八丈町 末吉 |
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八丈島の東部にあって東と南は太平洋に面した三原山(東山)の東麓に位置し、北西は三根、南西で中之郷に接しているのが末吉です。東南部の海岸寄りを除いてほとんどが山麓地となった静かな集落で、南西の海岸には洞輪沢(ぼらわざわ)漁港が、港の東方の石積ヶ鼻には昭和26(1951)年に開設された高さ95mの八丈島灯台があります。 |
都道から一歩はずれた末吉の静かな尾根集落 |
江戸時代[安永3(1774)年]の人口は家屋91軒で人口は676人。他に流人が13人で飼育する牛は98頭いたそうです。平成24 (2012) 年の末吉の世帯数は223で人口は394人。世帯数は10年前の平成24(2002)年と比較して7.9%減少しており、島内で最も人口の少ない地区となっています。 代表的な歴史スポットは明応7 (1498)年以来、 中断はあるものの八丈島の代官、 地役人、神主を勤めた長戸路氏の屋敷跡。長戸路氏は末吉中央部の高台に居を構えて、その武家屋敷は中世の土豪館の風格を備えていたようです。 敷地内には島内最大の12脚を有する高床式の穀物貯蔵庫の高倉があり、これは郷倉の役も兼ねていました。 また、同家は寛文年間(1661〜1673)から明治初期にわたる貴重な古文書267点を伝えており、八丈島民政資料の名称で都指定文化財に指定されています。さらに地区の北側には三島神社が、西側には八丈島始祖伝説をもつ丹那婆墓があり、末吉の尾根集落には100年以上の歴史を刻む民家が多く現存しています。 八丈島の中心部の空港や港からは最も離れた末吉地区ですが、末吉に2つある温泉は観光客に人気のスポット。元は汐間温泉といわれていた洞輪沢漁港にある島内に古くからある無料の洞輪沢温泉が、八丈島灯台のそばには露天風呂が素晴らしい末吉道ヶ沢温泉みはらしの湯があって、本数の少ない路線バスでわざわざ訪れる観光客も多いです。 また、太平洋の展望の素晴らしい名古の展望台も観光客がよく訪れる場所。その他に最終処分場の建設でもめたという北部の水海山麓には、 昭和 25 (1950) 年に入植開拓した水海開拓農地がありますが、雨や霧が多くて生活が困難なため昭和45 (1970)年に全戸が離農しています。 さらに、ほとんど知られていませんが、 南の海岸線を西にたどった先に以前は野生バナナの自生地があったそうです。 観光エリアとしては人気がある末吉ですが、商店が僅かにあるのみで、食事や休憩のできる店はほとんどありません。路線バスの便もかなり悪いです。 |
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