2023 東北縦断 紅葉林道探索 〜 懐かしの地を再訪せよ! 〜 10月30日(月) 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
3日目[1]  → 関川村「高瀬温泉 Takase Onsen もどる  






ガソリン給油量 8.06L 給油回数 3回 ガソリン代 1495円 総走行距離 290 km トップへもどる
もどる ][ 3日目[1][2]へ ]


お早うございますっ! ぐっすり熟睡して気持ち良い目覚めとなった東北縦断紅葉林道探索3日目の朝ですが、うわぉ、昨日の朝とは打って変わり、窓から眺めた外には雲一つない素晴らしい秋晴れが広がっているじゃないですか!







となれば、宿で朝寝坊している場合じゃないですね。1階の食堂でさっさと朝食を済ませんますが、今朝のメニューは以下の通り。

焼ジャケ冷奴シラタキとお揚げさんの煮物温泉卵ポテサラ
きゅうりのキューちゃん油揚げの味噌汁味付け海苔白いごはん牛乳

よくある日本の朝食的な献立ですが、たぶん今日も昼メシ抜きになるので、白いごはんを駆けつけ3杯でお腹にぶち込んで今日一日の紅葉林道探索に備えます。







WRを正面玄関に移動させて出発準備が完了したら2泊分の宿泊料17900円+酒代1780円を支払って鳥海荘をチェックアウトしますが、今日は山形県の「鶴岡市」山間部の林道群を再訪し、その後、新潟県「関川村」の「高瀬温泉」まで移動する予定。

まずは山形県の鶴岡市を目指しますが、今日はまたとない素晴らしい秋晴れです。日本海伝いに単調な国道を走って鶴岡市に直行したのでは勿体ないので、県131(鳥海公園小滝線 / 鳥海ブルーライン)を経由して「鳥海山(2236m)」を間近に眺めつつ移動することにしますが、まあ、それって当然ですよね。







鳥海荘を出発したら県70に向かうのではなくて、鳥海高原を縦断する「鳥海グリーンライン(市道猿倉花立線)」に入って「矢島スキー場」方向に進みます。すると「鶯川」を渡るコンクリートのアーチ架橋「鶯川大橋」が現れますが、橋上に展望台が設けられていたので、せっかくなので景色を眺めておきました。







うおおーっ、鶯川大橋の展望台から左手の南西方向を眺めてみると、そこには鳥海山のダイナミックな勇姿が! 笠雲を被った山頂付近は早くも積雪しているようで、秋晴れの青空に雪の白さが映えてとてもきれいです! そしてこれから鳥海山のあの山腹を鳥海ブルーラインで駆け登っていくのですが、でもその前に・・・。







ここで林道を1本つまみ食い。つまみ食いするのは鳥海グリーンラインから県58を結ぶ鶯川林道。鶯川大橋を渡ると600mほど先で小さな交差点が現れますが、その左折方向が鶯川林道の入口になっています。

ちなみに鶯川林道は完抜け林道です。鶯川林道を通り抜けて県58を秋田県「にかほ市」の「湯の台温泉」方向に進むと、やがて県131(鳥海ブルーライン)の入口が左手に現れるので、ルート的にも無駄がなくて申し分ないんだよな〜。







鳥海グリーンラインから眺めた鶯川林道の様子。砂利が散乱するガタガタなダートがそこから開始していますが、周囲を探っても林道標はどこにもなくて、一見さんだと「名無し系」なのか「林道」であるのかでかなり悩むと思います。

そして入口から眺めただけではその先の状況はもちろんのこと、県58へとつながっているなんて絶対に分からないだろーな。そんな鶯川林道ですが、林道では今まさに紅葉が最盛期を迎えた瞬間でした。鳥海グリーンラインから一歩林道に立ち入ると、そこは陽射しを受けて眩しいほど光り輝く紅葉で満ち溢れていたんですね。







入線直後の地点で見かけたムクロジ科のハウチワカエデですが、見事なまでに全てが黄色一色に染まっています。しかし、枝に大量に茂る葉がごちゃごちゃとして、接近して眺めても葉の一枚一枚の形がよく確認できませんなぁ。







クマに注意!
むぅ、やっぱりここでもか。テレビでは連日のようにクマ遭遇による「事故」が報道され、おりしも秋田県下ではまさにクマ出没警報が発令中だったし・・・。







入線直後の地点に設置されていたクマ注意看板に脅されますが、もちろんまったく怯むことなく鶯川林道を前進します。

ちなみに鶯川林道は「木境鳥海国有林」内をほぼ鶯川伝いに進む林道ですが、しかし、厳密にはダート入口から2.8kmほど進んだ地点から先が鶯川林道になっています。したがって、ここは正確には鶯川林道区間ではないのですが、当サイトでは便宜上、ダート入口から鶯川林道として扱っています。







おお、これは美しい! 秋晴れの陽射しを受けて山吹色に光り輝くのはムクロジ科のヒトツバカエデ。日本の固有種で産地の沢沿いなどに自生し、その名の通りカエデ(モミジ)の仲間ですが、葉はハート形をした切れ込みのない大きな一枚葉をしているのでヒトツバカエデと名付けられたそうです。

見た目はカエデ(モミジ)っぽくない形をしているヒトツバカエデ。稀に赤色に高揚することもあありますが、多くは黄色く黄葉します。そしてその葉が陽射しに照らされることで「照紅葉」と言い表される最高の美しさを見せてくれるんだよな! 







