竹芝桟橋出航!
  東京出航から三宅島到着後のバイクの受け取り 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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改札で乗船標をもぎ取ってもらいます
 [1]東京からの距離と位置
 [2]三宅島航路について
 [3]竹芝桟橋出航!
 [4]三宅島到着まで
 [5]三宅島到着!
 [6]バイクの受け取り
22 時10 分の乗船時刻になったら係員の誘導で岸壁の乗船口に向かいます。 改札であらかじめ記入しておいた乗船券を係員に渡して、乗船標の部分をもぎ取られた乗船券を受け取ってから乗船しますが、列が長いのでなかなか前に進みません。

なお、先ほども述べましたが、この乗船券は下船時に必要となるため、もう要らないからとゴミ箱に捨てたり、無くさないようにしてくださいね。






さすがGW、大勢の乗船客で臨場感も高まります!

しかし、一年で最も気候のよい春のGWは凄い人出です!  停泊する橘丸では、すでに乗船して上部デッキから乗船風景を眺める人の姿で鈴なりでした。 ちなみに橘丸の旅客収容人数はおよそ1000人ですが、 おそらくこの日は満員状態となっていたに違いありません。乗船口は1箇所なので乗船する列の流れはとてもゆっくりです。

でもそれは好都合。なかなか進まない列の最後尾で順番を待つ一乗船客を装いながらキョロキョロと桟橋風景を見渡すことができたんだよなぁ。






橘丸の後方に停泊中の2代目「さるびあ丸」

橘丸の後方には東京・横浜〜大島・利島・新島・式根島・神津島航路の「さるびあ丸」が23時 00 分の出航を待ちつつ停泊中でした。 八丈島へと向かう橘丸の方が30分早く出航するので、橘丸の後方が停泊位置になっているらしいです。

通常、東京〜三宅島・御蔵島・八丈島航路は平成26(2014)年に就航した「橘丸」で運航されていますが、運用の都合で「さるびあ丸」が代用されることもあります。ちなみに2代目のさるびあ丸は令和2(2020)年6月6日で引退、現在は新造された3代目のさるびあ丸が就航しています。






人ごみに揉まれるようにしながら橘丸へと乗船

でもいつまでも岸壁でキョロキョロしてはいられません。気がつけば係員がじぃ〜っとこちらを眺めていました。すぐにタラップを登って乗船口から橘丸へと乗船しますが、しかし凄い人の数ですね。人の波に揉まれて流されている感じでしょうか。

しかしこれ、GWというこの時期に日本全国で見られるいかにもな光景だったな〜。通路を逆行して「こっちこっち、こっちだよー!」と連れを呼んで叫ぶ人もいたりして、そこは芋洗いで押すな押すなの大混雑! あははと思わず笑ってしまいますが、橘丸への乗船口はここ一か所だけなので仕方ありません。






船酔い用のゲロ袋はここでタダでもらえます

乗船口から橘丸船内に乗り込むと、すぐの場所に「案内所」があります。緑公衆電話の置かれたカウンターには運航状況や航路の気象状況図、 日の出・日の入り時刻などがが掲げられており、無料の船酔い用のゲロ袋も用意されています。ちなみに乗船当日の日の入は午後6時12分で、明日の日の出は午前4時50分とのことでした。

橘丸では22時30分の出航後に100円で「毛布」の貸し出しが行われますが、申込みは案内所カウンターではありません。出航後に係員が2等船室を回るので、その時に申し込む仕組みになっているみたいです。たぶん、ここで申し込んでしまう乗船客が多いのでしょう。「毛布の貸出は2等船室で貸出し致します。2等船室でお待ち下さい」と記されたボードが案内所のカウンターに置かれていました。

なお、わざわざオフバイク持参で三宅島へと林道探索におもむくのに、乗船予約なしはあり得ず関係のない話ですが、繁忙期に2等船室が満席の場合に限って席なし乗船券が販売されます。いわゆる指定船席の割当のない「フリー乗船券」ですね。席なし乗船券で乗船した場合、運良く船内で2等船室のキャンセルが発生すれば追加料金なしで2等船室に移動できますが、そのキャンセル待ちの受付もここで行います。






乗船口のある4階から特2等寝台の船室に向かいます


特2等寝台の船室入口


特2等寝台エリアの狭い通路

4階の乗船口から船内に入ってすぐにあるエントランスの階段を降りて3階の特2等寝台の船室へと向かいます。八丈島林道探索でも利用していたので迷いませんが、初めてで勝手が分からない場合は乗船口付近にいる係員さんに聞けば教えてくれます。






通路蔵に並ぶカイコ棚状態の寝台

ラッキー! 当日割り当てられた寝台は通路のどん詰まりの再奥上段でした。一番奥の寝台部分だけ階段であがり込むようになっているので、他の新台と比べて寝台への昇り降りや靴の脱ぎ履きが格段に便利なんですよね。

というわけで、通路の最奥ならば、上段でも下段でも構わないですが、手前の場合寝台へのは出入りがしやすい下段の方がたぶんいいと思います。なにもしなければ寝台は勝手に割り振られるので、ダメ元で受付窓口で希望してみるといいでしょう。






寝るだけならばこのスペースで十分!


