ワレ西上作戦開始セリ! 猛暑の山と海の林道探索ツーリング 7月20日(土)曇りのちゲリラ豪雨 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
1日目[2] 「自宅」→ 敦賀市「敦賀トンネル温泉 北国グランドホテル もどる  






ガソリン給油量 18.94L 給油回数8回 ガソリン代 3762円 高速代 7780円 総走行距離 586.6 km トップへもどる


いざ黒河マキノ林道に入線すると、ガタガタに傷んだアスファルト舗装が緩い登り坂で延びています。左右の路肩は猛烈に繁茂した人の背丈を超えるほどの藪に囲まれているので当初は気づきませんが、やがて藪の中に見えてくる別荘の残骸を目にして、ここが放棄された限界別荘地の跡地であることが分かります。







もはや資産価値ゼロであり、立ち入る隙間もないほどの薮に包まれた別荘の残骸家屋。思い起こせば1990(平成2)年代のバブル期に日本中が空前の別荘ブームに湧き立っていた頃、ここマキノ町白谷でも琵琶湖の湖畔にほど近くて温泉もあるということをウリにして、独特な中毒性のあるCMソングで知られたあの「磯村建設」のような不動産デベロッパーが別荘開発をやりまくって暗躍していたのでしょうか。







藪まみれで放棄されていた限界別荘跡地を通り抜けていくと、坂道で一気に登坂していきますが、ここでようやく木杭タイプの「林道の証」を発見!







林道 黒河マキノ線
路肩に設置されていた黒河マキノ林道を示す林道標。記載されているのは林道名のみで延長距離や開設年月日などは記されていないシンプルなものでしたが、これで「ここは黒河マキノ林道である!」ことが現地確認できたので、まあいいや。







林道標設置地点を通過してその先へと前進しますが、路面は相変わらず舗装状態が続きました。「なんだかなぁ・・・」と思いながらなおも登坂して進んでいくと、道すがらに大きく開けた広場が現れました。







道すがらに突然現れた広場。林道ではよく見かける「土場」かとも思いましたが、そのような気配は全くなくて、どうやらここは単なる駐車スペースのようでした。でもなぜここに駐車スペースが設けられているのかについては不明ナリ。







おお、山深いぜぇ! 駐車スペースの片隅から景色を眺めてみましたが、視界に入るのは真夏の濃密な緑に覆い尽くされた険しい山の眺めだけ。

今からこの山中を駆け抜けていくのかと思うと思わず武者震いですが、その一方で気になる山の天気はというと、大量の雲がかなりの速さで吹き流れている状態。雲は多いですが、今すぐ雨が降ってきそうな気配はなくて、また、空が急に暗くなったり、辺りが涼しくなる「雨」の兆候もなかったな。







路肩では黒河峠までの距離を示す道標が設置されているのを見かけましたが、それによればここから隣接する敦賀市との境界に位置する黒河峠までは3.1kmとのことでした。しかし、その傍らにあった廃看板が気になるなぁ。わざわざ表示板部分が取り外されていましたが、一体なにを表示していたのでしょうか?







えぇ、そんな殺生な!? その後しばらく舗装路をたどっていくと、ここで路面がダート化しましたが、しかし、それと同時にまさかのチェーンゲートが・・・。







チェーンゲート左支柱の脇ですが、う〜ん、ダメだこりゃ。徒歩で通り抜けるには十分な幅なのですが、エンジン付きではちと狭過ぎるぞっと。







こちらは右側のゲート支柱の傍。なんだかイケちゃいそうな気もしますが、一歩間違えればそのまま崖下転落の危険性が大きいかと・・・。







ちなみに張られた鎖の高さは20cmれくらい。さすがに助走づけて勢いよく強引に乗り越えたり、フロントを頑張って持ち上げたりして跨ぐことは厳しいっす。







というわけで、通常ならば無念の涙を飲んで引き返すところですが、ここで長年に渡る林道探索経験により培われて習得した林道ライダーアビリティ「閃き」が発動! 理由はないですが、あの石が気になったので持ち上げてみたところ・・・?







