ワレ西上作戦開始セリ! 猛暑の山と海の林道探索ツーリング 7月20日(土)曇りのちゲリラ豪雨 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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ガソリン給油量 18.94L 給油回数8回 ガソリン代 3762円 高速代 7780円 総走行距離 586.6 km トップへもどる


現在地点の標高はおよそ550mくらい。林道入口の標高が217mだったので、かれこれ333mも高度を上げてきたことになり、黒河峠にもだいぶ近づいてきました。しかし、気温的には全然涼しくなりません。ダートがなかなかイイ感じなので、こまめに立ち止まってデジカメを構えるのですが、その度に玉の汗が吹き出しました。







おお、やったぜぇ、黒河峠に到着! やがて極端な簡易舗装区間が現れ、路面がダートに戻る地点で前方に山小屋風の建物が見えてきましたが、ここが近江国と越前国の国境になっている標高567mの「黒河(くろこ)峠」らしいです。







黒河峠に立つ山小屋。中に入って休憩できるのかと思いきや、山小屋風の公衆便所でした。ここ黒河峠は「三国山(876.1m)」および「赤坂山(823.6m)」への登山口があり、「高島トレイル」の中継点にもなっているため、これは登山者がそこいら辺でブリブリとひり出して環境汚染しないようにと設けられた公衆便所だな。







三国山や赤坂山方向に向かう登山道入口です。ヌタッとした滑りやすそうな細い小径が森の奥へと続いており、古ぼけた道標や案内板、入山届箱などがごちゃごちゃと設置されていました。訪れた時には登山者を見かけませんでしたが、あはは、このクソ蒸し暑い日に登山なんかしたら熱中症でぶっ倒れちゃいますよ〜。







登山道入口に設置された高島トレイルを示す木杭。高島トレイルとは琵琶湖の北西部、福井県との県境付近の分水嶺に連なる尾根を結ぶ全長80キロほどの登山道のこと。元々あった自然歩道や登山道がトレイルルートとして設定されたのは2007(平成19)年のことで、そのルートがここ黒河峠を通っているというわけです。







琵琶湖国定公園 赤坂山歩道
登山道入口の傍に「赤坂山歩道」の案内板がありました。でも古ぼけてガタっと傾いて藪に埋もれた案内板に近づく気にはなれず、おかげでかすれた記載文字はよく読めませんでしたが、赤坂山歩道とは滋賀県によって1978(昭和53)年に整備された赤坂山へと至る登山道のことで、高島トレイルのコースと重複しています。







三国山湿原植物希少個体群保護林
所在地 / 山田山国有林(滋賀県高島市マキノ町白谷)
所 地 / 30.86ヘクタール

特 徴
当保護林は、三国岳が西限の希少な湿原植物キンコウカ等の保護を目的に設定しています。
また、保護林の植生は、主にスギやツツジ類、ブナなどが形成する高さの低い森林となっており、
保護対象種である キンコウカやミズゴケ、トクワカソウなどの湿原植物が多く見られます。
※許可のない動植物の捕獲、採取はやめましょう

林野庁 近畿中国森林管理局 滋賀森林管理署
ふ〜ん、見た目には普通の山林にしか見えませんが、なるほどねぇ。ちなみに黒河峠を超えた福井県側の黒河林道沿いには確か「黒河山林木遺伝自然保存林」という保存林があったような気がします。







その後、黒河峠を出発しますが、そこから80mほど進んだこの地点が滋賀県と福井県の正確な県境であり、おそらく本来の黒河峠もこの場所だと思われます。県境の峠地点ということで、ここから林道名がマキノ林道から黒川林道へと変わりますが、それを示すかのように路肩にぽつんと林道標が立っていました。







黒河林道
滋賀県側で黒河マキノ林道からマキノ林道と名を変えたダートは、福井県へと進む県境のこの場所で今度は黒河林道へと名を変えますが、林道名の由来は滋賀県との県境付近に源を発し、黒河林道沿いに流れ下る「黒河川」ですよ。







黒河林道との接続地点を振り返るとこんな感じ。ここは県境の「峠」なので、この場所を境として福井県側のダートは下り坂に転じます。







やったー、支線林道発見! 県境の峠から黒河林道に乗り継いで坂道を下っていくと、やがて左折ダート分岐を発見! 画像では少々分かり難いですが、本線である黒河林道は前方の森の中へと下っていて、初めてやって来ると支線である左折方向が本線のようにも思えてしまう紛らわしい状況になっています。







でも大丈夫。左折側には林道標が設置されているので、どちらが本線であるのかはこれで分かります。ちなみに左折分岐していくのは「黒河林道28林班支線」。

その名の通り、この支線林道は黒河山国有林の127〜128林班内に延びる延長距離1384mのピストン林道ですが、しかし、林道名に「林班」が付く林道って北海道ではよく見かけますが、内地(本州)の林道ではちと珍しいかな。







黒河林道から左折分岐で分かれていく黒河林道28林班支線のダート。血気盛んに今すぐにでも飛び込みたいところですが、ガッつかずにひとまず我慢!

