No.AO-064
太右ェ門沢線 |
■佐井村 ■全線ダート ■接続→橋掛沢線 ■橋掛沢線から分岐して山中に延びる |
路面的には穏やかだが、視界に入るのは幽暗さの漂う濃厚な森の緑のみ |
……こんな感じ…… ■県284号線上に入口のある橋掛沢線から分岐する支線ピストンで、付近に位置する「流家戸山(336.4m)」の山頂付近の脇を抜けて奥山へと延びる。コース的にはほとんど勾配を感じられない平坦路が続き、路面的にも穏やかで走りやすい1本と言えるだろう。ただし、道すがらに展開する森はかなり濃密であり、展望などは望めず目に入るのは濃厚な緑のみ。そのような状況なので、この太右ェ門沢線では快晴に恵まれれば森林浴気分が、生憎の天候であれば幽暗さが味わえる。下北の自然色豊かな森林の雰囲気をダート走行と併せて存分に堪能したければ入線してみることをお薦めするが、その終点まで進んでみてもとくに何があるというわけでもない。 |
■通称あすなろラインこと県284号線から延びる橋掛沢線をたどって進むと、その途中左手に入口がある太右ェ門沢線の入口です。ピストン林道の途中から分岐する支線ピストンということで、ダート林道天国である下北を紹介する各種林道系サイトでもまったくその名の出てこない未知なる林道であり、橋掛沢線を探索したからこそ発見できた1本。事前の情報収集も大切ですが、現地に赴いてのみ知り得る林道もあるということで、さっそくその実態を探索調査してみることに! | |
■というわけで、これが太右ェ門沢線の入口の様子。立派な林道標が設置されているのですぐにそれと分かります。ちなみに、その名称である「太右ェ門」というのは人名であって本来は「太右衛門」ですが、林道標に表記されているのは「太右ェ門」。そして地図を眺めてみると付近の沢にはやたらと人名に由来する名称が付けられており、それも「仁助」とか「小太郎」、「右衛門四郎」、「重兵衛」、「善兵衛」などといった江戸時代を思わせる時代がかった名称ばかり。かつて付近の山で活躍した凄腕猟師などの名前だと思われますが、彼らもまさか自分の名が後世で林道名にまでなるとは、さすがに思わなかったでしょうね。
→橋掛沢を眺める! |
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■橋掛沢を跨いでその先へと延びる太右ェ門沢線のダートを進みます。昨夜から今朝方まで降り続いた雨が止んだため、こうして林道探索にいそしんでいるわけですが、そこは気象の変化が著しい山深い山中のこと、時折思い出したかのように雨粒が落ちてきます。 | |
■さらに前進すると、これは路面を流れた雨水によるせいなのか、なぜかそこだけ砂地に覆われた区間がありました。太右ェ門沢線は希薄とはいえ全く車両の通行がないわけでもなく、極希には関係車両が通行しているようですが、雨によって路面を均すような感じで薄く堆積した砂地は、車両の通行の痕跡であるタイヤ跡を完全に消し去っています。 | |
■一見すると、そのようなこともないように見えますが、少しでもスピードを上げるとシャシャ〜っと水跳ねのするダートの状況。ここまでのところ水溜まりの発生はみられませんが、路面はこのような感じで常に濡れていたっけ。 | |
■ダートは雨水で完全に濡れた状態にはありますが、太右ェ門沢線の路面が土質でなかったのは幸いでした。そうであったら、ここはもうグチャグチャで厄介な状況になっていたかもしれません。どうやら太右ェ門沢線は多少の降雨でも大して労せずに走行できるまともな林道であった模様。
→景色を眺める! |
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■立地的には恐ろしく山深い山中に延びてはいますが、コース的には穏やかでいわゆる林道的な険しさの感じられない太右ェ門沢線。そんな中で差しかかった危険区間がここでしょうか。いかにも脆そうな砂岩っぽい地肌の露出した崖区間が現れました。でも崖には雑草の茂りがみられたことから、ここ最近は安定しているようですね。 | |
■「廃小屋だ!」両脇を常に深い森の薮に囲まれているため、生い茂る緑以外には何も望めない状態が続きますが、そんなダートをさらに前進すると、右手路肩の薮に埋もれる形で朽ちかけたプレハブ小屋がありました。林業関係の休憩小屋か、資材小屋の類であると思われましたが、ご覧の通りボロボロに荒れ果てています。 | |
■そして再び崖際区間を通過。今にも壁面がもっさりと崩れてきそうな危うさがあり、ここはよく崩れるのか、路面には堆積した砂礫を取り除いた痕跡が見受けられました。そして崖上からせり出して茂る草木の塊が頭上に覆い被さるように圧迫感を与えてきます。 | |
■「うはぁ…?!」その後さらにダートをたどって前進すると、一見して落石とは無縁のように見える地点にて、あからさまな丸い巨大岩石が。まるでアクションゲームでプレイヤーのライフを削るべくいきなり襲ってくるトラップのようにも思えますが、林道ではこういうことも起こるんですね。 | |
■平坦路続きでコース的には穏やかに見える太右ェ門沢線ですが、やはりここは深山地帯に延びる林道です。見かけとは裏腹に何が起きるのか分からないので、徐々に雨水を含んでブヨブヨ感を増してきたダートを慎重に進んでいくと…。 | |
■一面に雑草がはびこり、雨水によって湿地状態と化したエンド地点の小さな回転場に到達。その狭い空間は隙間なく完全に草木に囲まれていて視界は全く聞かず、かなり閉鎖的な状態にありました。しかも雨水でヌチャヌチャとなっている状況では、まったり落ち着いて完走後の一服を付けるわけにもいきません。雨天直後に深山のピストンを探索すればこういうことになると独り納得、早々に今来た道を引き返して太右ェ門沢線の探索はこれにて終了です。
→探索終了! →引き返して橋掛沢線に向かう! →路面を調べる! →振り返る! |