2024 絶海の孤島「利島」林道探索 弾丸ツーリング 5月11日(土)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
1日目  島内探索〜民宿かねに荘! もどる  









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宿に到着。WRを駐車したらガラリと玄関を開けると奥から女性が出てきたので、女将さんかと思って到着を告げたところ、「自分も宿泊者なんですよぉ〜」の返事が。なんだよぉ、と思いつつしばらく待っていると、しばらくして今度は本当に民宿かねに荘の女将さんが出てきたので、改めて到着を告げてチェックインします。







民宿かねに荘のロビーというか、玄関を入ったすぐのところです。客室は階段を上がった二階にあって、一階には左側に風呂が、右手に食堂があったと思います。

なお、ソファーとテレビが置かれてたロビーには、親子電話の子機と電話番号の記されたホワイトボードも置かれていましたが、「誰もいない時はここに電話してください」と記されていたような気がします。







そしてこれが民宿かねに荘の客室。テレビの備え付けられた8畳和室の部屋で、座布団と小さなテーブル、ティッシュ箱が置かれているだけですが、小ざっぱりとした部屋の雰囲気は悪くはありません。窓からボ〜っと外を眺めたり、畳に寝っ転がってのんびりと静かに過ごすにはちょうどいいかもね。

ただし、客室はおろか、館内のどこにも冷水ポットとかお茶セットが用意されていないのはどんなものか・・・。各部屋に用意しておけとまでは言いませんが、せめて、ロビーに飲み水などを用意しておいて欲しかったなぁ。おもてなしの心でさ。

そういうわけで、宿に滞在中に喉が乾いた場合は洗面所で水を飲むしかないのですが、これでは夏は暑くて喉が乾いて大変だと思います。なので民宿かねに荘に宿泊する場合は、あらかじめ自販機で飲料を買っておいた方がいいですよ〜。







客室からの眺めです。開け放った窓からは伊豆諸島の大海原が一望に・・・とまではいきませんが、民宿かねに荘が立っているのは海抜78mほどの宮塚山の斜面です。集落内に茂る樹木が視界を遮っていましたが、一応、このように海が見えているので部屋からの眺めは良い部類に入ると思います。







そして窓を開け放って窓辺に座ってぼ〜っと外を眺めていると、なんだかとても落ち着きます。利島の集落内はひっそりと静まり返り、外からは物音一つ聞こえてくることもなく静かな時間が過ぎていきますが、やべえ、老い先短い年寄りじゃあるまいし、窓辺に座って黄昏ている場合じゃなかったぜぇ!







民宿かねに荘にチェックインしたのは午後4時30分くらいでしたが、日暮れまではまだ時間があるので、せっかくなので夕食前に再び島内探索へと再出撃です!

宿の夕食タイムは午後6時からとのことでしたが、女将さんに再出撃する旨を伝えたところ、「じゃあ、夕食は19時からにしておきますね」と夕食時間を遅らすことを快く承諾。夕方の西日が暑いのでTシャツ一枚の手ぶらでWRに跨がり、とりあえず客船が発着する「利島港本桟橋」の突端にきてみましたが、相変わらず海がきれいだな〜。
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桟橋の突端で振り返るとこんな感じ。利島のシンボルである「宮塚山(507.5m)」が正面にドドーンと見えていますが、これは利島を紹介するウェブサイトやブログでは必ず載せられているお約束のアングルですね。

宮塚山の山裾から中腹にかけて建物が点在しているのが集落で、こうして港から眺めると、斜面をかなり登った所に位置していることがよく分かりますが、エンジン付きなら集落から港までは僅か2、3分の距離。ただし、歩くとなると片道30分、帰りは坂道なのでそれ以上の時間がかかると思います。







桟橋の中ほどに立つ「利島港西防波堤灯台」を背後にパチリと記念撮影なんかをしてみますが、しかし、夕方の桟橋はひっそりとしていますなぁ。地元の方が数人、岸壁から糸を垂らして晩ご飯のおかずを釣っているだけでした。







