探索日 2010.08.14
No.AO-045

南冷水線 ■東通村・むつ市 ■全線ダート ■分岐→スモモ沢線・西冷水線・東冷水線
■県7号線「冷水峠」そばより分岐して「石川台」方面に延びる

 半島の尾根筋に延びる淋しいワダチダートは寂寥感満点で味わい深く  

 ↓尾根沿いのいかにも荒涼とした寂寥感溢れるダートの雰囲気は素晴らしく、
 場所によっては陸奥湾も遠望可能。下北ではぜひ探索しておきたい1本です。


……こんな感じ……
■県7号線の冷水峠付近から尾根伝いに焼山、 石川台を通って延びてるダート林道。下北半島の尾根地帯の中にワダチダートが延びており、大きく開けてはいるが、寂寥感漂うやや本州離れした景色が続く。コース的にはストレートが主体で、たまにアップダウン程度の勾配があるが、基本的には平坦路で路面も比較的走りやすい。途中に現れる支線分岐は3箇所で、その内2本は高圧線巡視路の役割が大きく、またこの南冷水線自体も石川台そばにある電波塔への管理道の役割をになう。 地図上ではR279方面に抜けられるかのように記されており、電波塔の先にも道筋はなおも続くが、まともに進めるのはそこまで。以降は藪に埋もれて事実上の廃道化状態となる。

