探索日 2009.09.20
No.F-074

広沢線 ■檜枝岐村 ■半ダート ■分岐→大ヨッピ沢線・赤岩支線
■R352号線「赤岩平」付近からR352号線「小沢平」付近とを結ぶ

 極上ダートで奥只見の山深さを存分に堪能できる半周回の完抜け林道!  

 ↓広沢線の見所はやはり湖岸区間。眺望こそ望めませんが、奥只見の深山さを
 堪能できる総じて雰囲気の良い1本です。会津に来たらここはぜひ探索を!


……こんな感じ……
■新潟県との県境付近の奥只見の山中に延びる完抜け林道。 アプローチはR352号線からで、山中を巡って再び国道に戻る半周回コースとなる。そこにはかなりの山深さがあるものの、高所を行き峰越えする山岳林道とは趣が少々異なり、意外なほどその行程はなだらかで林道的な険しさはない。路面は砂利、土質区間があるが、共に固く締まって走りやすく、それゆえ、沿道に展開する自然色豊かな鬱蒼とした山中の雰囲気を気軽に楽しめるだろう。道すがらの眺望的なものは全く望めないが、赤岩平側に現れる奥只見湖の湖岸沿いに走る区間は最高に気持がよい。延長距離、雰囲気共に十分でダートランを満喫できるが、入線前のガス補給だけは忘れずに。

■山国である会津の林道はどれも深山とした雰囲気が漂っているものですが、その中でも奥只見湖上流部の新潟県との県境付近に延びる広沢線は、その入口からしてすでに人里離れた山深い雰囲気が特に濃厚です。 ここはR352号線「赤岩平」地区側の入口ですが、赤岩平は地図上にのみ名が残された廃村であって、ここに人の気配は全く無し。ご覧の通り付近には廃業したと思われる民宿の廃墟があるのみで、このような淋しい地点から広沢線のダートは開始しています。
■国道から入口を眺めてみるとこのように。ただ一筋のダートがいかにも山深い森の奥へと分岐しているだけで、特に標識もないようです。頭ではここが広沢線の入口であることは分かっていても、初めて現場にやって来ると「広沢線は本当にここでよいのだろうか…」と心細く思ってしまうかも。でも初探索する林道では不安を感じるぐらいの方がかえって楽しめるので、それはそれで突入前の雰囲気としては何ともいい感じですよ。
→入口を振り返る!
■国道からダートに突入、前方に見えていた左カーブを曲がるとすぐに橋梁が現れました。橋上の欄干部分に土が堆積、そこに雑草が生えているので遠目にはあまり橋らしく見えませんが、これも山中の林道ではよく見かける光景かと。ここでダートは只見川を渡り、奥只見湖方面へとしばらくは川辺に沿って下って走ることになります。
→只見川の流れ(左手)を眺める!
→只見川の流れ(右手)を眺める!
■只見川の流れを渡って左に折れるとそこにはかようなストレートが! 位置的にはすぐ左手に只見川が流れているのですが、あいにく木々が視界を遮って眺めることはできません。でもこのストレートはそれを補って余りある気持ち良さですよ。
■極上ストレート区間にて。コース的には直線ですが、このように屈んでみると分かりますが、路面は軽くアップダウン伏しています。なので、ハイペースで走行すると起伏地点でフワッと身体が持ち上がる心地よい感触が楽しめました。これだけ見通しの良いストレートで飛ばさなけりゃ、それはもうウソですね!
■このように心地良い直線区間ですが、それでも沿道の森が杉やヒノキの樹の植林地帯であったならば、若干の興醒めとなるところですが、周囲はご覧の通り広葉樹の自然林が広がっています。中には相当樹齢のありそうな古木も点在しており、森林浴気分で雰囲気的にも申し分ありません。路面良し雰囲気良しでまさに正統派というにふさわしいダートでしょう。
→左手を眺める!
■そして進むにつれて左手の樹木の茂みが薄くなってくると、奥只見湖の眺めが望めるようになって広沢線最大の見所である水辺のダート区間が始まります。この地点ではまだ湖面は茂みの影に隠れがちですが…。
→左手を眺める!
■さらに進むと、やがて道すがら奥只見湖最上部の幅広な川のような湖面が望めるようになってきます。ダートは湖岸の水辺に沿って崖状に延びており、爽快感と共に景観的にもこれは抜群! ここは間違いなく広沢線最大の見せ場区間ですよ。
→湖面を眺める!
■奥只見湖沿いの極上ダートにて。林道で景観的に優れている箇所といえば眺望のきく高所と共に、沢筋や川沿いコースが挙げられるように、「水辺」と林道とは実はとても相性が良いんですね。
→湖面を眺める!
■奥只見湖はその最上流部でY字に別れており、下流部から眺めると右手からは只見川が、左手からは大津岐川が注ぎ込んでいますが、この地点はちょうどY字の合流地点です。ダートはここで進行方向右手に180度反転、以降は大津岐川沿いにその上流部を目指すコースとなって、素晴らしい湖岸沿い区間は終了。これより先はなだらかな登坂コースに変化します。
■奥只見湖に別れを告げると今度は大津岐川沿いに進むことになりますが、それは地図上でのことであって、残念ながら実際には川の流れはほとんど眺めることはできません。鬱蒼とした樹木に囲まれた山中を延々とたどっていくことになります。ただ、途中でこのような直渡りの小さな沢の流れが数カ所で現れるだけです。
■ただし、大津岐川沿いに少し進むと川岸へと降りる左折分岐が現れます。その先には特に何があるというわけでもなく、探索時には釣り師の乗用車が1台止まっていただけでした。試しに入ってみても支線というほどの長さでもなく、ほんの数十メートルで川岸にたどり着いてしまいます。
→周囲を調べる!
■川岸へと降りる分岐地点を過ぎると周囲の森の雰囲気は樹海じみた濃厚なものに。上空が開けているので暗さは感じられませんでしたが、密生した樹木以外には何も見当たらず、ここでは相当な山深さを実感できるでしょう。一筋のダートだけが頼りといったところです。
■「あ、家だ!」こんな山深い山中に人工物などないと思っていましたが、なんとダート沿いに白いコテージが! しかも山中でたまに見かける廃屋じみたあばら屋ではなく、敷地の柴はきちんと刈り込まれており、まるで英国の湖水地方(?)にでも立っていそうな小ぎれいなものでした。そういえばここまでの道沿いには電柱が立ち並んでいましたが、それはここにつながっていたんですね。どなたかの冬場以外の別荘なのでしょうが、林道探索的にはなんとも良い場所に立っているもので、こんな所で一泊してみたいなぁ…。
■コテージを過ぎると道沿いの電柱もそこで途絶えたようで、以降は人工物も姿を消して人気の途絶えた全くのの山中を行くことになります。路面的には特に問題はないですが、両路肩に迫る密生した草木の壁からその山深さがうかがい知れるでしょう。一歩道筋から外れれば即遭難しそうです。
→さらに広沢線を進む!
→探索中止…