さすがにメットとリュックの両方は無理か・・・

割り当てられていた特2等寝台の上段の様子です。見た目的にはかなりの狭さを感じるかもしれませんが、あぐらをかいて座れるだけの高さがあります。率直な感想としては基本的には寝っ転がって過ごす「寝台」なので、これで十分だと思いました。指定の寝台を確認したら、用意されている枕とシーツ、毛布で寝床のセッティングをします。

寝台内部には100円預入れ式の収納ボックスとコンセントが1つありました。さすがにメットとリュックの2つを入れることはできなかったですが、貴重品の入ったリュックはさておき、他人の被ったメットを盗む者はまずいないと思います。なので、寝台の隅に置いておけば問題なかったです。財布などの貴重品はリュックから一々取り出すのは面倒なので、カギの掛かる収納ボックスは寝台を離れる時にも重宝します。






「もういませんね〜、出航しますよ〜」

荷物を置いて寝台のセッティングを済ませたら、 22 時30 分の出航時刻になりました。階段を上がって4階の乗船口に向かってみたところ、まさに乗船タラップが引き下げられて乗船口のぶ厚い鉄扉がギギィと閉じられる瞬間。いよいよ出航だぜぇ!






ここで一夜を過ごす人もいるのかな〜


オープン前で誰もいなかったレストラン


フードコートではカップ麺の夜食を食べる人もいました

乗船口が閉じられたのを確認したら、出航直後のお約束で東京湾の夜景を眺めるべく甲板に向かいますが、通りがかったフリースペース「ラウンジたちばな」ではテーブルのある席はすでに埋まっていました。早い者勝ちですが、おそらくここで一夜を過ごす人もいるのでしょう。一部の席ではすでにアルコースが並べられ、早くも呑めや歌えやの宴会モードになっている人もいたんだっけ。

東京出航後にオープンする「レストラン橘」もまだ開いていませんでした。なので誰もいませんでしたが、営業終了後は談話室として解放されるそうですよ。ラウンジたちばなよりも格段に広いので、ここで一夜を過ごすのもあり・・・かな。

レストラン橘入口の脇にある自動販売機の並ぶフードコート。椅子とカウンターがあってカップ麺の自販機があるので、混んでいることが多い場所ですが、ちょうど出航の瞬間にはほとんど人がいませんでした。早くもカップ麺の夜食をすするおばさんも見かけましたが、ここは出航して少し落ち着いてから混んでくるのだと思います。






あまり利用する必要もなかったエレベーター

あ、そうそう。橘丸船内には2〜6階を結ぶエレベーターもあります。足腰の弱いお年寄りの方には便利ですが、階段を使った方が早いので乗っている人はあまり見かけませんでした。別に用はなかったですが、意味なく2〜6階まで往復しておきました。






出港時には誰もいなかったタバコ部屋

4、5階に設置されているタバコ部屋の喫煙ルームですね。覗いてみた時にはどなたもいませんでしたが、 東京〜八丈島間で所要時間が 10 時間以上もかかる船旅では利用する人も多く、橘丸の船内で喫煙できるのは唯一ここだけ。昼間の航海中はたいてい誰かいます。東京へと戻る便は長い昼行になるので、これがないと困りますね〜。






ぼおぉ〜。汽笛が鳴って橘丸が出航します!

この瞬間、船内スピーカーから蛍の光が! 日本人であれば誰もが歌える懐かしい唱歌、スコットランドの民謡「オールド・ラング・サイン」ですね。

 蛍の光〜 窓の雪〜
 書読む月日〜 重ねつつ〜

Should auld acquaintance be forgot,and never brought to min?
(古い友人は忘れ去られ、もう二度と思い出されることはないのか・・・)
Should auld acquaintance be forgot and days of auld lang syne?
(古い友人は忘れ去られ古き良き日々の記憶もまた心から消え去ってしまうのか・・・)

うぅ、なんで出航はもの悲しいんだろう。楽しさに満ち溢れた旅立ちなのにこのメロディを聞くと、ガラにもなく感傷的でうるうるになってしまうな〜。






ついにきたこの瞬間、行ってきまーす!

三宅島への旅立ちに相応しい竹芝桟橋からの離岸の光景。ついに三宅今へと向けて出航の時がきました! 飛行機では絶対に味わえない船旅ならではの最高の旅情感を味わいながら、未だ見ぬ絶海の孤島林道への想いを抱きつつデッキに立ち続けます。

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