宮塚山林道 / Miyatsukayama 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
宮塚山林道 [1] [2]
参の地理院地図によれば宮塚山の山頂は林道のすぐ左に位置し、山頂のすぐ脇を抜ける林道からは、山頂方向に延長200mほどの山道が分岐しているはずでした。それが山頂地点の目印にもなるのですが、自然回帰で自然消滅していた模様。道すがらに山道の類は見当たらなかった気がします。そんなわけで山頂地点が不明瞭な宮塚山ですが、おそらく林道のすぐ左手地点に見えているあの盛り上がりが山頂くさかったです。
山道もなくて山頂地点が不明瞭であった宮塚山のすぐ脇を抜けて宮塚山林道はさらに続きますが、ここでなんとも嬉しいサプライズが! もはや未舗装区間は残存していないと諦めていた宮塚山林道でしたが、宮塚山の山頂脇を抜ける地点で路面がダート化しているのを発見したんですね。しかも小砂利系で走り心地の良さそうなフラット状態で!
→ 路肩を眺める!
塚山の山頂直下のすぐ右側を通り抜け、常緑広葉樹の森が広がる溶岩ドームの台地上を進みます。ダートは上空が大きく開て明るく爽快感に溢れたコースが続きましたが、所々で森が鬱蒼と茂った区間もあって、そんなところでは必ずと言ってもよいほど水溜りを見かけました。数日前の雨によるものですが、巨大で深さも分からず不気味だったです。
ンジン音も軽やかに残存ダート区間を意気揚々と進みますが、やがて無情にもコンクリ簡易舗装が復活。ここは本土から離れた離島なので、島内の道は未舗装三昧だと単純に思うかもしれませんが、それが昭和の初めの頃の時代ならともかくとして、「離島振興法」のおかげで現在は整備も行き届いて舗装率も高いです。ただし、困ったことに、おかげで林道の舗装率まで高くなってしまったんだよなぁ。なので舗装は仕方ねーか・・・。
→ 路肩を眺める!
してその先ですぐにダートは復活しましたが、宮塚山林道のダートは「虫食いで」という残念な条件付きであることが判明。さらに進むとまたしてもコンクリ簡易舗装が現れ、その後もダートが復活するサイクルを繰り返したんですね。しかし、贅沢は言えません。新島に存在する数少ない林道にダートが残存していただけでも有り難く思わなきゃ!
蒼と樹木が密生する状態はまさに緑の回廊。宮塚山の常緑広葉樹の森をかき分けるように走り心地抜群なダートが続きます。海から吹き付ける強風も森の中では鳴りを潜め、訪れる人の気配なくて、シ〜ンと静まり返った林道は静寂そのもの。まったりと穏やかな時が流れていきますが、宮塚山林道が平成新島トンネルの頭上を横切っているのはちょうどこの辺りでしょうか。WRの右後方(本村方向)から左前方(若郷方向)に向かって、地面の真下の深度350mほどの地点を一直線に潜り抜けているんですね。
岐ダート出現! 宮塚山の森の景観を眺めながらさらにWRを進ませていくと、やがて右折で分岐していくダートが現れました。条件反射的に「支線林道?!」と思ってしまう自分自身に苦笑でしたが、しかしそこは「林道」ではなかったようです。
→ 右折ダート(正体不明)の様子を眺める!
の後、再び右折のダート分岐が現れました。しかし、林道標は言うに及ばず道標の類はなにも設置されていません。また、その先の路面状況も手前の分岐と同じ。というわけで、この右折ダートも「林道」ではないのですが、その正体は宮塚山林道本道をさらに進むとおのずと判明します。でも、さすがにこの時点ではまだその正体は分かりませんでした。
→ 右折ダート(正体不明)の様子を眺める!
→ 路肩を眺める!
して最終的に宮塚山林道が行き着くのがこの地点。コンクリが敷かれただけで見渡す限りなにも無い広大に開た場所ですが、その正体は「新島ロラン局」。ロラン局とは船舶や航空機が位置を測定するための電波を発射する施設のことで、敷地の入口脇にロラン局を示す巨大な抗火石の石碑が置かれていましたが、新島ロラン局は2014(平成26)年2月1日午前9時をもって廃止されているので、ここは正確にはその跡地なんですね。かつては主流であった船舶や航空機の位置測定に欠かせなかったロラン局ですが、衛星を使ったより高精度なGPSが普及したことでその役割は消滅、そして廃止されたというわけ。
→ 付近を調べる!
かし、敷地跡への車両の立ち入りは拒まれている模様。特に立ち入りを禁止する看板などは立っていませんでしたが、入口には赤茶色に錆びた一条の鎖が・・・。しかも、ご丁寧にその脇も単管鉄パイプで隙間なく塞がれているじゃないですか。仕方ありません。宮塚山林道の終点になっていた新島ロラン局跡の散策は歩きで行うとするか!
渡す限りの草っ原とコンクリート敷き。まるで廃止された飛行場の滑走路のような雰囲気ですが、これが新島ロラン局跡かぁ。施設が稼働していた当時は高さ213mもの鉄塔が立っていましたが、廃止後の2015(平成27)年1月に撤去されてしまい、現在はなにも見当たりません。まるで廃止された飛行場の滑走路みたいです。
→ 周囲を眺める!
→ 周囲を眺める!
島ロラン局跡の入口を振り返るとこんな感じ。チェーンゲートに拒まれてWRが止まっている地点がダート終了地点であり、宮塚山林道終点と思われる場所です。この施設、正確には「新島ロランC局」といい、1994(平成6)年10月1日から海上保安庁によって運用されていましたが、廃止となった理由は先に述べた通り。ちなみに宮塚山林道そのものはロラン局が開設されるずっと以前に開設された林道だと思われますが、終点と思われる場所にロラン局が開設されてしまったため、このように林道の終点らしからぬ状況になっています。
→ 周囲を眺める!
ー、それから宮塚山林道終点、すなわちロラン局跡への入口のすぐそばにも左折のダート分岐がありました。「宮塚山林道の続き区間?!」と思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。結論から述べると、先ほど見かけた二本の右折分岐も含めてこれらのダートは新島ロラン局の管理道になっています。管理道はかつて設置されていた高さ213mの電波塔を中心に、その周囲をぐるりと円を描いて張り巡らされており、それらは相互に繋がっていますが、ロラン局が廃止、撤去された現在も管理道だけが残っているというわけ。放置で雑草が茂ってガタガタな名無し林道っぽくなっているので、かつてこの場所にロラン局があったことを知らないと、当然の結果としてその「管理道」だったこともまた分からないんだよな〜。というわけで広大な新島ロラン局跡に行きついて宮塚山林道の探索はここで終了!
→ 左折ダート(新島ロラン局管理道)の様子を眺める!
→ 探索終了!
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