宮塚山林道 / Miyatsukayama 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2021.05.02 / No.To-105 
 [ 所在地 ]新島村 [ 状態 ]ピストン半ダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 道すがらに望む眺望は最高に素晴らしいが、自転車通行禁止の連続鬼坂が厳しい島のピストン

イク輸送の手配や宿の予約など全て準備万端整っていたのに、コロナ緊急事態宣言によって全ての計画が一瞬でオシャカとなってしまい、失意落胆の苦い味を黙々と耐えること1年。ようやくリベンジで渡海した新島ですが、島内観光もそっちのけで駆けつけたのがこの宮塚山林道です。入口は新島村役場そばにある新島簡易裁判所の前から都211号線の羽伏浦海岸入口へと向かう村道の途中に位置しており、初めて訪れると分かりにくいかもしれませんが、そこは狭い島内での話。港や観光協会、宿でもらえる「新島本村マップ」などを眺めれば、もしくは少し探せばすぐにたどり着けると思います。ちなみに画像では前方が都211号線方向で、この先には「新島グランドホテル」があります。
→ 付近を調べる!
→ 振り返る(手前 / 本村方向)!
面から眺めた宮塚山林道入口です。林道入口の路肩の藪に道標やら立看板などが設置されていましたが、林道標はなぜか未設置でした。ちなみに新島は富士箱根伊豆国立公園に属することから、国立公園の整備の一環として宮塚山林道のルートは、1984(昭和59)年5月に「宮塚山(みやつかやま / 432m)」への到達道路「新島宮塚山線」として整備され直されています。そのような事情から、これは憶測ですが、その時に「林道」としては抹消され、林道標も撤去されたた可能性が大きいんですね。しかし、過去に宮塚山林道が存在したことは確実なので、当サイトでは便宜上、現在も「林道」として紹介しておきますよ。
→ 道標を眺める!
→ 立看板を眺める!
→ 振り返る!
→ やや、あれは?!
転車通行止めの標識を後にしていざ宮塚山林道に突入させていただきますが、出迎えてくれたのは前屈みで額を地面に擦り付けるような急傾斜の連続勾配でした。しかし、狭いながらも地形の高低差に飛んだ伊豆諸島の島々では「鬼坂」は宿命であり、これは訪れる前から容易に想像できたこと。過去に探索した八丈島、三宅島、神津島の林道もそうだったしね。
抜41m地点の起点から入線すると、まずは標高260mの「富士見峠」へと向かって、高低差219mを切り返しや蛇行を繰り返してガンガンに登坂していく宮塚山林道。峠までは2キロほどの距離ですが、歩きではその僅かな距離に所要時間が2時間というのも納得な勾配のキツさであり、これなら自転車通行止めの処置も納得。登りは手押しに終始で、まず乗車はできずに汗つゆだく状態。帰りは摩擦熱でブレーキが壊れて擁壁に激突もしくは転倒・・・でしょう。
かし、なんやかんやと言ってみたところで、鬼坂だらけの「島」で頼りになるのは、やはりエンジン付きなんだよな! 途中では富士見峠を目指してトボトボな林道歩きを強いられる若い女性2人組の一般観光客の姿も見かけましたが、峠までの2時間にもおよぶ坂道登りは正直言って疲労困憊で「辛い」の一言かもしれません。帰りの所要時間も合わせればそれこそ半日がかりになってしまいます。そんな観光客を颯爽と追い越すのは心苦しくて申し訳なかったですが、そのまま登坂していくと、林道に覆いかぶさる常緑広葉樹のスダジイの巨木を見かけるなど、やがて道すがらの森に島らしい雰囲気が感じられるようになってきます。
→ 路肩を眺める!
ンジンにものを言わせてガンガンに登坂し続けて標高206m地点を通過中。行く手には立ち塞がるような「宮塚山(みやつかやま / 432m)」の中腹斜面を九十九折で駆け登る宮塚山林道の道筋が見えており、標高260mの峠を目指して勾配区間はなおもしばらく続くみたい。今のところビューポイントは現れていませんが、標高が上がったことで鬱蒼とした常緑広葉樹の森が開けて海を望む最高に素晴らしい眺望が現れそうな予感がビンビンです!
→ 前方斜面を眺める!
感的中! その後、ジグザグな九十九折で急斜面を一気に駆け登っていきますが、すると現れたのがこの区間。樹木に視界を遮られることもなく、林道からの絶景を存分に眺めることができる最高に素晴らしいビューポイントになっていたんですね。あんまり過ぎる景色の良さにしばし呆然と立ち尽くして眺め入ってしまいましたが、ここからは白波が打ち寄せる新島の海岸や港、そして新島の中心地である本村の町並み、さらには新島港の沖に浮かぶ地内島を始めとして式根島、神津島などを眺めることができます。
→ 眺望を眺める!
→ 眺望(石山・大峯方向)を眺める!
