塩田(大沢)林道 / Shioda(osawa) |
林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 探索日 2009.10.10 / No.F-183 |
[ 所在地 ]いわき市 [ 状態 ]完抜半ダート [ 接続林道 ]永井川前林道 [ 分岐林道 ]- |
林道そのものは平凡なれど、途中の民家の軒先をかすめる「大沢集落」通過地点が特徴的 |
磐越自動車道いわき三和ICから高速と平行して延びる県66号線を小野新町方向に進むと、差塩PAの少し手前の三和町差塩「大久保」地区に新常磐交通の大沢バス停がありますが、そのすぐ脇にある塩田(大沢)林道の起点にやって来ました。田圃脇の何気ないこの地点が林道入口ですが、常に未知なる林道を求めて走り回っている林道ライダーならば、路肩にぽつんと目立つことなく立っている林道標に気がつくと思いますが、バス停以外に目印はないため、普通に県道を飛ばしていると見過ごす可能性が大きいそんな入口です。
→ 起点の様子(いわき三和IC方向 / 前方)を眺める! → 起点の様子(小野新町方向 / 手前)を眺める! |
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そんな感じで全く目立つことのない塩田(大沢)林道の起点ですが、実はこの林道は終点で永井川前林道に接続しており、探索時は永井川前林道からアプローしたのですが、林道標は県道からの起点にしか存在していません。よって、当初は「林道」もしくはただの田舎道なのかの区別がつかず、永井川前林道側から県道まで完走してみて名のある林道だと判明した経緯があります。そしてその直後に二度手間で今来た道を引き返しつつ撮影していったのがこの時の探索記録というわけ。「我ながらようやるわ」と苦笑するしかないですが、当方の林道探索の所要時間が一般林道ライダーのそれよりも多くかかってしまうのは、時としてそんなケースがあるからです。というわけで、塩田(大沢)林道の探索報告は県道側からスタート!
→ 周囲を眺める! |
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前置きが長くなりましたが、いざ塩田(大沢)林道へと入線します。しかし、路面はご覧の通りアスファルト。なぜかといえば、林道名にもなっている「大沢」集落が途中にあるため、ここは生活道路も兼ねているからなんですね。 | |
山林内の斜面を僅かに緩く登って進みます。道すがらにはスギやヒノキの植林と広葉樹の自然林とが入り交じり、景色的にはよくある山間部の森の景色といったところでしょうか。路面が鋪装されているのでとくに感じる所もないまま進みます。 | |
起点と終点とでほとんど標高差がなく、基本的には平坦コースの塩田(大沢)林道ですが、途中1カ所だけヘアピンカーブの下り区間が現れます。進むにつれて登っていくのが林道ではよくあるコース展開ですが、ここで山間部の窪地のような地点を通過するため、いったん窪地の底へ降りてから再び元にの標高へと戻る、すなわち「凹」のようなコースです。 | |
そんな感じで特に気になるものもないまま進んでいくと林道右手に水田が現れ始め、やがて前方に民家が見えてきます。これが先述した林道名由来の「大沢」集落。林道沿いに集落があるため、路面は鋪装されていたんですね。周囲はさほど山深い雰囲気でもありませんが、「このような山間部に民家が!」と驚いてしまいます。まるで隠れ里みたい! | |
そしてなによりも塩田(大沢)林道が徴的なのは、ここで林道が民家の軒先をかすめて延びていること。福島県の民家の軒先を通る林道としては、楢葉町の乙次郎林道がよく知られていましたが、それとそっくりです。そして乙次郎林道と同様、人様の軒先で撮影するのは大変気まずかったですが、そこは強気で決して遠慮しませんぜ! 幸い、住民の方が何事かと不審がられて顔を出す事はなかったですが、放し飼いの黒犬に吠え立てられてしまったのは仕方のないことか! でも林道のこのようなシチュエーションって面白いです。 | |
探索時は小雨がパラつく空模様で洗濯物はなかったですが、もしも天気が晴れで下着でも干してあったならば、物干竿の前での撮影はかなり不審な挙動だったかも・・・。しかし、言い訳を許してもらえるならば、ちょうどその地点が塩田(大沢)林道のダート開始地点だったんですね。これはもう背に腹は代えられぬ不可抗力的な状況だったと言えましょう。もちろん、その直後に林道ライダー専用アビリティ「とんずら」を発動したのは当然だったな。 | |
というわけで、大沢集落の民家前からお待ちかねのダート区間がスタートします。その後少しの間は山間に開かれた水田伝いに進む、どこか農道チックな趣が漂います。行く手に赤い屋根の家屋が見えており、帰宅後に地理院地図を眺めてみたところ、集落は林道伝いに数軒あるよう記載されていますが、人が住んでいるのは軒先をかすめたあの民家だけのような気がします。他はみな移転してしまったのか、「集落」といっても実際は淋しい一軒家状態。
→ 地理院地図を眺める! |
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阿武隈高地の淋しい山間部に開かれた水田。林道は稲が黄金色に実った田圃の脇をくねくねと進んでいきますが、秋の田圃にしとしと降り注ぐ霧のような小糠雨の光景にいい知れない寂寥感を覚えます。今は大沢の集落も一軒家となってしまい、明るい農村バリバリな集落最盛期の頃の面影はありませんが、それこそ昔は村人総出で稲刈りをしたんだろうなぁ・・・。 | |
林道沿いの田圃が途絶えると、ダートは霧雨模様で薄暗い山林の中へとアップダウンを繰返しつつ進んで行きます。県道〜大沢集落までは生活道路も兼ねていますが、その後の区間は人気もなくて実に淋しい限りな雰囲気に・・・。路肩の斜面はみるからに脆そうな砂岩質で、風雨で浸食されて崩れた砂がもさっと堆積していたんだっけ。 | |
しかし、塩田(大沢)林道の延長距離はさほど長くもなくて、やがて前方に右手から現れる永井川前林道との合流地点が見えてきます。起点の林道標の文字がかすれていたので、正確な長さは不明ですが、およそ全長2キロ弱といったところでしょうか。 | |
永井川前林道経の合流地点、すなわち塩田(大沢)林道の終点に到着しました。しかしここに標識類はなにも設置されておらず、林道を示す林道標がないので永井川前林道経由で初めてやって来ると、「ここはどういう道なのだろう?」と思ってしまいます。 | |
終点を振り返るとこのような状況でした。探索当時はこのようにダート林道同士が合流していたのですが、その後、永井川前林道は舗装化が進み、現在(平成30[2018]年)は永井川前林道の舗装路に塩田(大沢)林道のダートが合流する形になっています。というわけで大沢集落の民家の軒先をかすめるシチュエーションが特徴的な塩田(大沢)林道の探索は終了。なお、終点で永井川前林道を右折すると三和町下永井「火沢」地区に至りますが、左折側は現在もなお行き止まりとなっています。
→ 探索終了! → 現在(平成29[2017]年12月)の様子を確認する! → 永井川前林道に突入! |
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