探索日 2008.06.15
No.TO-046

入間白岩線 ■檜原村 ■半ダート ■接続→倉掛線 ■分岐→横倉線
■倉掛地区「茗荷平」付近から都206号線数馬地区「数馬下」とを結ぶ

 山岳ダートの無骨で荒々しい雰囲気漂う便利で使える峰越え近道林道  

 ↓ダート区間の長さはさほどありませんが、荒々しい雰囲気はなかなかのもの。
 都205号線から都206号線へと近道できる意味は大きくて使える林道です。


……こんな感じ……
■都205号線の末端に位置する倉掛地区から山越え(浅間尾根)をして都206号線沿いの数馬地区へと完抜けしている半ダート林道。全線に渡って激しく蛇行しつつ尾根を越えて延びている。お目当てのダート区間は都205号線側にのみあるが、残念ながらさほどの長さはない。それでもダート路面は斜面崩壊にて崩れ落ちた岩屑や砂礫が激しく散乱、決して走りやすくはないが、ゴツゴツとした荒々しい山岳ダートの雰囲気が満喫できるだろう。都205号線側の入口は倉掛線に接続、途中で横倉線を分岐しているので、そちらとセットで探索するのがお薦め。半ダート状態は惜しまれるが、完抜けしているためコース的にみて存在意義はとても大きい1本となる。