→ 景色(本村)を眺める!
すがらに眺める新島の美しい景色に感激しながらゆっくりWRを進ませていくと、やがて海を見渡す景色の良さそうな地点にピラミッドのような構造物が出現! どうやらここが標高260mの「富士見峠」で、ピラミッドの正体は抗火石で造られた展望台だったんですね。すぐそばに案内を記した碑があったので、まずはそれを読んでおきました。
→ 案内板を眺める!
火石のピラミッドに登って眺めた富士見峠の展望台とそこからの眺望です。このように快晴に恵まれれば、紺碧の大海原の水平線上にお隣の式根島と神津島がくっきりと見えており、それはそれはとても風光明媚な場所になっています。このように富士見峠は大変素晴らしいビューポイントですが、訪れるのならばやっぱりエンジン付きが絶対におすすめかな。ここにはベンチがあるだけで自販機といったものはありません。キツい登り坂の舗装林道歩きで峠にたどり着いた頃には喉はカラカラ、足はガクガクになっちゃいますよ〜。
→ 眺望(本村・新島港)を眺める!
→ 眺望(式根島・神津島)を眺める!
→ 眺望(地内島)を眺める!
の展望台からの眺望を楽しんだら引き続き宮塚山林道を進みますが、富士見峠を過ぎても登り坂はなおも続き、現在標高352m地点を登坂中。そういえば展望台に設置された案内板には峠の標高は「370m位の地点」と記されていましたが、展望台があったのは標高260m地点です。案内板を信じるならば富士見峠は展望台地点のずっと先のはずですが・・・。しかし、普通は峠でもない地点に峠をうたった展望台を設けるかね?
→ 景色(前方左手)を眺める!
→ 景色を(左手)眺める!
→ 景色を(左手)眺める!
の後も登坂することしばし、やがて標高370mほどの地点を通過します。その昔「ギンデー坂」と呼ばれ、第二次世界大戦中に陸軍部隊が宮塚山の駐屯地へ食糧や資材を運搬したという坂道はなおも続きますが、案内板に記されていた富士見峠の標高は370m。すると峠はこの付近のはずですが、しかし、この前後区間は鬱蒼と密生する常緑広葉樹の森に囲まれて展望を眺めるどころじゃなかったです。樹木まみれでビューポイントなんてどこにもねーし!
の位置になにか釈然としないものを感じつつさらに登坂し続けることしばし、標高395m地点に達した地点で左折していくコンクリ簡易舗装の分岐が出現! 道標の類は設置されておらず、一瞬「?」となってしまいますが、分岐の行き着く先は「新島中継局」。それを示すかのように施設の電源ケーブルもそちらに向かっています。というわけで引き続き宮塚山林道を進むには直進しますが、「赤崎峰(あかざきのみね / 428.5m)」に設置された電波塔からの眺めは大変素晴らしいので、ここは立ち寄っておくことをおすすめします。
→ 「新島中継局」への分岐を眺める!
→ 「新島中継局」へと向かう!
晴らしの素晴らしい赤崎峰に設置された電波塔群を眺めたら、分岐を直進して宮塚山林道の探索を再開します。ちなみに宮塚山林道ですが、コース的には南北に細長い新島で、島の北側にそびえる標高432mの宮塚山へと尾根筋に至るのがこの宮塚山林道。方向的には「若郷」集落に向かって進みますが、若郷集落へは完抜けしていないため、途中の富士見峠の展望台までは一般観光客もたまに立ち入りますが、その先はレンタルバイクの観光客以外はまず訪れない穴場的な場所となっています。ちなみに新島の中心地である本村から若郷集落へは日本の島嶼では最長となる2878mで自転車、歩行禁止の「平成新島トンネル」のみが通じていますが、宮塚山林道はトンネルに並行するようにその真上を斜めに横切って延びています。
島中継局への分岐を過ぎると、それまでの苦しい連続勾配区間は終了。標高385m前後を緩くアップダウンする爽快な尾根筋コースが続くようになりました。林道名由来の宮塚山にだいぶ近づいてきましたが、宮塚山は過去の噴火で形成された溶岩ドームとも呼ばれる溶岩円頂丘です。上空からは円形に、地上からは円墳のように見える地形ですが、林道は平べったく台地のように隆起したドームの山頂部分へと進んでいきますが、溶岩ドームの台地の上へと登りきったので勾配区間も終了するわけですなぁ。
→ 路肩を眺める!
去の噴火によって形成された宮塚山の溶岩ドームを登りきると、林道名由来の宮塚山の山頂ににだいぶ近づいてきました。しかし、溶岩ドームの台地の上は常緑広葉樹の森で隙間なくびっしりと覆い尽くされていて、小山のように細かく隆起した頂が無数に見えているので、どの頂が標高432mの山頂であるのかはっきりしません。
→ さらに宮塚山林道を進む!
→ 探索中止!
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