■県別地図などで下北半島の柄の部分を横断する県7号線を眺めてみると、「冷水峠」付近にて半島の脊梁山地の尾根伝いに「焼山(312m)」「石川台(338.5m)」方面に至る道筋が記されています。この道筋は南冷水林道というらしく、 県別地図などではそのまま陸奥湾側のR279号線に抜けて道筋が記されてますが、はたして実際のところ完抜け可能であるのか以前から気になっていたこともあり、夏のとある日、冷水峠そばの南冷水線入口へとやって来ました。ただし、この入口は目立たないので、ボーっとしているとあっという間に通り過ぎてしまいます。
■ちなみに、ここが南冷水林道であることは分かっているのですが、県道からの入口にはそれを示す林道標はどこにも見当たらりません。藪に埋もれてしまったか、それとも朽ち果ててしまったのかは分かりませんが、「ここは大平滝国有林です」と記された看板があるのみでした。林道標ハンターにとってはそれがちと残念ですが、ま、仕方ありませんね。県道からの入口の状況はそんな感じで、路面はすぐにダート化していよいよ南冷水線の探索を開始します。
■入線すると僅かに登り坂となったフラットなワダチダートが続きます。砂地っぽいですが固く引き締まった路面はとても走りやすくいたって快適であり、こいつは当たりかな、といい気分で前進すると、さっそく名無し分岐が出現。言うまでもなく南冷水線本道は道なりの直進ですよ。
→右折分岐の様子をうかがう!
■南冷水線の起点である県道からの入口がすでに下北半島を横断する峠付近であるため、ここは標高が高いので大きく開けた明るい雰囲気が漂います。ただし、明るいといってもそれは「開けた」ということであり、どこか寂寥感漂う景観が展開していました。もちろん人の気配は全くありません。
■軽いアップダウン程度でほぼ平坦なダートがどこまでも続きます。路面には数日前に振った雨でできた水溜まりがぽつりぽつりと残っていました。雨中走行であれば面倒くさいので一々避けたりはしませんが、晴れの日とあらばもちろん水溜まりは避けて通ります。
→景色を眺める!
■「支線分岐発見!」左右に横断する高圧送電線の直下をくぐって少し進むと右手に支線の分岐が現れました。すぐそばに設置されていた林道標によればこれは西冷水線とのこと。ここから先述した送電ラインに沿って延びていることから、いわゆる「林道」としてよりも高圧線管理道としての役割が大きいことがうかがえました。ちなみに、この西冷水線に入線すると接続する北川代沢線経由で県7号線に周回して戻ることもできますよ。なので無理強いはしませんが、時間のある方はどうぞ。
→西冷水線に突入!
■「支線分岐発見!」西冷水線の分岐を過ぎて100メートルほど進むと、今度は左手に東冷水線の分岐が現れました。入口の錆びてヤレが回った鉄板式の林道標がいい味を出していますが、この東冷水線も高圧線管理道としての役割が大きく、やはり送電ラインに沿って延びています。ただし、この東冷水線は地図上では雑魚沢線経由で県7号線につながって記載されていますが、 とある地点を境にかなりというか酷い藪道と化す(埋没しているわけではありませんが)ので、走破するにはそれなりの意志と覚悟が必要かと。なので無理強いはしませんが、興味のある方はどうぞ。
■東冷水線の分岐を過ぎてさらにダートをたどって進みます。周囲はそれなりに草深いのにダートには雑草の侵入はほとんど見られず、きれいに管理されている模様。それと道筋に沿って電柱も立ち並び、「ここはひょっとして生活道路も兼ねている?」と思ってしまうかもしれませんが、一昔前の開拓農家ならいざ知らず、今時このような場所に民家などはありませんよ。意外と管理の行き届いた路面と電柱の立ち並ぶ理由は、さらにダートをたどって進めば自然と分かります。
■おっと、また水溜まりですが、これは大きいですね。さすがにこれでは避けて通ることはできないので、路肩寄りの浅い部分を水を跳ねないようにそおっと通ってやり過ごします。徒歩だったら靴はビショビショですね、こりゃ。
■「またしても支線分岐発見!」その後しばらく進むと直進している南冷水線に対して直角に左折する分岐が現れます。この分岐は老部川線に接続しているスモモ沢線であり、実はここ、4年前のスモモ沢線探索において一度訪れている場所なので、正確には支線分岐発見ではなくて「再訪」なんですね。あっはっは。ちなみにこの地点にはスモモ沢線の林道標のみがあって、南冷水線のそれはありません。そのために4年前はそのままトンボ帰りでスモモ沢線を引き返したのですが、当時の記憶が甦ってちょっと懐かしい気分です。 というわけで、実は県7号線からも老部川線へのアプローチが可能。なので無理強いはしませんが、興味のある方はどうぞ。
→スモモ沢線に突入!
→スモモ沢線の林道標を眺める!
→スモモ沢線の入口を眺める!
■懐かしいスモモ沢線の分岐を過ぎると、路面のワダチを形成する雑草がそこを境としていきなり濃くなってきました。ダートが藪に覆われてし…とまでではいきませんが、これまで以上に草深くなってしまいます。ただし、このような状況でも道沿いの電柱の列は途切れることなく続きます。
■周囲を取り囲む藪に埋もれそうでいて、それでも決して全面的に埋もれることのない心細いダートが続きます。同じ下北半島でもブランド化している有名所の林道では四輪やオフバイクの通行がそれなりにあるようですが、ここではそういうこともなさそう。それにしても前回ここにオフバイクが立ち入ったのは、一体どれくらい前のことになるのでしょうか。淋しい雰囲気が漂います。
■また水溜まりか…。同じ水溜まりでもこういう草深い地点での水溜まりはいただけません。もちろん物理的な障害にはなりませんが、気持ち的にいい気分ではありませんね。こういうのは。
■で、両脇から藪が迫った草深い藪区間をしばらく進むと、やがて尾根筋の開けた光景が現れてきます。藪もここでは落ち着いてダートもいたって走りやすかったですが、雰囲気的にはどこか本州離れした北の地を思わせる荒涼とした趣に。冬場には雪嵐の吹き狂う場所柄か、それとも東北太平洋岸に吹き付ける「やませ」の影響であるのか、立ち枯れた樹木やねじけたような低木の灌木が目立つ景色が展開、寂寥感漂ういかにも寒々とした(最上段の画像を参照)感じでした。ただし、それはそれで味わい深いものあるので、このような淋しいシーンも好むところです。
→周囲を眺める!
■こういう大きく開けた荒涼とした林道沿いの光景はおそらく標高のある尾根筋ならではなのでしょう。同じ下北でも山裾や中腹を巡るほとんどの林道沿いでは常に鬱蒼とした森が展開しており、このような景観が見られる林道は他にはちょっと無いと思います。
→周囲を眺める!
→探索中止…
→さらに南冷水線を進む!