永井川前林道 / Nagaikawamae 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2017.12.29 / No.F-182 
 [ 所在地 ]いわき市 [ 状態 ]ピストン半ダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]塩田(大沢)林道
 足かけ9年がかりで探索中、舗装化はされても未だ延長工事中が続く完抜予定の林道

わき市三和町を通る県135号線を「明神平」で折れて「軽井沢」集落を目指し、そのまま通り過ぎると「火沢」集落を通りがかりますが、そこで発見したのが「永井川前林道」の真新しい林道標。実は平成21(2009)年にも永井川前林道を訪れているのですが、当時は林道標がどこにも存在していませんでした。ゆえに林道だとは思わぬまま立ち入った記憶がありますが、今回、林道の証の設置を確認したことを受けて、数年ぶりに立ち入ってみることにした次第。ちなみに永井川前林道が開設されたのは平成16(2004)年のこと。今頃になって林道標が設置された理由はよく分かりませんが、おかげで当時はここが林道だと思わなかったんですね。
→ 林道標を眺める!
沢集落の再奥の民家脇を抜けて永井川前林道はその先へと延びていますが、路面はご覧の通り味気なく鋪装されています。いわゆる生活道路であり、そういう意味で林道ライダー的には用のない林道ですが、全く立ち入る価値がないのかといえばそうでもなくて、この林道は途中で完抜半ダートの塩田(大沢)林道を分岐しています。実は初めてここを訪れた時の目的は分岐する塩田(大沢)林道の探索だったというわけ。そのアクセスルートがこの林道です。
井川前林道の舗装路は火沢沢沿いに山林内を進みますが、路面は以前訪れた時は未舗装だったのに現在はご覧の通り。そして日影の区間では薄い積雪箇所が現れ始めます。ちょうど前々日は雪が降っていたとのことで、日影では日中も解けずにそのまま残っていたんですね。タイヤで踏みつけるとパリパリでした。
っすらとした雪化粧のほどこされた永井川前林道ですが、冬の雪の季節はいいなぁ。味気ないアスファルトも純白な雪に覆い隠されて、その瞬間だけはここが鋪装林道であることを忘れさせてくれます。しかしここ、最初に訪れた時は未舗装だったのですが、しばらく訪れずに目を離していたら、いつの間にやら舗装化の波に飲み込まれていたようです。
ャシャ〜。四林のタイヤ跡部分は圧縮されて凍っていることが多いので、そこを避けて雪に覆われた部分をゆっくりと走行しますが、積雪走行は実に久しぶり! 同じ林道でも積雪の頃の風情は、ビジュアル的にも普段とはまた一味異なったオツな味わいがありますよ。
して差しかかるのがこの分岐地点。すなわち、先述した塩田(大沢)林道の左折分岐であり、直進方向が永井川前林道となっています。ここで塩田(大沢)林道へと進むと「大沢」集落を抜けて県66号線へと抜けられ、ダート区間もまだ(平成30[2018]年時点)残存しているので、正統派のダートオンリーな林道ライダーの方はここで左折することをお勧めします。ただし、その後の永井川前林道がどのように変化しているかの確認もあるため、ここはそのまま直進しておくことにします。あーそれから、ここに林道標は設置されてないので念のため。
→ 塩田(大沢)林道の様子を眺める!
→ 過去(平成21[ 2009 ]年)の分岐地点の状況!
→ 塩田(大沢)林道に突入!
装路なのに砂地ダート。支線林道を分岐してさらに火沢沢の谷間沿いに続く永井川前林道をたどって進みますが、夥しい砂がもっさりと厚く堆積した地点がありました。土砂崩れではなくて、大雨時に路面を伝って流されてきたものと思われます。
→ 過去(平成21[ 2009 ]年)の路面状況!
の辺りは地質的に砂岩っぽいのか、所々で砂の堆積した箇所を眺めつつ進んでいくと、いきなり鋪装が途切れてその先に土壁が!
事かと土壁に近づいてみると、なんと、そこでぷつりと道が途切れて完全な行き止まりになっているじゃないですか! しかしピストンならばお約束の終点の回転場が設けられていません。でもこれはまだ延長計画の途中であった過去に訪れた時の状況。それが9年の歳月が経過した現在はどうなっているのかというと・・・?
→ その先の様子を眺める!
→ 振り返る!
お、やったぜぇ! 以前は道がぷつりと途切れて行き止まりだった地点ですが、いつの間にか切り通しで道がその先へと延びてるのを発見しました! 「永井」「川前」という林道名からも分かるように、この林道はいわき市三和町下永井火沢からJR磐越東線「川前駅」そばの県41号線とを結ぶ林道で、平成16(2004)年に着工、平成30(2018)年の全線開通を目指しているらしいですが、さすがに9年も経てばこうなります。以前はなかった林道標が起点に設置されたことから、すでに完抜けしている期待が高まりますが、それもそのはず。永井川前林道が通り抜けられると、現状、大きく迂回を強いられる県66号線〜県41号線の短絡ルートとなって、付近の林道探索がとてもしやすくなるんですね。
つての行き止まり地点を越えると、それまでの緩い登り下り坂に変わりました。登りで山を越えたらその後は下って終点に至るというのは、各地の林道でよくあるパターン。その峠はすでに越えたので、後は坂を下りきって終点を目指すのみですが、相変わらず山影の日影では積雪が見られました。登りと異なり、下りでは僅か3センチほどの積雪とは言っても、ブレーキ操作にそれなりに気を使う必要があります。
→ 過去(平成21[ 2009 ]年)の路面状況!
恨のスリップ転倒をヤラかすこともなく順調に坂道を降りていくと、突然鋪装が途切れてダート区間が出現! 永井川前林道の未鋪装区間が残存していたとは意外でしたが、ダートと言っても鋪装が施される寸前の地慣らしされた砂地路面です。純粋ないわゆる未舗装林道の天然ダートとはちょっと異なりますが、それでも味気ないアスファルトよりはマシ。
の寒さによって薄皮状態で凍結していた鋪装直前と思われる砂地ダート。右に左へとカーブを繰り返して一気に高度を下げますが、雨水によるクレバスが無数に発生中していました。前屈みとなるような急傾斜なので、林道は雨天時には沢と化してしまうのでしょう。
レバスと路面凍結に注意しつつ下っていきますが、次第に路面は林道開設直後というか、まだ開設途中であるといった感が漂ってきます。延長工事が終了したにしては路面がまだ荒削り過ぎるんですね。「ひょっとしてまだ・・・」との思いを抱きつつ進むと、路面を左右に分断するかのような土盛り箇所が出現! 明らかにそれ以上の前進を拒む処置でした。仕方なくWRを止めて行く手を眺めてみると・・・?
→ 土盛り!
、やられた・・・! なんと、急傾斜の下り坂の途中で道がぷつりと途切れているじゃないですか! 初探索からすでに9年。林道標が新たに設置されていたこともあり、さすがにもう完抜けしているだろうと思ったのにまさかの期待ハズレです。それにしても着工して10年以上経っても未だ完抜け開通していないとは、どんだけ時間をかけている? 永井川前林道の公式な開設目的は平行する県358号線(川前停車場上三坂線)の緊急時の迂回ルートなどですが、真の目的は工事をすることなんだろうな。というわけで、この林道の完抜化の報告ができるのは、まだ当分先である模様。なお、某資料によれば反対側の川前地区側からも延長開設工事が行われているそうですが、それについてはわざわざ確かめにおもむく気も起きずに未確認のまま。くぅ、9年越しの永井川前林道の探索は今回も途中で終了・・・か。
→ 探索終了!
→ 振り返る!
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