なんと、石の下に隠されていた銀色に輝く「カギ」を発見! これがなんのカギであるかはご想像に任せますが、まさかこのような所に隠されていたなんて! えへへ、この程度の小細工は当方には通用しないんだぜぇ!

カギの発見により据え膳食わぬはなんとやら。ここは遠慮なく前進させていただくことにしましたが、もちろん、通過後はチェーンを張り直し、カギもちゃんと元の場所に隠しておいたことは言うまでもありません。







あー、それからゲート地点には比較的新しいタイプの林道標が設置されていましたが、それには黒河マキノ林道とではなくて、「マキノ林道」と記されており、初めてやって来ると「?」と思ってしまうかもしれません。

黒河マキノ林道といえば、世間一般的には滋賀県高島市「マキノ町白谷」から標高560mの「黒河(くろこ)峠」を越えて福井県敦賀市「山」とを結ぶ林道として知られていますが、正確には峠の南の高島町側は黒河マキノ林道(民有林林道)→マキノ林道で構成されていて、敦賀市区間は黒河林道となっています。

つまり、いわゆる黒河マキノ林道というのは、黒河マキノ林道、マキノ林道、黒河林道の3林道が1本道状態で接続されたルートのことなんですね。というわけでこのゲート地点が黒河マキノ林道からマキノ林道へと接続する地点になっていて、そのため林道標にはマキノ林道と表示されています。







なお、高島市のウェブサイト「主要林道の通行状況について」には、たいていの場合、黒河マキノ林道は「通行可」と告知されています。そのため、なんの疑いもなく滋賀県から黒河峠を越えて福井県へと通り抜けできると思う林道ライダーは多いですが、しかし、それはちょっと考えが甘いかも・・・。

先述したように、いわゆる黒河マキノ林道というのは、厳密には黒河マキノ林道、マキノ林道、黒河林道で構成されていますが、高島市のウェブサイトにはっきりと通行可と告知されているのは黒河マキノ林道だけ。つまり、ゲートから先のマキノ林道→黒河林道区間については通行可と不可とも告知されていないんだよな。







チェーンゲートをセルフでオープンさせていただき、その先へと前進再開。ダート区間は舗装区間よりも格段に楽しいですが、でも林道は相変わらず蒸し暑く、むわっとした草いきれの漂う緑一色に包まれた山の中に登り坂が続きました。







県境の黒河峠に向かって勾配区間が連続しますが、路面のクレバスが黒い土嚢で埋められているのを所々で見かけました。たいていの林道ではそのまま放置されている場合が多いですが、マキノ林道ではちゃんと路面補修されているみたいです。







若干砂利の粒が大きくてガタガタ感があったものの、目立つ荒やガレもなくて走りやすい状態が続く黒河マキノ林道ですが、しかし、蒸し暑いことといったら! 思わずくらくらっと意識が飛びそうなほどの猛烈な蒸し暑さでしたが、途中、涼しげな沢を跨ぐ地点があったので立ち止まってみました。







じゃじゃじゃ〜。ダートの左手の森の奥から流れ下ってくる小さな沢。流木留めの鉄杭が打たれ、堰堤で段差が構築されていましたが、水は澄んでいてとてもきれい。この日は余裕で水浴びできそうなほどの蒸し暑さでしたが、あはは、今回の林ツーではうかつにも「海パン」を持参するのを忘れちゃったんだよな〜。







その後も順調に県境の峠を目指して登坂していきますが、マキノ林道では側溝が路面を横切る地点でこのようなトラップも発生していました。







すなわちグレーチングの格子が一部欠落して発生していた「落とし穴」です。もしも走行中に気づかず、勢いよくフロントを落としてしまったならば、身体が前方に投げ出されて転倒する可能性も大ですが、しかし、いるのでしょうか? このような分かりやすいトラップに引っかかってしまう林道ライダーってさ。







道すがらに眺めた県境の峠付近に連なる山々の眺めです。滋賀県って山深いイメージが薄いですが、なんのなんの。この通り見渡す限りの山また山状態でした。天気については相変わらず雲が上空を覆っていますが、雨が降り出す気配はありません。もしも予報通り雨が降るの出れば、たぶん、もうとっくに降り出していると思います。

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