紋別自動車道の延伸開業によって峠の通行量が減少して往時の賑わいは戻ることなく峠の売店はあえなく移転・・・。

そして駐車場の片隅に置かれていたこの告知看板が示すように、今は更地となって石北峠に売店は1軒もなくなってしまったというわけ。嗚呼、合掌・・・。







石北峠からの眺望です。目の前には大雪山系の東部に位置し、そして遠く「三国山(みくにやま / 1541.4m)」まで続く石狩山地の連なる山々の稜線が見えていましたが、雨上がりの曇り空だったので景色の爽快感はイマイチ。形成に恵まれれば遥か彼方の大雪山や、阿寒の山々まで見渡せるらしいですが、本当かな〜。







道路を挟んだ峠の右(北)方向の眺めです。こちら側にも遥か先の「武華山(むかやま / 1759)」まで石狩山地の山々が連なっているのですが、視界に入るのは鬱蒼とした樹林に覆われた山の斜面だけ。しかし、石北峠で眺望が望めるのは北見方向からやって来ると道路の左側、すなわち峠の南側だけらしいな。







訪れた時には立ち寄る観光客の車はおろか、1台のバイクもいなかった石北峠。現在は売店はもちろんのこと、自販機すらないのでみなさん素通りするのでしょう。となれば当方もここでの長居は無用。景色を眺めたら早々に出発します。







石北峠を出発して北見市から上川町へと進んで分水嶺を越え、やがて現れる「武華トンネル(1609m / 2006[ 平成18 ]年開通)」を通って「ペンケチャロマップ川」伝いに下っていくと、やがて道すがら左手に「大雪湖」の湖面が広がります。

そのまま湖岸伝いに進んでいくと、今度は「大雪トンネル(320m)」が現れますが、トンネルの出口直後でR273が「大雪ダム」方向に左折していくので、ここでR273へと左折。するとすぐにダムサイトが現れたので立ち寄っておきました。







国道の左手、大雪湖を見渡すダムサイトの堤に設置されていた大雪ダムの石碑です。先ほどの石北峠同様、観光客用の駐車場があるわけでもなく自販機もないので、立ち止まってダム湖を眺めている観光客やツーリングイダーの姿はなかったですよ。







さっそく大雪湖を見渡してみますが、むぅ、やはり先ほどまでの雨のせいで湖水はコーヒ色に濁っているなぁ・・・。というわけであんまり美しくなかった湖面ですが、大雪ダムを建設すべく調査が開始されたのは1955(昭和30)年のこと。

ちなみにその前年の1954(昭和29)年には青函連絡船「洞爺丸」を沈没させ、石狩川源流の原生林をなぎ倒して壊滅的な被害を与えた「台風15号」が発生していますが、そのため石狩川の洪水調整および水道、灌漑用水用のダムとして計画され、1968(昭和43)年に工事が着工。そして7年後の1975(昭和50)年に完成しています。

そんな大雪ダムのダムカードはダムに隣接した「大雪ダム管理支所(大雪トンネル手前R39沿い)」で9時〜17時の間で誰でもらえますが、普段は立ち入れないダムの裏側まで見学したいダムマニアな方は、「層雲峡温泉」に大雪ダムとコラボした「大雪ダム見学付き宿泊プラン」のあるホテルがあるので、ぜひどうぞ!







大雪ダムを出発してR273のルートにもなっている長さ440mの大雪ダム堰堤の上を通過中。このままR273を進めば三国峠を通って今日の宿泊地のぬかびら源泉郷まではおよそ52キロの距離ですが、さすがにこのまま宿に直行するのはちと早過ぎ。

というわけで、糠平温泉へと向かう前に、前々から気になって訪れてみたいと思っていた場所に向かいたいと思いますが、それは大雪ダムからR273をぬかびら源泉郷方向にに2キロほど進んだ地点から右折で開始している延長距離14.8kmの通称「大雪山観光道路」こと「道道1162号(銀泉台線)」。

生憎そこは「林道」ではありませんが、北海道の道道としては最高所となる標高1491mの「銀泉台」へと至るピストン未舗装のダート道道なんだよな! 一部虫食い舗装区間がありますが、1ピストンでダート28kmが楽しめるのは超魅力っす!







道1162号に入るとすぐに現れる起点直後のゲート地点です。冬季閉鎖期間中や、大雨などによる通行止めの際には閉じられますが、もちろん訪れた時はオープン状態でした。ただし、道道ダートは起点から開始しているのではなくて、ゲートの少し先から始まっている模様。ちなみに画像では前方がR273、後方が銀泉台方向です。







ゲートの傍に設置されている道道1162線の道路状況表示板。ちなみに路線名にもなっている「銀泉台」という地名ですが、その由来は、そこが「赤岳(2078.5m)」山麓にある「銀河の滝」の源流地点だと考えられていたことによるそうです。

なお、表示板には具体的な開通期間が未表示でしたが、紅葉シーズンは交通規制が行われ、10月上旬〜翌年6月上旬間は閉鎖されるので注意してください。







というわけでR273から道1162へと入り、起点から少し進んだ地点で現れた道道のダート開始地点です。いよいよ大雪山系の懐奥深く、そして道内最高所をゆくダートが開始しますが、ちなみにツーリング14日目に訪れた「町道加須美峠函岳線」ですら最高所地点の標高は1129.3m。そのことからも標高1491m地点を目指す道1162ダートの天空っぷりが分かるというものですね。

そんな道内最高所をゆく道1162ですが、元々は旭川市内から「旭岳(2291m)」を貫いて「層雲峡」へと至る1本道の「道道212号(旭川大雪山層雲峡線)」として計画されたらしいです。しかし、「大雪山観光道路反対運動」が起きて、今も道道1162と「道道1160号(旭川旭岳温泉線)」に分割されたままになっています。

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