上手沢小鯨林道 / Kamitezawakokujira 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2018.12.29 / No.F-210 
 [ 所在地 ]棚倉町 [ 状態 ]完抜半ダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 道すがらに漂う陰気な暗さは否めないが、軽く峠越えするダートはオフバイク的には楽しめるかも

倉町「小鯨」から「上手沢」とを結ぶ上手沢小鯨林道。真冬の棚倉町にて未知なる林道を求めて彷徨い、位置の特定にえらく手間取ってしまったものの、ようやく発見した上手沢小鯨林道の入口とおぼしき地点がここ。すなわち県231号線を「山本不動尊」方向に進み、福島交通「高瀬バス停」を過ぎて最初の右折路を曲がった先のとある場所ですが、ちなみに県道を次の「平塩バス停」まで進むと行き過ぎですよ。
してこれが入口から眺めた上手沢小鯨林道の様子。そこに林道臭は感じられず、はっきり言ってただの脇道にしか見えていません。付近一帯を彷徨いまくった結果、林道入口はここしかないと判断したわけですが、なんの変哲のない小さな曲がり角で林道標も見当たらず、そもそもここが「林道」だという確証が持てず、なんとも心許ない限り・・・。しかし、こうした場合はどれだけ悩んでみても時間の無駄。とりあえず立ち入ってみるしかないです。
抹の不安要素を抱えながらも上手沢小鯨林道とおぼしき細い舗装路へといざ入線。入線直後から開始する細い舗装路をたどって進みますが、当初はまともだった舗装路も次第に枯れ葉や枯れ草や落ち葉でごちゃごちゃに覆われてごちゃごちゃな状態に・・・。そこには明らかに放置の香りが漂って、陰鬱に淀んだ雰囲気が周囲に停滞していましたが、道すがらの雰囲気の暗さは鉛色の雲に覆われた冬空のせいだけでは決してないみたいでした。
こはかとなく漂う陰鬱な雰囲気の正体はこれか! 落ち葉と枯れ草に覆われた舗装路をしばらくたどって進むと、右手に廃屋民家が現れました。すなわち棚倉町中山本小鯨集落の最奥に位置する民家ですが、すでに無住の家屋と化していたんですね。林道が舗装されていたのは民家への生活道路を担っていたためであることが判明しましたが、肝心の住民がいなくなったため、舗装路は放置で廃れてしまい、道理で陰気な雰囲気が充満していたわけだぜぇ・・・。
→ 廃屋を眺める!
屋地点で道は終わりなのかと思いきや、その先の森の中へと続いているのを発見! しかも路面はここでダート化しています。というわけで上手沢小鯨林道は廃屋地点までは生活道路を兼ねていたようですが、ここから本格的な林道区間が開始する?
っそくお待ちかねのダート区間に乗り込みますが、道すがらに漂う雰囲気は相変わらず暗かったです。しかし廃道化しているわけではなくて僅かに車両の通行の痕跡が残っていましたが、それでも放置でほとんど廃れた状態。枯れススキが茂り、冬枯れした潅木の枝がせり出た路面には雪が所々で白く積もり、ここは寒々しい限り・・・。
ぅ、寒ぶい! その後、ダートは小さな沢沿いに植林の中を登坂していきますが、それにしてもここは寒さが尋常じゃなかったな。路面は積雪区間が連続するようになり、林道沿いの沢は真冬の山の凍てつく寒さで完全凍結していた始末。気温は確実に氷点下・・・。
→ 沢を眺める!
なみに廃屋を見かけたダート開始地点の標高はおよそ269m。そこから連続した坂道で標高486mまで高低差217mを登り詰めていくのですが、標高がどんどん上がっていくので、それにつれてこのように林道も白く寒くなっていきます。
雪量こそ大したことありませんが、体の芯から凍えるような底冷えのする極寒のダートが植林の中に続きます。道すがらに見晴らしは効かず雰囲気も暗いときているので、ここは黙々と無言で進むのみだったかな。白い積雪ダートは見た目にはきれいですけどね。
さと雰囲気の暗さで黙々と植林内の坂道を登って進んでいきますが、やがて空が大きく開けてきました。知らず知らずのうちに気がつけば上手沢小鯨林道を尾根筋付近まで登坂してきたようですが、しかし、両路肩は寒々と冬枯れした背の高い藪に囲まれた状態。冬晴れの青空なら話は別でしょうが、この時は正直言って爽快感は感じられなかったな。
→ 眺望を眺める!
もその代わり、尾根筋区間に差し掛かると路面状況が良くなりました。入線直後は放置の香りが濃く漂っていましたが、そんな廃れた雰囲気も尾根筋区間に入ると雲散霧消。気がつけばダートはいたってまともな状態に変化します。それはそれで良いことですが、しかし、先ほどまでの廃れた雰囲気はなんだったのでしょうか?
根筋へと進み、予想に反して良好状態がキープされたダートを進んでいくと、やがて林道最高所地点となる標高486mの無名峠を通過します。そこを境にダートは下りに転じますが、峠は樹林に囲まれた切り通しのような地点。そういうわけで峠からの眺望はきかず、しかも日陰であるため路面は薄く白い積雪を被っていたんだっけ。ちなみに地理院地図ではこの付近で中の内林道末端地点から延びてくる連絡ダートが上手沢小鯨林道に接続するコースで記されていますが、そのような分岐は見かけなかったような気がします。見落とした可能性も否めませんが、連絡ダートの廃道化により分岐が藪に埋もれて消滅した可能もまた大きいです。
道最高所の無名峠を越えて下りコースに転じたダートを進みますが、その後もしばらくは尾根筋区間が続きました。すると再びビューポイントが現れます。林道右手の植林が伐採されたその先に山々の斜面が見えていたんですね。しかし、ここでは立ち止まって眺望を眺めている間に由々しき事態が発生。おかげでその場にたたずんで景色を眺めるどころではなくなってしまいましたが、それってなぜだか分かります?
→ 眺望を眺める!
根筋で急に吹き付けてきたびゅーびゅーな風雪の寒気を避けるべく、急いで坂道を駆け下って前進再開。やがて現れた植林の真っ只中へと逃げ込みます。そのまま一気に標高を下げていきますが、すると尾根筋であれほど吹きつけていた風と雪はウソのように止みました。標高がちょっと下がっただけで山の天候は激変するんですね。やれやれと胸を撫で下ろして相変わらず良好状態なダートをさらに下って進んでいくと・・・。
の地点でダート区間が終了。その後は車1台が通れるだけの狭い舗装状態でさらに植林地を下るコースが続きました。ちなみに町道から入線した「小鯨」集落側の舗装区間とは異なって、出口となる「上手沢」集落側の舗装区間には廃れた雰囲気はなかったですよ。
ートが終了した後は植林の中をなだらかに下る舗装区間がしばらく続きます。すれ違う車両も見かけず、とくに気になる物もないまま植林のスギ林の中をダラダラと下っていくと、やがて前方左路肩に待避所を示す青い標識が立っている地点が見えてきます。
して待避所を示す標識のある地点が終点でした。標識の根元にボロボロに朽ちかけ寸前の木杭タイプの林道標が残存しているのを発見したんですね。木杭には「上手沢小鯨林道」の文字が確認できましたが、それがこの林道で唯一の林道標であったみたい。しかし、入線してからここに至るまでの間に林道を示す物が何もないので、「本当にここは林道?」なのと不安でしたが、睨んだ通りの展開。やっぱりここは林道だったんだよなっ!
→ 探索終了!
→ 林道標を眺める!
→ 振り返る!
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