奥見内林道 / Okuminai 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
奥見内林道 [1] [2]
村「門ヶ沢」集落を過ぎるとダートは樹林の中へと進んでいきますが、平坦コースは相変わらず。鬱蒼とスギやヒノキの茂る林間コースですが、路面も固く締まって林道としての険しさは皆無。まだまだ山中を行くといった雰囲気ではありません。
の後もひたすらに続くストレート区間。その昔、ここに森林鉄道の軌道が敷かれて木材運搬列車が往来していたのかと思うと感慨深いものがありました。そしてかつて林鉄が駆け抜けた同じ場所を、数十年の時を越えた今この瞬間、WRで駆け抜けているのだと思うと、ひときわ心にぐっと来るものがありますなぁ・・・。
してたどり着くのが奥見内沢の橋を渡った直後のY字となったこの分岐地点。大館市方向へと続く奥見内林道本線は左折側で、右折側はピストンの牛沢林道となっています。ここには牛沢林道の林道標が設置されているのですが、しかし、とある由々しき問題によって、右折する牛沢林道の林道名が現地ではまず分からない状況に陥っているのが現状。林道標は存在するのに林道名が分からない理由、なぜだか分かります?
→林道標(牛沢林道)を眺める!
→牛沢林道の様子を眺める!
沢林道分岐を過ぎると、それまで続いた坂道知らずの水平コースは終了。大館市との境界地点の峠を目指す登坂区間がそこから開始します。山中へと分け入る道すがらの雰囲気も打って変わり、より林道らしいものとなってきましたよ。
を目指す山中の登坂区間へと進みましたが、だからといって林道が険しくなるわけでもありません。むしろ峠越え林道としては穏やか過ぎるくらいの路面状況なんですね。傷んだ路面には純白な砂利の補充もみられるなど、ダートの維持管理も手厚いです。
んな感じで実に快適であった穏やかな登坂区間。鷹巣森林鉄道時代の軌道もここまでは敷設されていなかったらしく、ここはおそらく林鉄廃止後に大館市へと峠越えさせるため延長開設された区間だと思われます。対向車もまったく現れないひっそりとした静寂さの中、まったりとした気分で心地良く進むことができました。
手の森の奥に隠れている奥見内沢の源流域を過ぎてさらに登っていくと、やがてに右に左へとカーブを繰り返すようになってきます。峠へと向かって最後のひと登りといったところですが、それでも急坂を意識するような箇所はありません。所々に砂利で補修された地点があるものの、あくまで穏やかな奥見内林道でした。しかし、林道入口の「葛黒林業センター」で聞いた話では、なんでもここはクマが頻繁に出没する林道みたいですよ。
らに進むことしばし、大館市との境界の峠に到着しました。といってもそこは標高300m程度の無名な峠。人は「峠」での素晴らしい眺望を期待しがちですが、ダートの両脇は樹林と薮に囲まれて眺望の類は全く望めなかったです。単に登り坂が下り坂へと転じる地点というだけの、山の鞍部を通過する峠ですよ。ただし、なにもないというわけでもなくて、古ぼけた木杭の林道標を発見できたのはささやかな収穫でした。
→林道標を眺める!
本の古ぼけた林道標の設置されている峠を過ぎると、そこから先は大館市区間。峠を越えたのでダートは下り坂へと転じていますが、それと同時に路面が草深い状況へと変化してきます。峠を越えて林道の管轄市町村が変わると路面状況が悪化してしまう、というのはよくある展開ですが、この奥見内林道もそんな感じでしょうか。
いっても走行困難というほどに草むして荒れまくっているわけでもなかったです。せり出す薮とワダチの雑草の勢いが目立ち、北秋田市区間と比較すれば薮の閉鎖的な圧迫感が増している状況でした。この奥見内林道、峠を越えた大館市区間では通行がほとんどないらしく、荒れよりも「放置」を強く感じてしまいます。
面を一気に飲み込まんばかりに両脇に繁茂する夏薮の壁。路面もガタガタ気味で、あれほど快適であった峠以前の状況を考えれば同じ林道だとは思えません。「まさか、この先通り抜け不可能なんて展開はないだろうな・・・」との一抹の不安も憶えてしまいますが、峠から県111号線の出口までは2キロほど。まあ、たぶん大丈夫でしょう。
想外であった草深さを感じつつ坂道を一気に下って行くと、やがて薮にまみれたコンクリ橋が現れます。跨いでいるのは「糸柄沢(おがらさわ)川」であり、ここまでやってくれば終点の県道はもうすぐ先。完抜け達成は確実であると確信した瞬間でした。
してたどり着いた県111号線とのT字路地点。奥見内林道の終点(正確には起点)ですが、薮が繁茂するだけのなにもない場所でした。林道の悪路状態を示す立看板があるのみで林道標も見当たらなかったです。突き当たる県道も名ばかりの貧弱さで全然それらしく見えません。瞬間的に「ここはどこ?」と思ってしまうことでしょう。
→立看板を眺める!
→振り返る!
道側から奥見内林道出口を眺めてみますが、ここがあれほど快適であったダートの出口だとはとても思えない状況でした。林道経由で峠を越える車両はまずいないと思われ、また林道内の車両の通行も北秋田市区間内に限られているのでしょう。なお、県道の右折側は行き止りで、大館市街地方向は左折側となっています。
道の終点は先ほどの突き当たり地点であり、よって奥見内林道の探索もそこで終了なのですが、ちなみに突き当たる県111号線は半ダートの未舗装県道。参考までにざっと紹介しておきますが、県道を左折するとその先で路面はダート化して、ここ「弥助」集落までそれが続きます。そしてもう一つ、県道はかつての「扇田森林鉄道」の軌道跡なんですね。すなわち昭和8(1933)年開通の延長6600mの「糸柄沢支線」であり、廃止されたのは昭和31(1956)年とのことですよ。残念ながら林鉄遺物はなにもなかったですけど。
「弥助」集落の県111号線ダート終了地点。元林鉄軌道の名ばかり県道らしく、大館市街地方向から進んでくるとここからダート化してしまうんですね。そして奥見内林道へは「ここで本当に間違っていない?」と不安に陥るかもしれないので、林道へのアプローチはやはり北秋田市側からの方がお勧め。というわけで当初のもくろみ通り本日の宿「大滝温泉」へと向いがてらに奥見内林道探索を楽しめたというわけであり、夏の日に林道を思う存分駆け抜けた後の温泉の気持ち良さ、夕食のうまかったことひとしきりだったです。
→探索終了!
→大滝温泉に泊まる!
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