2024 絶海の孤島「利島」林道探索 弾丸ツーリング 5月11日(土)晴れ 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
1日目[2]  神新汽船「フェリーあぜりあ」で利島に上陸! もどる  






フェリー運賃 / 4470円 バイク輸送運賃 / 9881円 トップへもどる


ちなみにこの日は平日の金曜日。下田から乗船客は僅か数人しかおらず、船内は閑古鳥が鳴くガラガラ状態でした。

フェリーあぜりあの客室クラスは2等(4470円)、特2等(6720円)、1等(8930円)の3タイプがありますが、この状況で2等以外を選択するのはお金をドブに投げ捨てるようなもの。GWなどのハイシーズンならば結構混むので特2等や1等という選択もありですが、今日はガラ空きな平日なのでもちろん一番安い2等をチョイス。

ちなみに過去には混み合うGWに特2等を利用したこともありますが、始発港から乗船する場合はそれでも2等で十分だと思います。







貸し切り状態であったカーペット敷きの2等船室に荷物を置いたら、下田港からの出港シーンを眺めるべくデッキに向かいます。ちなみにフェリーあぜりあの客室は2階建てでデッキも2階層になっていますが、これは1階の右舷デッキ。







1階よりも2階デッキの方が眺めが良いので2階の左舷に向かいますが、すると係員が乗船タラップを人力にて引っ込めている最中でした。まさに出港1分前!







ボオォ〜ッ!! 出港の汽笛が高らかに鳴ると、その直後に横滑りするように岸壁を離れてフェリーあぜりあはいよいよ出港! 最高に胸が高鳴る瞬間ですよ!







こちらは左舷後部に眺めた出港シーン。みるみるうちに横にスライドして下田港を離岸していきますが、船って前後だけでなくて真横にも移動できるんですね。







神新汽船下田営業所では恒例の、事務のお姉さん(?)による出港時のお見送り。こちらを笑顔で見つめて手を振ってくれますが、てへへ、それを受けて大きく手を振り返すのがなんだか恥ずかしくて照れるなぁ!







面舵いっぱーい! 岸壁から離岸しつつ180度右に回頭して船首を南に向けたら、その後は下田港がある湾内から外海に向けて一気に加速していきますが、フェリーあぜりあの航海速力は15.2ノット(およそ28km / h)。伊豆諸島航路の貨客船の中では最も遅いですが、それでもあれよあれよという間に下田港が後方に遠ざかります。

ちなみに現在、伊豆諸島航路に従事する船舶の航海速力は以下の通り。

貨客船
「さるびあ丸(20ノット)」「橘丸(19ノット)」
「あおがしま丸(17ノット)」「くろしお丸(16.5ノット)」
「フェリーあぜりあ(15.2ノット)」

高速ジェット船
「セブンアイランド愛(44.7ノット)」「セブンアイランド大漁(43.0ノット)」
「セブンアイランド結(43.0ノット)」「セブンアイランド虹(42.4ノット)」

貨物船
「第二十八福寿丸(13.3ノット)」「友正丸(12ノット)」
「第五十八日祥丸(12ノット)」「第十八清光丸(11.7ノット)」
「新生丸(11.5ノット)」







やがて左舷前方に陸地から長く突き出た「下田港東防波堤」が見えてきますが、先端の真っ赤な「下田港西防波堤灯台」の傍を通過すればその先は外海。下田港のある湾内から太平洋に飛び出していよいよ神津島に向かってまっしぐら!







フェリーあぜりあは下田を出港すると、神津島→式根島→新島→利島の順に寄港して下田に戻りますが、これは月、木、土曜日の航路。火、金、日曜日は逆コースで利島→新島→式根島→神津島の順に寄港して下田に戻りますが、今日は土曜日なので利島到着は最後となり、所要時間は5時間10分もかかって到着時刻は14:40。

というわけで目指す利島までは5時間以上もかかってしまい、到着まではなにもない海の上を進むだけかと思うもしれませんが、そうではなくて晴れてさえいれば、航海中は寄港する島々や海上に浮かぶ無人島、岩礁が必ずどこかに見えています。

そのため神新汽船では途中の島で下船せず、そのまま下田に戻ってくる「ワンデークルージング」用の乗船券(6260円)を発売しているくらいなので、快晴に恵まれれば5時間の船旅もさほど苦にならないんだぜぇ!