ちなみに利島港には客船が発着する本桟橋の他にもう1つ「利島港西桟橋」があるので、続いてそちらに行ってみます。







利島港本桟橋から西桟橋へと移動中。西桟橋はその名の通り、本桟橋の西400mほどのところにあって、そこまで「前浜海岸」伝いに進みます。

前浜海岸はかなり強固な護岸が施された礫浜の海岸ですが、この海岸では2015(平成27)年から毎年、夏限定で人口の砂浜ビーチ「カケンマ浜」がオープンされるようになっています。美しい海に取り囲まれた島でありながら、砂浜が存在せず天然の海水浴場がない(村民プールはあり)利島ならではの涙ぐましい努力ですね。







前浜海岸から利島港本桟橋を振り返るとこんな感じ。海に向かって突き出す桟橋と、赤い利島港西防波堤灯台がケシ粒のように小さく見えていますが、本桟橋までの間のテトラで囲まれた地点に夏限定で人口砂浜「カケンマ浜」が作られるそうです。







利島港西桟橋の付け根に到着。ここにも本桟橋と同様の黄色い壁をした「船客待合所」の建物がありましたが、どうやら今は使われていないみたいです。







そしてこれが利島港西桟橋。勘の良い方ならばもうお分かりだと思いますが、これは現在、客船が発着している本桟橋が作られる前の旧桟橋なんですね。

沖に向かって桟橋が突き出しているだけの無防備な状態からも、欠航の原因となる風や波の影響をもろに受けてしまうことが一目瞭然ですが、定期戦の就航率を少しでも改善すべく、半ば防波堤で囲まれた現在の本桟橋が造られたというわけ。







やや?! 利島港西桟橋を通り過ぎてさらに先へと続く海岸伝いのコンクリ簡易舗装の道を発見しました。地理院地図には記載されていませんが、利島港の西、「大根」の岩礁がある方向に向かって延びているみたいです。







その先が気になったので、利島港西桟橋を通り過ぎてその先へと向かいますが、しかし、ここは道すがらに連なる海食崖の断崖が物凄かったです。しかも、高さが30mほどもある断崖には赤茶色や黒色をした溶岩が荒々しく露出して大迫力でしたが、そういえば利島って「火山島」だったりするんだよな。







おお、断崖は溶岩まみれ! 今にもガラガラっと崩れてきそうで怖かったですが、ゴツゴツとした形状といい、黒っぽい色といい、これは明らかに溶岩。利島を取り囲む断崖は大昔の噴火で放出された噴出物が厚く堆積してできたものですが、溶岩が露出しまくった断崖のこの断面を眺めればそれも納得です。







ん、なんだあれは!? 断崖直下の波打ち際の簡易舗装路をその後も進み、やがて行き止まりとなった末端地点が見えてくると・・・?







なんと、ど根性雑草ならぬ、擁壁を打ち抜いてそこに存在している「ど根性溶岩石」を発見! 聞いた話では、本当は岩石を切り崩して擁壁を作りたかったらしいのですが、あまりにも硬過ぎて仕方なくこのような形になったそうですよ。しかし、黒光のする人抱え以上もある角ばったゴツい溶岩が凄い迫力です!







あー、それから、擁壁から飛び出したこのような可愛らしい溶岩塊もありました。そしてどこから種が飛んできて着床したのか不思議ですが、黒い溶岩には緑色の海浜植物がポツポツと無数に生えていましたが、凄い生命力ですね。







なんじゃこりゃ。溶岩にはこのようなヘンな形をした植物も生えていましたが、これって「タイトゴメ」? タイトゴメは伊豆諸島では海岸の岩場や崖に生えているプニプニとした多肉質の多年草で、漢字では「大唐米」と書きますが、11世紀頃に中国から伝来した長粒種の米に形が似ていることからその名がついたのだそうです。

なお、タイトゴメは通常は緑色をしていますが、日当たりの良い場所や冬季はこのように赤くなることがあるそうで、5〜7月に黄色い小さな花を咲かせます。







様々なバリエーションで路肩の擁壁から突き出している溶岩塊。眺めていて全く飽きませんが、溶岩の黒さに植物の緑色が生えてきれいだな〜。







利島は主に玄武岩質の「アア溶岩」が積み重なってできた成層火山の島なので、海辺の海食崖の断崖直下では溶岩の露頭が崩れて様々な大きさ、形の溶岩が転がっていましたが、これは溶岩に含まれる鉄が酸化したのか赤茶色をしています。

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