クラクラするような猛暑の中の徹夜走行明けの林道探索であることに加え、おそらく雨は降らないでしょうが、決して油断はできない状況下では、まずは本線林道の探索が優先されるんだよな。「慌てる乞食は貰いが少ない」というやつで、欲張ると本線、支線林道のどちらも中途半端な探索に終わることがよくあります。







そんなわけでまずは黒河林道の探索を優先。28林班支線林道分岐を通り過ぎてさらにダートを駆け下っていきますが、ここで黒河林道はフルダートではないことが判明。すなわち峠からの坂道を下っていく途中で舗装区間が現れてしまったんですね。ちぃ、切ねえなぁ。ここでも林道舗装化の波か・・・。







真の林道好きならば喜ぶ者などいない残念な舗装区間はその後も虫食い状態で現れますが、しかし、どれも短くてすぐにダートが復活するのが救い。というわけですぐにダートが復活した黒河林道のキツい下り坂を駆け下っていきます。







画像での見た目以上に傾斜角度のキツい下り坂をガンガンに元気よく駆け下っていきますが、この辺りが林道名由来の黒河川の源流域でしょうか。画像ではちょっと分かりにくいですが、下り坂の途中のこの場所で「オスガ谷」とおぼしきささやかな流れを欄干のないコンクリ橋で跨ぎます。







コンクリ橋から眺めた黒河川源流のオスガ谷。小さいながらもザワザワと音を立てて清冽な水が勢いよく流れ下っています。一応、敦賀河川漁協が放流していますが、こんな上流の小さな沢にもイワナとかヤマメっているのでしょうか?

なお、黒河川では1960(昭和36)年代にはアカザやカジカ、ヨシノボリの棲息が報告されていますが、それはもう60年前の話。その後の1994(平成6)年時点の調査ではまだヨシノボリの棲息が確認されていますが、令和の時代になった現在も黒河川にヨシノボリが生き残って棲息しているのについては・・・知らんです。







黒河川の源流域を通過し、ダートはオスガ谷の右岸にへばりつきながら標高を下げていきますが、しかし、それは地図上での話。道すがらに水の流れは全く見えておらず、小気味の良いワダチダートでひたすら森の中を進んで行く感じです。







途中で梢の隙間から見上げた空ですが、そこには強烈な真夏の陽射しが! 現在時刻は午前8時20分くらい。天気予報通りならば午前9時からが再び雨となり、そろそろ雨が降り始めてもおかしくない頃合いでしたが、雨の降り出す気配は皆無。

それにしても事前の天気予報すらも外れさせる当方の「晴れ男っぷり」には我ながら驚かされますが、しかし、陽射しが出ると蒸し暑さが増してしまい、着込んだウェアの中が蒸れて汗を大量にかいてしまうんだよな〜。シャツやズボンが汗でグジュグジュになってしまうので、結果的には雨に濡れたのと大した違いはねーし!







下り坂が連続する黒河林道のダートでは路肩が膨らんだ待避所が所々で現れましたが、まるで芝生に覆われたかのような美しい待避所に遭遇! 地面を覆っているのはただの夏草ですが、見た目が美しかったので立ち止まってみました。







待避所からは高圧送電線の鉄塔が見えていましたが、あれは「北陸幹線」かな。北陸幹線といっても2024(令和6)年3月16日に金沢〜敦賀間が開業した北陸新幹線ではなくて、富山県の笹津から大阪府の東大阪とを結ぶ高圧送電線のことですよ。

林道探索中に高圧送電線の鉄塔を見かけることは多いですが、高圧線の鉄塔といえば電力会社が制作販売している「鉄塔カード」って知ってた? ダムを訪れるとタダで貰える「ダムカード」は今や広く知られていますが、それを真似たのが送電線マニア向けの鉄塔カードなんだよなぁ。ただし、無料ではなくて有料になっています。

つーわけで、帰宅後に黒河林道で見かけたあの鉄塔のカードが関電や北電から製作発売されていないかと調べてみましたが、あはは、そんなのなかったぜぇ。







じっと立ち止まっていると猛烈に蒸し暑く、じわりと玉の汗が吹き出して仕方ないので高圧送電線を眺めたら即座に待避所を出発。すぐ先に見えていたコンクリ橋でオスガ谷支流の沢を渡ってさらに下って進みます。

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