山武市の林道群  〜在りし日のヒシ形を求めて〜 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2020.03.22 

まだ林道駆け出しであった頃、夢中になって探索しまくった千葉県のマニア林道。
それらの林道群は九十九里平野背後の丘陵地帯となる山武市や東金市、茂原市などに集中していますが、
どれも辛うじてよれよれなヒシ形(林道標)が残存していたものばかり。

当時からすでにまともな林道ライダーは決して近寄りもしない類の林道群であり、
事実上の一般道化していることもあって
近い将来、唯一の「林道の証」であるヒシ形が朽ち果てて「消滅林道」化することが危ぶまれていたのですが、
ふと思い立って山武市のそれら林道群の現状確認の再訪を思い立った次第です。

回の千葉県マニア林道再訪で真っ先に訪れたのは板川林道。山武市「板川新田」から「板川」とを結ぶ延長距離1679mの林道ですが、生垣に埋もれた状態でそこにあったヒシ型の放つインパクトが強烈で、千葉県下では自分史上とくに忘れがたい林道であり、久方ぶりにそれを眺めてみたいと思ってやってきた次第です。しかし、その生垣は刈り払われてヒシ形もろとも消滅。かつての生垣地点は小さな草地になっていました。ちなみにWRの直進方向が板川林道区間で、すぐ先に有野実苑というオートキャンプ場があるのですが、草地にはその案内板がいつの間にか立てられていましたよ。あぁ、なんてこったい・・・。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
→ 過去のヒシ形設置地点の様子!
つて存在していた林道標も消滅してしまい、なんの変哲のない一般道の風景と化してしまった板川林道の起点。「こんな場所に?!」という林道を探し出し、そこに残存している林道標を目にすることがマニア林道探索の喜びというか、醍醐味なわけですが、林道標が失われてしまった現在、もはや板川林道は林道台帳という資料の中にあるだけの存在であり、訪れる価値は失われています。
めて訪れた時から14年もの歳月が経過すれば、林道を取り巻く周囲の様子も変化するのは当然のことで、起点を振り返ると、かつては名無し系の草ボーボーな未舗装路だった分岐も、今は立派に舗装されていました。それにしても、ここまで激変していたなんて・・・。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
道標が消滅してしまい、悲しいかな、一般道と化していた板川林道を進んでみます。有野実苑は現在も健在で、そこを過ぎると、風が吹くと土埃もうもうな広い畑地の脇を通っていきますが、林道らしからぬこの眺めは今も昔も変わりなかったです。
「ここは板川林道である!」と言っても、地元の方でもそれを知る人はほとんどいないと思います。林道標の失われた林道が人々の記憶から消えていくのは速く、林道区間の道すがらの電柱に虚しく「板川」の地名板が掲げられていましたが、現在は現地を訪れてみても板川林道をしのばせる物はこれくらいしかありません。
して、しばらく進むと突き当たるT字路が板川林道の終点です。左折すると県77号線へ、右折すると県116号線方向になっており、板川林道から最も近い中津田林道に向かうにはここを右折します。ちなみに林道名の板川という地名は「痛川」の転訛で、崩壊地という意味らしいですよ。江戸時代は板川村だった場所だそうです。
武市「板川」の林道終点を振り返るとこんな感じ。ここには林道標は設置されておらず、その状況は現在も全く変わりなかったです。しかし、もはや完全に一般道と化していた失意の板川林道。名物であった生垣に埋もれたヒシ形は永久に失われ、もはや再訪することもなかろうと思いつつ、次は同じ山武市の中津田林道へと向かいます。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
116号線沿いの山武市「中津田」にやって来ました。お次に目指す中津田林道の起点は県道沿いにある「公民館」のすぐそば。目印として以前は山武市のコミュニティバス「中津田公民館バス停」があっような気もしますが、現在は廃止されているみたいです。
して中津田林道のヒシ形は、県道から斜めに分かれる市道を進んだ先の右折地点に存在していたはずですが、マジかよ・・・。確かこの地点だったはずなのに、そこにあるべき林道標がどこにもねーし! まさか2連発で林道消滅という展開?!
思ったら早とちりでした。おぼろげな記憶を頼りに再訪したので、起点を一つ手前の右折路と勘違いしてしまったようです。先ほどの角を右折して少し進むと、さらに現れる右折路が中津田林道の起点です。そして嬉しいことに起点を示す2本のヒシ形は共に今も存在していることを確認! まあ、初探索から10年以上も経過しているので記憶もあやふやになるな。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
化現象で林道名が完全消滅している懐かしいヒシ形とご対面です! それにしても時の流れで朽ち果てることなくそこに立ち続けていたとは、なんたる奇跡でしょう。ちなみに中津田林道を初めて訪れたのは、現在は引退している「赤い彗星」号ことXRとだったなぁ。
→ ヒシ形(手前)を眺める!
→ ヒシ形(前方)を眺める!
点を後に中津田林道はスギ林の中を進んでいきます。山武地域は250年以上も昔の江戸の頃から「山武杉」の植林が盛んな地。林道はそんな山武杉の森の中を抜けていきますが、途中でこの地域のもう一つの産物である天然ガスを採取するガス井も見かけたな〜。千葉県のこの辺りは、国内における天然ガスを採る井戸の発祥の地だったりします。
津田林道そのものは延長距離1116mしかない短さなので、あっという間に終点にたどり着いてしまいますが、はたして終点側でもヒシ形は残存しているでしょうか? そんなドキドキのような一抹の不安を感じながら終点となる十字路に近づくと、電柱の傍になにやら見覚えのある正方形の鉄板を斜めに傾けて掲げる古ぼけた標識が!
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
→ 標識を眺める!
・・・、やはりな。もしやと思って終点を振り返ってみると、それはまさしく中津田林道の終点を示すヒシ形でした。というわけで起点と終点に立つヒシ形に挟まれた区間が「林道」だと知ることができますが、白化現象によってヒシ形記載の「中津田」の3文字は完全消滅。林道名を現地で確認することはできません。ちなみに終点の位置する場所は山武市「麻生新田」ですが、ここも最寄りの県道から離れた分かりづらい地点。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
→ 林道標を眺める!
はJR総武本線「日向駅」にほど近い「日向ニュータウン」そばの岩ノ谷(支)林道を再訪してみます。岩ノ谷(支)林道は延長距離2264mで山武市木原の「岩ノ谷」から「京増」とを結ぶの林道で、かつて起点を示すヒシ形が立っていたのがこの地点。しかし、過去形で述べているのは、以前そこにあったはずのヒシ形が失われていたからに他なりません。
→ 平成18(06.08.19)年の様子!
→ さらに再訪を続ける!
→ 探索中止!
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