2024 絶海の孤島「利島」林道探索 弾丸ツーリング 5月12日(日)曇りのち雨のち晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
2日目[2]  民宿かねに荘〜宮沢林道探索〜さらば利島!! もどる  






宿泊費 / 10000円 フェリー運賃 / 4470円 バイク輸送運賃 / 9881円 有料道路代 / 830円 トップへもどる


集落を出発したら右(東)周りで利島一周道路を進んで宮沢林道入口を目指します。道すがらには昨日も通ったビューポイントが現れますが、快晴時とは一味も二味も異なった雨上がり直後の眺望も素晴らしかったな〜。







おお、厚く垂れ込める雨雲の中に「鵜渡根島」と「新島」がよく見えているなぁ! 眺めているのは利島から北の方向。水平線上に目を凝らすと、新島の先には僅かながらに「式根島」と「神津島」も見えていました。







利島の東部、「宮塚山(507.5m)」の東の山麓の坂道をエンジンにものを言わせてガンガンに登坂していきますが、路肩からは利島の南南西およそ32kmに浮かぶ神津島が見えており、ここで再び立ち止まっちゃいました。







林道入口に向かう途中の利島一周道路から見えていた神津島の島影です。神津島の位置する方角は心なし僅かに晴れているような感じで、台形をした天上山の特徴的な形が確認できました。景色に快晴時のような爽快さはなかったですが、厚い雲が垂れ込めるしっぽりとした雰囲気も悪くはありません。







ん、あれは!? 大海原を神津島の方向に向かって航行する船の姿が小さく見えていましたが、おお、東海汽船の東京発神津島行きの「さるびあ丸」じゃないですか!

東京発神津島行きのさるびあ丸は東京竹芝桟橋を昨夜の22:00に出航。ここ利島には翌朝の7:40に到着して5分後の7:45に次の寄港地新島に向かって出発し、現在新島に向かって航海中というわけ。利島からは神新汽船のフェリーあぜりあと同じで、新島、式根島と寄港して終点の神津島到着は10:00です。







路肩から大海原を航行するさるびあ丸の勇姿を眺めてから前進再開。昨日も通った「ウスイゴウ園地」へと至る九十九折りを登坂していきますが、今朝も素晴らしい海の景色を立ち止まって眺めておくのを忘れません!







快晴時は目に鮮やかな利島ブルーの海が広がっているはずですが、雨上がり直後のこの時は暗いモノクロ調の色彩に染まっていた海。果てしなくどこまでも垂れ込める灰色の雲と、黒々とした海の色の組み合わせがなんとも言えない不思議な感じ。逆に晴れの日には感じられない味わい深さがありますなぁ。







続いて正面を眺めてみますが、こちらは利島の東の方向。波もなくて穏やかな海上を音もなく静かに船が進んでいますが、あれはたぶん東京から伊豆諸島の島々を結ぶ「伊豆七島海運」の貨物船だな。運賃は割高で時間と手間もかかりますが、あの貨物船でならば伊豆諸島のどの島にでも、どの排気量のバイクでも運んでくれます。







利島の南東方向に広がる望洋とした海の景色。こちらの方角には島影はなくて水平線がどこまでも広がっているのみですが、なんだか明るい陽射しが雲の切れ目から差し込んで海面上の一点を照らしているような気が! しかし、景色のスケール感が雄大過ぎて距離感がうまく掴めませんでした。







おお、やったぜぇ! いよいよ宮沢林道の東側の入口に到着しました! 昨日は直前に現れた右折分岐(村道)を宮沢林道入口だと勘違いしてしまったのですが、へへ、さすがに同じ過ちは繰り返しません! ちなみに利島一周道路を右(東)回りでアプローチする場合、ウスイゴウ園地まで行ってしまったら行き過ぎですよ。







宮沢林道入口を振り返るとこんな感じ。九十九折りで登坂していく利島一周道路の急カーブの途中に位置していますが、生憎と林道標はおろか、標識や道標の類はなにも設置されていないんだよなぁ。

しかし、本当にツイてました! ビチャビチャに濡れた路面がついさっきまで雨が降っていたことを物語っていますが、雨に濡れる覚悟で宿をまさに出発する直前になって止んでくれたんですね。おかげで雨具の出番は全くなかったのみならず、道端に自生していた雨に濡れたアジサイの花がとてもきれいでした。







宮沢林道入口脇の路肩で自生していた「ラセイタタマアジサイ」の花です。ラセイタタマアジサイは漢字表記では「羅背板玉紫陽花」と描き、花期は7〜9月とされているようですが、5月12日時点で普通に咲いていました。

さすがに2000種類以上もあって改良に改良を重ねた園芸種ほどの華やかさはないですが、それでも雨に濡れて艶やかな感じがきれいだったな。







ラセイタタマアジサイは「タマアジサイ」の変種で、本州のタマアジサイが島の気候に合わせて変化を遂げたと考えられている伊豆諸島に分布するアジサイ。しかし、5月の時点で花が咲いているというとは、5〜7月が花期の「ガクアジサイ」かもしれませんが、園芸マニアではないのでよく分かりません。







いざ宮沢林道に入線しますが、路面はコンクリ簡易舗装。林道舗装化の波は島嶼の林道にまで容赦なくおよび、比較的最近、無情にも部分的に残存していたダートも全て舗装化されてしまったのですが、林道舗装化工事の進捗具合を誇らしげにSNSに投稿していた某建設会社が憎いぜぇ・・・。ちぃ、島を訪れるのが1年遅かったか!







うわ、大きく育ち過ぎて見るからに屈強な姿をしたアシタバです。雑草化したアシタバは島内の至る所で見かけましたが、道端に勝手に生えたアシタバならば、好きなだけ摘みまくっても別に誰にも叱られたりしないと思います。たぶんね。







う〜ん、こいつはなんという名の雑草でしょうか? やたら生命力に溢れた感じで草丈は高く、茎も太くて凄みのある姿をしていましたが、林道路肩の藪には伊豆諸島固有の可憐な「シチトウスミレ」とかは咲いておらず、見かけるのはこんなのばかり!







路肩から幅員を侵食しつつある植物の草葉に鬱陶しさを覚えつつ、濡れたコンクリ路面のスリップに注意しながら進んで行きますが、せっかく残存ダートを潰して路面を簡易舗装化したというのに、ここ、車両の通行はほとんどないみたいです。







宮塚山北川の山腹、標高260m付近の濃密な緑に包まれた森の中をなだらかに緩く登坂していきますが、味気ないスギやヒノキだらけな本土の森とは異なって、いかにも伊豆諸島の島らしい常緑照葉樹の森の独特な雰囲気を強く感じます。







おお、海が見えたぜぇ! ここまで全く海が見えなかった宮沢林道ですが、やがて木々の隙間から海が見えてきたじゃないですか! 利島は面積に対して標高が高いので、海岸から島の中心に向かって800〜900mほど入り込んだ林道からでも海が見えるんだよな。やっぱり島の林道と言ったら「海」はお約束でしょう!







なんじゃこりゃ? 林道を進んでいくと、枝先から赤黄色い葉を束ねるようにしてわしゃっと吹き出させた樹木を目撃しましたが、これって「タブノキ」の新芽?

利島のタブノキ林はその大部分が島の南側にありますが、島の北側にも林道沿いに僅かに存在しているみたいです。植生的には標高200mまでの低標高域から、標高380mまでの中標高域までに優占してよく生えているのが特徴ですが、集落内でも強風対策として防風林になっているのをよく見かけますよ。

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