■北秋川に沿って都205号線をさかのぼった最奥の倉掛地区にある入間白岩線の入口です。この林道は浅間嶺(903m)へと連なる尾根を越えて隣接する都206号線までを結ぶ完抜け林道で、その入口は直進側の倉掛線の起点も兼ねた二股状態になっていますが、それぞれ共に林道標が設置されているので迷うことはないでしょう。
■そしてこれが二股の左折側になっている入間白岩線の入口の様子。白岩沢を跨ぐコンクリ橋を渡った直後にいきなりの登坂コースでダートは開始しています。なお、ここは入間白岩線の「入口」と述べましたが、正確にはこちら側は「終点」となっている模様。
■入線直後に左カーブしている地点を過ぎると、どのような具合で勾配区間が始まっているかが分かります。路肩に岩屑が散乱、堆積したダートには山岳ダートの趣があり、これはちょっと楽しめそうな雰囲気ですね。はたして入間白岩線はどのような林道であるのか期待感が高まります。
■入線直後の区間はちょっとガタガタな状態になっている入間白岩線のダート。路肩には大量に堆積した岩屑や砂礫の山が連なり、まるで激しい土砂崩れの復旧跡を思わせますが、ここはいつやって来てもなぜかこのような状態になっています。
■山肌をなぞるように右や左へと細かなカーブを繰り返しながら登坂路が続きます。山の斜面を切り崩して設けられた沿道ではそこかしこで崖崩れが多発しているようです。見かけ的にはさほど険しそうな林道でもないのですが、その証拠に法面が補強された箇所が目立ちました。
■そして差しかかった見るからに脆そうな崖下直下を通過する地点です。風化してボロボロとなった岩肌は絵図ら的にも迫力があって、いかにも荒々しい林道の雰囲気を演出してなかなか良い感じに。ちなみにここでは右手の岩肌を伝い落ちる無名の小滝があって、ダートはそれを跨いでいます。そしてあの階段の正体は…不明です。
→小滝を眺める!
→階段を眺める!
■小滝と正体不明な階段を右手に眺め、その先へと続くズルズルなダートをさらに進むと、やがて広場のように幅員が大きくふくらんだ地点に差しかかります。一瞬、大規模な土砂崩れでも発生した跡なのかとも思いましたが、ここでは大規模な法面工事が実施されたようで、これはその完成直後なのでしょう。林道開設にあたって整形された法面が年月の経過によって劣化、崩壊することは、これまでの区間で目にした通り。なお、法面保護の手法には様々あるようですが、ここでは植生マットで最近流行(?)の緑化というおまけ付き。
■そして肝心のダートですが、見上げるように施された先述の法面保護地点にて終了。ここで舗装路が現れてしまいます。そしておそらくこの先は入間白岩線で最も新しい区間、すなわち浅間尾根を挟んで山の両側から延びていた2本の林道を延長接続してできたものと思われました。
■路面は舗装化しましたが、相変わらず沿道にて土砂崩れを発生させている入間白岩線をさらに進むと、途中の路肩に鉄杭タイプの林道標が立っています。それには「林道入間白岩線 平成6年度施工 起点」と記されており、思わず「起点?」と思ってしまいましたが、これは林道延長工事の起点ということなのでしょう。
→景色を眺める!
■あちゃ〜、路肩の崖が半崩れしていますよ。自然災害というよりも、林道開設時に切り崩した山肌が年月の経過と共に劣化してしまった結果かと。林道を完璧に維持するにはここにも法面工事が必要でしょう。入間白岩線は常に斜面崩壊との戦いなのですね。あっはっは。
■「支線林道?」その後、いつの間にか浅間尾根を越えて下りに転じていた舗装路を進むと、途中でこのように右斜めに別れていく舗装路がありました。入口に林道標などは見当たらなかったので、あまり気にせず通り過ぎてしまいましたが、これは一体どういう道なのでしょうか? それとも林道標はすでに消滅済みだったのを見逃した? ま、林道でなきゃ、どうでもいいですけど。
■正体不明な舗装分岐を過ぎて徐々に傾斜角度を増す降路を前進すると、その先で今度は鋭角な左折分岐が出現しましたよ。ただしこちらは横倉線という名のある林道の入口となっている模様。横倉線はピストンで延長距離も極短かつ雰囲気も暗めですが、それでもフルダート林道であるので、時間がある場合は立ち寄ってみてもいいと思います。
→横倉線に突入!
■横倉線分岐を過ぎてさらに下って進みます。すると、山側の路肩斜面に大量の木板が立て掛けられた異様な区間が出現。製材されたばかりの真新しいものや、古く変色したものがこれでもかと連なっていましたよ。こんな民家もない山奥の林道に一体これは何なのだろう?
■「山の製材屋さん?」路肩に立てかけられた板切れは進むにつれてその量を増し、ついにはびっしりと両脇を埋め尽くすほどに! その大半を山林地帯が占める当地では林業が盛んであり、檜原村など東京の杉といえば、現在は鉄製にとって代わられたものの、かつては「足場丸太」としての需要が高かったという話をどこかで聞いたことがあります。というわけでこれは山の製材屋さんのしわざであり、林道はそこを通り抜けていたというわけか。入間白岩線を訪れたことのある方なら必ずや思い出す特徴的な光景です。
■ちなみに製材所の前には右折して駆け上る別れ道がありますが、これは山の民宿屋さんへと至る道とのこと。別れ道の入口には立てかけられた板切れに埋もれるようにして無数の看板が掲げられています。民宿では山のお風呂屋さんも兼ねているようなので、時間があるならば立ち寄り湯してもいいかもしれませんが、ここ、入口から眺めた限りではなんかちょっと濃ゆい雰囲気がプンプンと…。
→民宿看板を眺める!
→民宿看板を眺める!
■で、山の民宿屋さん入口を過ぎて少し進むと入間白岩線は都206号線へと突き当たって終点を迎えます。ダート区間はさほどなく大半は舗装状態にある入間白岩線ですが、それでも途中でフルダートの横倉線を分岐していること、そしてなによりも都205号線から数馬方面へと抜けられることは大きく、その意味では使える林道といえるでしょう。ちなみに、こちら側にも大きな林道標と共に先述の民宿の看板が掲げられているので、それを目印とすれば入口はすぐに分かります。
→探索終了!
→引き返して倉掛線に向かう!
→振り返る!