宿泊費 / 10000円 | フェリー運賃 / 4470円 | バイク輸送運賃 / 9881円 | 有料道路代 / 830円 | トップへもどる |
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おはようございます! 民宿かねに荘で迎えた2日目の朝ですが、現在時刻は午前6時少し前。7時からだという朝食前に昨日見逃した宮沢林道の探索に出撃しようかと思ったのですが、まあ、そこまで焦ることもあるまいと早朝の出撃は急遽見合わせ。歩いて近所を散歩するだけにしておきます。
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空には今にも泣き出してきそうな鉛色の雲が一面に垂れ込めていますなぁ。こりゃあ、天気予報通り、午後は確実に雨となりそうな感じ。
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とりあえず宿の前から右に進んで「長久寺」の前を通って「利島村立利島小中学校」方向に歩いて行くと、ガードレール越しに海が見える地点がありました。
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あぁ、どんよりと鉛色に曇っているぜぇ・・・。眺めているのはちょうど利島から北北東の方角で、およそ20km離れた大島が見えていましたが、あれは雨雲でしょうか。鉛色の雲海に包み込まれた島影が僅かに霞んで見えていましたよ。海も青さが全く見られずに黒々としているじゃないですか! というわけで、今朝の利島は雨が降り出す一歩手前のどんよりとした天候でしたが、しかし、それでいながら風はほとんどない状態。したがって海はとても穏やかで凪いだ状態、これなら今日の「フェリーあぜりあ」の運航は間違いないな。 |
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でも結局小学校までは行かず、道端から海を眺めたてから宿に引き返しますが、途中、右手に「利島診療所」の白い建物(画像右端)が見えていました。 診療所の正式名称は「利島村国民健康保険診療所」で、島唯一の医療機関なので診療科目は歯科、外科、小児科、皮膚科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科を始めとして精神科と整形外科もあってかなり充実しているらしいです。もしも島内走行中にバイク転倒して怪我をした場合は、まずここに運ばれてお世話になることになります。 |
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鉛色の重苦しい雲に一面覆われていた朝の集落。早起きで外を散歩する島のお婆ちゃんやお爺ちゃんにでも出会うんじゃないかと思いましたが、しかし、集落はひっそりと静まり返って人の姿を見かけることは全くなかったです。
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民宿かねに荘の玄関まで戻ってきました。なお、昨日は気がつかなかったですが、実は中庭から集落内の別の場所に通り抜けができることに今頃になって気づきました。なので、ちょっくらこのまま中庭を通り抜けてみたいと思います。
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あー、それから中庭を通り抜ける前に玄関そばの地面のコンクリに小さな手形を発見しましたが、これって宿のお子さんのもの? 「マイ ちさき」と名前も刻み込まれていて、日付が「2013.3.3」と記されていたのでもう11年前のものですね。
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玄関の前を通り過ぎて中庭を通っていくと海が見えている地点がありました。黒々とした海の水平線上に大島が見えていましたが、空模様は非常に宜しくない状況。まあ、利島を立ち去るまで降らないでくれたらそれでいいけどさ。
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お、ここに通り抜けられるのか。中庭を通り抜けた直後にあった「天満神社」の鳥居の前を進んでいくと玉石垣のある路地に突き当たりました。しかし、抜け出た路地もまた傾斜角度のかなり強い坂道で、利島は本当に「坂道」だらけの島だと実感しますが、集落内で平地があるのはおそらく民家の庭くらいなものでしょう。
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中庭を抜け出た所にある天満神社です。祭神は勉強の神様である「菅原道真」さんで、一昔前の利島では男子が誕生すると無事の成長を願って初正月に天神様を神棚に祀り、そして毎年書き初めの幟を神社に奉納する風習があったそうですよ。
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突き当たった玉石垣の路地の右手方向です。その先は転げ落ちるような下り坂になっていましたが、民家の瓦屋根越しに海がよく見えていました。
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その下り坂になった路地から右に分岐して民間の庭先を通る細い通路。集落内では少しでも坂道を歩く距離を減らすためか、路地と路地とをショートカットするこのような狭い通路が多く存在しているようです。
