冷水沢林道 / Hiyamizusawa |
林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 探索日 2018.08.14 / No.AO-102 |
[ 所在地 ]五所川原市 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ]相内川林道 [ 分岐林道 ]- |
相内川林道から接続してさらに深山地帯へと進むが、草深さも増してやがてダートは自然回帰 |
青森県津軽半島の十三湖に注ぐ相内川の上流、太田川伝いに延びる相内川林道を探索中に発見した冷水沢林道起点です。しかし発見したと言っても、相内川林道が途中でなぜか冷水沢林道と名を変えている地点に差しかかっただけのこと。つまり最奥の末端地点間で1本の林道だと思っていた相内川林道がここで冷水沢林道になっていただけなんですね。ちなみに左折しているのは付近の古い分収林看板記載の地図には嘉郎林道と記されている「木無岳(きなしだけ / 587.4m)」への登山道入口で、分岐に設置されている林道標は相内川林道のもの。ちと紛らわしいですが、直進側が冷水林道であることを示しているんですね。
→ 林道標(相内川林道)を眺める! |
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というわけで相内川林道からそのまま道なりに冷水沢林道に乗り継いで探索開始。そして肝心の冷水沢林道の林道標はというと、乗り継ぎ地点から10数メートル先の右路肩に設置されているのを発見しました。やはりここから先は冷水沢林道で間違いないようです。
→ 林道標(冷水沢林道)を眺める! → 振り返る! |
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入線直後に路面を覆っていた大きな水溜り。路面の窪みに雨天時に降った雨水が集まってしまい、いまだ乾ききらずに溜まり続けていたようです。なんだか出鼻を挫かれた思いですが、路肩部分は酷くにゅるにゅるな泥濘状態。スリップ点灯が怖いのでざんぶと中央突破でやり過ごしておきました。林道ではバイクの泥汚れを気にしたところであまり意味ねーし。 | |
見た目にも美しくワダチラインがくっきりと刻まれていた冷水沢林道のダート。両脇は立ち入る隙間のないほど猛烈に藪が繁茂して鬱蒼感も申し分なかったです。でも、真夏の快晴日だと言うのに、路面は若干土質っぽくて湿り気を帯びた状態だったかな。 | |
冷水沢林道を道なりに進んでいくと、ワダチ部分に乾き切っていない小さな水溜りがたまに現れます。そういう地点はトロトロな泥濘状態になっているので避けて通りますが、ここでは車両が反転した痕跡を発見。深く刻み付けられたタイヤ跡が路肩の泥をこねまくっていましたが、よく見るとここはすれ違いの待避所のように路肩の藪が払われていました。 | |
大雨が降るたびに路面の砂利が洗い流され、また鬱蒼とした樹林で陽当たりが悪いのか、年中乾ききらない土と砂利が混在したような路面状態が続きます。おかげで草むらから生じるムワっとした草いきれと熱気で深い指数も高かったですが、林道沿いの右手の崖の下には、木々の隙間から太田川の澄んだ流れが見えていました。
→ 太田川を眺める! |
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特に問題もないまま順調に冷水沢林道をたどって進みますが、途中で立派なブナの大木を見かけました。見上げると首が痛くなるほどの高さでしたが、伐採せずにわざわざ残しておいた樹でしょうか? しかし、日本人は「最後の1本は・・・」とういうのが好きなんだよな〜。林道でもポツンと1本だけ残されたこのような大木をたまに見かけます。 | |
前進するにつれて路面の砂利は姿を消して土質ダートへと変化していく冷水沢林道。太田川の流れに沿って進んでいることは承知していますが、道すがらに流れは見えておらず、具体的な現在地は不明。やがて太田川支流の「椰子の沢」を跨ぐコンクリ橋が現れますが、そんなの手持ちの件別地図や地理院地図にも載っていねーし。
→ 椰子の沢を眺める! |
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椰子の沢を跨いでさらにWRを進ませますが、やがて路面状況が怪しくなってきました。雨天時に林道は濁流の沢と化し、流水が路面を洗堀してしまったのか、ボコボコでガタガタな状態に・・・。しかし、いよいよ山奥のそれらしくなってきたぜぇ。 | |
両脇の藪に圧迫されて次第に幅員も狭まり、徐々に規格ダウンしていくダート。今のところ走行的に問題はないですが、雰囲気は作業道チックなものへと変化していきました。車両の通行の痕跡は薄く、立ち入る車両はキノコや山菜採りの軽トラくらいなものでしょう。
→ 路肩を調べる! |
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「?!」さらに深部へと冷水沢林道を進んでいくと、ずらっと丸太が一面に敷き詰められた区間が出現! それは日本の林業でかつて用いられていた「木馬道(きんまみち)」と呼ばれた木材搬出路を彷彿とさせました。木馬とはソリのような荷台に木材を載せて丸太の上を滑らせて運ぶ方法ですが、たぶんこれはドロドロな路面の走行対策としての処置だと思われます。ガタガタとした振動がえらく大きかったですが、ここは楽しかったですよ。 | |
木馬道区間を過ぎてその先に進むと、幅員が膨らんだ回転馬らしき地点に到達。土場跡というわけでもなくて、山中にポッカリと開けたなにもない場所でしたが、たぶん冷水沢林道に立ち入る車両の回転場になっているみたい。林道の道筋はさらにその先へと続きますが、車両の通行は途絶してここが事実上の終点になっていたんですね。 | |
現状としては回転ば地点が事実上の終点となっているようですが、冷水沢林道本来の道筋はカーブしてその先になおも続きます。しかし、ダートは猛烈な藪の繁茂によって完全に埋没していました。林道標の設置された起点からどれほど進んできたのか不明ですが、地理院地図に記載されている二股の分岐がいまだ現れていないことから、林道の道筋そのものはまだまだ先が長いと思われます。通常ならば即座に引き返すパターンでしたが、ここはひとつその先を徒歩で偵察してみることにしておきました。
→ 景色を眺める! |
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というわけで徒歩にて偵察開始。しかし、道筋は繁茂する藪に覆い尽くされて足の踏み場もなかったです。地面の土も見えていませんでした。これまでの林道探索での経験上、藪に埋没した林道でたまに遭遇する展開として、その先で藪が引けて状況が好転することもあり得るのですが、今回ばかりはそれもあまり期待できない状態かと・・・。 | |
ワサワサワサ・・・。ベトベトなクモの巣や気持ち悪い虫を払いながら、屈強な藪を踏み分け掻き分けて進みますが、ダメだこりゃ。その先には道筋の痕跡すら確認できず、ダートは完全に自然回帰している始末でした。推測ですが、近年、全国的に多発する集中豪雨によって土砂崩れや路面崩落が発生。この先どこかで林道は分断されたのだと思います。しかし、山奥のピストン林道の復旧にまではとても手が回らず、そのまま放置が続いて事実上の廃道化というわけですなぁ。ここを進んで行くのはさすがにWRでも無理くさいな。 | |
偵察の結果、その先で藪に埋もれた状況が好転する兆しも見えず、冷水沢林道は絶望的であると判断してWRまで引き返します。そうとなったらこの場所にもう用はなく、すぐに林道退出を図って探索終了ですが、それにしても地理院地図記載の二股分岐が気になりました。具体的には二股分岐のどちらが冷水沢林道本線なのか、そして分岐の片方は名のある支線林道になっているのかどうかについてですが、それを確認するにはテント担いで延々と藪漕ぎしていく必要があります。でも、いくらなんでもそこまで頑張る気は微塵も起きなかったぜぇ!
→ 探索終了! → 引き返して相内川林道に向かう! |
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