路肩の地面で見かけたムクロジ科の小さなヤマモミジの紅葉ですが、緑色から黄緑色、黄色、そして橙色から赤色へのグラデーションが得も言われぬ美しさ! 思わずかがみ込んで見惚れてしまいました。







紅葉最盛期を迎えた美しい紅葉を眺めつつ鶯川林道のダートを進んでいくと、途中で名無し系作業道の分岐が数箇所現れます。名無し系なので林道標はもちろん、道標の類はなにも設置されていませんが、路面状況から判断すればたぶん道間違いをヤラかすこともないと思います。というわけでここは右折。







ちなみに分岐の左折側はこんな感じでした。廃道化こそしていなかったものの、ワダチはフカフカな腐葉土状態で立ち入る車両も今は途絶えていると思われる状態。道すがらに見えている紅葉に誘われて立ち入ってみようかとも思いましたが、所詮ピストンであることは分かっているのでパスしておきました。







途中で見かける作業道分岐は全てパスして鶯川林道本線を順調に進んでいきますが、しかし、逆光が眩しいなぁ! これ以上ないほどの秋晴れに恵まれたのは良いのですが、林道に差し込む太陽の強い陽射しで目が眩んで仕方なかったぜぇ。







うわぉ! 鶯川林道の紅葉がこれほどだったとは! 進行方向正面からの陽射しが眩しかったですが、でもそのおかげで道すがらのブナの紅葉がこの美しさです!







太陽の陽射しを受けて眩しいほどの鮮やかさで光り輝く鶯川林道の紅葉。秋の林道はともすれば淋しく、そして暗かったりしますが、山吹色の紅葉に包まれて明るさに満ち溢れてた鶯川林道に秋の淋しさや暗さは全然感じられなかったですよ。







うひゃぁ! 秋晴れの空の青さに、燃えるような橙黄色の紅葉が映えてこれ以上ないほどの美しさを見せているブナの紅葉です! でもこれは紅葉最盛期の僅かな一瞬にだけ眺められる美しさ。紅葉がさらに進行すれば葉の褐色化が進み、鮮やかさが減じてくるため、まさに紅葉最盛期のこの瞬間だけの光景なんだよな!







紅葉の帳というに相応しく、全山燃る紅葉に包まれていた秋の鶯川林道。道すがらの紅葉の美しさはもちろんのこと、それと同時に期待していたのが林道の道すがらから眺める鳥海の眺め。というわけで、急峻な斜面にへばり付くように進むとある地点で左の路肩を眺めてみると・・・?







うおぉーっ!! 目の前にはダイナミックにそびえる鳥海山の勇姿が! しかも、雲に隠れることなく山裾まで山全体が完全に見えた状態で! 蒼空と天にそびえる鳥海山、そして山麓に広がる紅葉の森。う〜ん、最高に素晴らしい眺めだぜぇ!







道すがらに美しい紅葉を楽しみつつ、鳥海山の勇姿も眺められて最高に贅沢となった鶯川林道紅葉探索。もはや思い残すこともなくこれで成仏できそうですが、すると通りがかるのが鶯川林道の正式な開始地点。先述したように、厳密にはここから先が鶯川林道区間になっていて、それを示すかのように路肩に林道標が立っています。







鶯川林道
これがその林道標。鳥海グリーンラインのダート開始始点からひたすら進んだ先、なんの変哲のない途中地点でいきなり現れるので「?」と首を傾げてしまいますが、それは厳密にはここから先が鶯川林道区間になっているからなんですね。

なお、言葉でいくら述べても分かり難いと思うので、鶯川林道および鳥海山北麓に広がるにかほ高原の林道群詳細マップを載せておくので、このエリアを林道探索する際のささやかな参考にして下さいね。







林道標で「ここは鶯川林道である!」ことを確認した後、ようやく正真正銘の鶯川林道区間を進んでいきますが、相変わらず道すがらの紅葉がきれいだな〜。

そんな鶯川林道ですが、実は鶯川林道にはそれぞれが接続し合っておらず分断された林道区間が2つあって、現在進んでいるのはそのうちの1区間だったりします。でもここで説明すると分かり難いので、それについては後ほど説明しますね。







県58への林道出口を目指してさらに鶯川林道を進んでいくと、やがて路肩になにやら案内板が設置されているのを発見。観光客などまず訪れないこのような山中でなにを案内しているのか気になったので立ち止まって眺めてみます。







鶯川ブナ二次林
このブナ林は大正時代の後半に薪や炭をつくるため伐採したところですが、
再びブナ林として成長している森です。

現在、国有林では次代のブナ林をつくるため
母樹(種木)と中小径木を残す方法を行っていますが、
ここでは母樹を残さず伐採しました。

伐採の当時に発生していた稚幼樹と種から発生したブナで
見事な二次林に再生している様子をみることができます。

秋田営林局 矢島営林署
なるほどね〜。木境鳥海国有林と呼ばれるこの辺りの森は、一度伐採されたブナ林が再び成長した「鶯川ブナ二次林」というみたいだな。







これが林道沿いに広がる鶯川ブナ二次林。見事な紅葉が通りがかった林道ライダーの目を楽しませてくれますが、この辺りの森は大正時代(1912〜)後半の頃に、薪や炭焼きのために一度伐採されているみたいですね。その後、二次林として再び森が再生したわけですが、日本の森ってどこもそんな感じです。

もどる ][ 3日目[1][2]へ ]