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こちらは登りになっている突き当たりの左折方向。玉石垣の坂道が続いていますが、道端の建物は民宿「利島館」。今回の孤島林道探索ツーリングは初期計画段階では利島に3泊予定でしたが、なにを隠そうその3泊目の宿として予約しておいたのがこの利島館だったんですね。もちろんキャンセル済みだけどさ・・・。 しかし、利島館がこんな所にあっただなんて。こりゃあ、送迎なしに利島館を目指して初めてやって来た場合は絶対に道に迷うと思います。 |
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利島館を通り過ぎて坂道をさらに進んでみます。すると「民宿かおり荘(画像左)」があって、確かそこに自販機が置かれていたと思いますが、民宿かねに荘から最も近い自販機はここになります。ただし、タイミング悪く釣り銭切れだと購入できないので、利島滞在中は小銭を常に用意しておいた方が確実ですね。
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お、長久寺の正門がありました。長久寺の横は何度も通りがかっていたのですが、どこに入口があるのかと思ったら、こんな所にあったのか。 現在、利島のお寺は日蓮宗の長久寺のみですが、かつては同じく日蓮宗の「海岸寺」が先ほど眺めた利島診療所の敷地にあったらしいです。そして長久寺の檀家は男女共に長久寺に埋葬されましたが、それがもう一方の海岸寺では檀家の男性は海岸寺に、女性は長久寺に埋葬する「男女別墓制」であった可能性が高いのだそうです。 現在、利島のお寺が長久寺だけになった経緯としては、2つのお寺が並立していると相互に経営困難となり、双方の檀家の対立を招いているとして、1902(明治35)年に海岸寺の檀家総代で島名主を務めた人物が海岸寺を長久寺に合併させたとのこと。当時を知る人はもういないと思いますが、そんな秘めた歴史があるんだぜぇ。 |
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やべぇ! その後、近所をブラついていると雨がポツポツ降り始めてしまいました。急いで民宿かねに荘に戻ってきましたが、天気予報では雨が降り出すのは午後からのはずなのに・・・。まあ、今朝目覚めた時から嫌な予感はしていたけど。
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宿の中庭から空を眺めてみますが、うぅ、最悪・・・。まだ本降りではなくて一時的な雨だとは思いますが、結構シトシトと降ってきちゃいました。 ちなみに宿の朝食は7時からで、フェリーあぜりあの利島出航は11:10。バイク輸送の手続きがあるので9:30頃には利島港に向かわねばならず、すると30分で朝メシを食ったとして宮沢林道探索に当てられる時間は正味2時間くらい。 ただし、これはあくまで雨が降っていない場合の話。雨が止むまでの待機時間は含まれていないんだよな。最悪、このまま雨が止まぬ場合は、蒸し暑い雨具を着込んでテンション下がりまくりで雨中林道探索を決行するか、それとも宮沢林道探索を諦めて利島を去るかの二択ですが、ちぃ、なんてこった! |
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そして午前7時。民宿かねに荘でいただいた朝食ですが、あちゃ〜、あからさまに手抜き見え見えでいくらなんでもこれほど質素だったなんて! 今朝のメニュー 竹輪きゅうり(1本)、水菜添え焼きハム1枚、納豆、生卵 味付け海苔、味噌汁、白いご飯 これまで林道探索で全国各地、数え切れぬほどの宿に宿泊してきましたが、ここまで衝撃的な朝食は滅多になくて、実質的なおかずは竹輪1本と薄いハムが1枚だけ! そりゃあ、物資輸送の不便な離島なので、船便の欠航が続けば食材不足も有り得るでしょうが、ここ数日はそういうわけでもねーし。 伊豆諸島の島々の宿は、昭和のバブルの頃はなにもせずともワンサカと観光客が押し寄せたこともあって気質的に「もてなしの心が薄い」のが特徴なのですが、あはは、それが令和の時代になっても未だに残っているのですなぁ。 離島の観光振興の課題として、昔は集客人数ばかりが目標とされてきましたが、現在は状況が変わって量から質へと考え方の転換を図らなければならぬ時代。旧態依然のままではリピートはないし、イメージダウンするばかり。 ちなみに2023(令和5)年4月1日から利島では1人1泊2食付きの宿泊料金が協定料金としてを一律10000円(繁盛期は11000円)に値上げされています。物価高騰などでそれもやむ得ないとは思いますが、料金だけ上がって「もてなし度は低いまま」というのが利島の宿の現状で、そこがまず最初に改善していくべき問題とみた! |
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無情にもシトシト降りの雨は朝食後も降り続けて止みません。宿でしばらく待機していたものの、これ以上待っても雨が完全に止むことはないと判断。 このままでは宮沢林道探索をすることなく利島を立ち去ることとなり、利島までやって来た意味がなくなりますが、雨脚が弱まったところで雨具を着込み、荷物は宿に置いたまま手ぶらで宮沢林道探索に出撃することを決意します。この機を逃したら次はいつ再訪できるか分からないので、雨に濡れたとしても構わねーぜ! |
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しかし、いざ出発しようとするとあら不思議。なんと、それまでシトシト降り続けていた雨が出発直前なってに完全に止んだじゃないですか! 急遽、着込んでいた暑苦しいレインウェアを脱ぎ捨ててWRに跨がり、宮沢林道に向かってまっしぐら!
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