というわけで下田を出港してしばらくすると、右舷前方の水平線上に3つの岩礁が並んで小さく見えて(上段画像の水平線上にも注目!)きます。そのうち一番右に見えているのは「石取根」ですが、石取根は「南伊豆町」の「盥(たらい)岬」の南東2.1kmの海上、下田港からだと南南西6.8kmに位置しています。

石取根は常時海面上に頭を出している岩礁で高さは16mあって、かつて石の採取が行われていたことからその名がついたらしいですが、まるで巨大な鯨が頭を下田方面に向けて浮かんでいるように見えています。







続いて真ん中に見えているのは「横根」です。石取根の東南東1.1kmに位置し、下田港からだと南南西6.7kmの海上に浮かんでいて、高さは14mで全長は南北に220mほど。画像では右側を「稲荷下」、左側を「表本場」と呼ぶらしいです。

なお、釣り師たちは下田の南南西の海上に点在するトイ根、石取根、サク根、横根、平根の5つの岩礁を「5根」と呼びますが、横根はその中で最も大きいです。







地元の漁師さんは下田沖に点在する「トイ根」「石取根」「横根」「平根」「神子元島」を「下田沖根」と呼んでいるそうですが、そのうち最も大きいのがこの神子元島で、下田港の南の海上およそ10.5kmに位置し、最長部の長さは400mで高さは32.7m。本土に近すぎることから「伊豆諸島」には含まれない島だったりします。

そんな神子元島の最大の特徴は、1870(明治3)年11月に完成した石造りとしては現存する我が国最古の「神子元島灯台」が立っていること。

神子元島灯台は1866(慶応2)年に英仏米蘭との間に改税条約調印されたさいに、航海の安全を図るため「英国公使パークス」が神子元島を含めた10ヶ所に灯台や浮標を設置することを建言したことによって造られた灯台なのだそうです。







なお、フェリーあぜりあの現在位置は、船室内のモニターでリアルタイムで確認可能。それと同時に現在時刻、各島への到着予定時刻、遅れている場合は何分遅れなのかが表示されているのでこれは便利! 乗船中は何度も眺めてしまいました。

ちなみにモニター上の航路を眺めれば一目瞭然ですが、下田から利島に直行(火、金、土曜日便)する場合の所要時間は1時間35分と短いのですが、現在乗船中の月、木、土曜日便は神津島に寄港してから式根島、新島に寄港しつつ、遠回りで利島に向かうため所要時間が5時間10分もかかってしまうんだよな〜。







下田を出港するとほどなく右舷側に見えてくる下田沖根の岩礁群を眺めたら、そのタイミングで今度は左舷デッキに向かって左前方を眺めてみると・・・?







おお、あれは利島じゃないですか! 実は下田を出港してからさほど時間が経過していないこのタイミングですでに利島の島影は見えているんですね。ただし、直行はせず神津島、式根島、新島に寄り道しながら遠回りで最後に寄港するというわけ。







続いて見えてくるのは新島です。新島は周囲28kmで面積23.64平方キロ。南北11.5km、東西3.1kmほどの台形をした細長い島で、ここは2021(令和3)年に訪問済み。

島の北端(画像左)には「新島山(231m)」がそびえ、その裾には「若郷」集落があり、中央部には「宮塚山(432m)」があって窪んだ部分に島の中心地「本村」が位置し、そして南端(画像右)には「大峯(300.8m)」がそびえていますが、3泊4日で島内を隅々まで走り回って林道を探索したのが懐かしいなぁ!







新島の島影を眺めたところでそろそろ船内に戻ります。平日ということでこの通り2等船室は貸し切り状態でしたが、他にいたのはドヤ顔をした釣り師が数人と、おそらく神津島の「天上山(571.8m)」登山が目当てと思われる、ピチピチな短パンにリュックといういでたちのクセが強そうな山男風のオッサンくらいだったかな。







カーペット敷きの客室にはテレビが備え付けられていて、船内案内がエンドレスで流されていました。つまらんし、伊豆諸島は東京都なので「東京MX」でも観ようとポチッとしましたが、うむ、チャンネルは固定されているみたいだな。

もどる ][ 1日目[1][2][3]へ ]