No.C-130
志駒線 |
■富津市 ■半ダート ■「志駒」地先から山中に延びる |
房総ならではの密林じみた雰囲気と連続する素堀が魅惑のピストンダート |
……こんな感じ…… ■志駒川源流沿いに延びるピストン林道。昼なお暗くジャングルじみた森の奥へと延びるダートは湿った土質で、場所によっては雨天後などにヌタヌタとなることも。ただし、コース的には全線ほぼ平坦路が続くので、区間的な藪の繁茂およびヌタを除けばこれといった難所はなく、ここは意外と走りやすい。深い森の中に延びる林道のことゆえ、沿道で目に入るものは密生した緑のみで眺望などは望めないが、それを補うように途中には4本もの素堀隧道が存在。周囲の密林ムードと併せてそちらも楽しめる。その山深さゆえ常に草むした路面ダートは閉塞感が漂い、人によって好みの分かれるところだが、それがまたいかにも房総林道らしいともいえるだろう。 |
■富津市の定番的なダート林道の走行ルートとしては田取線から山中線方面へと乗り継ぐケースが一般的で、休日にはちらほらとオフライダーの姿も見かけますが、そんな定番ルートのすぐそばに位置しているのがこの志駒線です。その起点は田取線入口前のT字路を直進した先の地点にありますが、わざわざ立ち寄って志駒線へと乗り入れる林道ライダーはあまりいない模様。ちなみに林道標の立つ起点はこの先になりますが、ダートは起点の数十メートル手前から始まっています。 | |
■田取線入口前からの幅狭な舗装路がダート化すると、やがて行く手にお目当てのひし形が! ここは民家など無かろうと思われるような淋しい山間部の谷間ですが、「奥井沢」地区というらしく、それでも民家が一軒のみ存在。その庭先をかすめるようにしてワダチダートは山中へとさらに延びています。ちなみに、民家では犬を2匹放し飼い状態で飼っているので、林道標のそばで立ち止まってウロウロしていると感づかれて激しく吠え立てられてしまうかもしれません。
→振り返る! |
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■確か、放し飼いの犬はビーグル犬だったと思いますが、構っていると住民の方が怪しんで様子を見に来るかもしれないので無視して早々に先へと進みます。民家脇を抜けると、荒れ地と化した田圃の脇をまるで農道のような畦道状のダートが続いていましたが、こんな場所に滅多に車両の通行はないらしく、路面はフカフカ状態になっていました。 | |
■フカフカとして次第に草深さを増してくるワダチを進むと、やがて前方に白い建物が見えてきました。「ここにも民家が?」と思われましたが、見たところ物置くさい空き家で半ば廃墟状態に。それにしても人が住むには酷すぎるので、やはりこれはただの物置かもしれません。 | |
■振り返るとこんな感じです。物置とも空き家ともしれないその周辺は物捨て場と化しているのか、廃車や粗大ゴミ系の物が乱雑に置かれていました。山間の淋しい場所柄もあって、ここは見るからに厭世観の漂うなんとも投げやりで陰気な場所に…。 | |
■そして空き家の先のダートはこのように。今にも雑草に埋もれてしまいそうな道筋が谷間の奥へと延びていました。一応、ワダチがあるので死んでいる(廃道化)しているわけではありませんが、車両の通行は極めて希といったところでしょう。 | |
■あちゃ〜。なんとも心細いワダチをたどってさらに進むと、路面に覆い被さるような激しい藪の繁茂が。ピストンではよくある見慣れた光景とはいえ、先の思いやられる状態でした。 | |
■でもご安心ください。一瞬、藪に埋もれて自然消滅系かと思われたダートですが、藪の茂りの酷い箇所は部分的だったようです。その先には、このようにちゃんとダートが続いていました。 | |
■「ほう、これはこれは!」一面の濃い藪でジャングル状態と化している谷間を進むと、やがて前方にコンクリ橋とお約束の素堀隧道が現れました。コンクリ橋で跨いでいるのは志駒川で、志駒線のダートはここから川筋に沿ってその源流部へとさらに延びています。ここまでは陰気な谷間の荒れ地を抜けてきましたが、以降は薄暗い密林状態の山中を進むことになり、ジメジメとして決して明るい雰囲気ではありませんが、それでも自然色豊かな房総の密林の景観を堪能できることでしょう。
→志駒川を眺める! |
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■天井からぴちょんぴちょんと滴る水滴を受けつつ、その雰囲気を味わいながらヌタヌタな隧道内部をゆっくりと進みます。密林状態の森の眺めも、こうして素堀内部から眺めてみると何とも味わいがあるものですね。 | |
■素堀を抜けると路面は雨天直後のような一面びちょびちょ状態に。でもこれは雨が降っていたわけではなく、崖から大量に滴る清水によるものです。おかげでダートはチュルチュルとしてかなり滑りやすくなっていました。こんな場所で転んだら泥まみれになるのでそれなりに注意を払います。ちなみに、この地点のみ僅かながら路面はコンクリ舗装済み。 | |
■先述の清水によるびちょびちょ区間を進むとその先で再び素堀隧道が。入口は左カーブ地点に位置しているため、手前からは中の様子や出口は全く見えません。蔦草が垂れて緑に苔むした年季の入った入口が何とも味な雰囲気です。やはり房総林道はこうでなくちゃね! | |
■入口正面から眺めた素堀内部はこんな感じです。やっぱりここにもヌタヌタとした土が堆積しており、加えて底の見えない水溜まりも存在。水溜まりは深さが分からないし、かといってそれを左右に避けるとてんこ盛りの泥へと突っ込むことになるのでライン取りに迷いますが、長さが短いのでさほど気にしなくても大丈夫でしょう。 | |
■2本目の素堀を抜けるとダートはまた藪むしていました。行く手はワダチが完全に雑草に埋もれてしまい、この先まだ進めるのか何とも怪しい状況ですが、どうやら部分的に藪が繁茂しているだけみたいです。なのでそのまま前進してみると…。 | |
■前方には「この先路面崩壊のため通行止」と記された超簡易的なバリケードが。ここまで来てそれはないだろうと思われましたが、まさかそこにウソの告知が記されているということもあるまいし、ふむ、ここは一体どうしたものか…。
→さらに志駒線を進む! →探索中止… |