向山林道 / Mukaiyama 林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2021.05.02 / No.To-106 
 [ 所在地 ]新島村 [ 状態 ]完抜舗装 [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 全線舗装の坂道林道だが、道すがらに現れるビューポイントからの眺望だけは最高に素晴らしい!

北に細長い新島の南側、「石山(いしやま / 234.8m)」を始めとして「丹後山(たんごやま / 283.6m)」、「大峯(おおみね / 300.8m)」、「丸島峯(まるしまみね / 230m)」などの山々が連なる山岳地帯にあるのが向山林道。都211号線を「新島中学校」付近で「まました温泉」方向に折れて500mほど進んだ地点を左折し、都道と見まごうほど立派な、しかしそれでいて車両の通行量が極めて希薄な2車線村道を「石山展望台」方向に登坂していくと、およそ300mほど進んだ地点で現れるこの左折路が林道入口になっています。
山林道入口を正面から眺めるとこんな感じ。林道標も設置されておらず、見た目的には一般道となんら変わりなくて林道っぽさもかなり希薄な状態です。ちなみに向山林道は全線が「向山ハイキングコース」に指定されていますが、林道標は林道がハイキングコースとして再整備されたおりに撤去されてしまったのかもしれません。その辺の事情は宮塚山林道と似ていますが、しかし、ここが「向山林道である!」ことは路肩の道標によって確認できます。
→ 道標(石碑タイプ)を眺める!
→ 道標(立札タイプ)を眺める!
口脇の道標で「ここは向山林道である!」ことを確認して入線すると、道すがらに鬱蒼とした常緑広葉樹の森が続き、それが伊豆諸島の島らしさを醸し出します。しかし、林道探索で最も重要な路面については味気なく舗装されているので、いわゆる林道的には残念な展開。なのでこの林道では景色や森の雰囲気を楽しむことに専念すべきかもね。
→ 眺望を眺める!
→ 付近を調べる!
道名由来の石山、すなわち別名「向山」山腹の斜面をダラダラと登坂していきます。これといったビューポイントも現れないまま、徐々に標高110、130、150mと高度を稼ぎながら進んでいきますが、しかし、ハイキングコースや大峰展望台目当てで林道歩きしている観光客の姿や対向車とは全く見かけなかったな〜。
の後、今度は石山から大峯にかけての斜面をダラダラ登坂していくと、やがて「大峰展望台」が現れますが、展望台にはなにもなくて無数の石が腰掛け代わりに置かれているだけでした。そしておそらく島内に数ヶ所ある展望台の中での人気度は低いのでしょう。訪れる観光客も少ないらしくて敷地は雑草が伸びまくり状態。しかし、標高およそ195mの展望台からは、快晴に恵まれれば新島の素晴らしい海と山の眺望を望むことができます。
→ 眺望を眺める!
もいなかった大峰展望台からのパノラマを心ゆくまで楽しんだら前進再開。その後は標高240mほどの大峯山頂直下地点を目指して進みますが、相変わらず緩いダラダラとした登り坂が続き、道すがらにも地形的な険しさはあまり感じられません。左右の路肩には森の壁が続いてビューポイントも現れなかったです。なお、持参の地理院地図には大峯山頂(300.8m)への登山道分岐が記されているのですが、途中で気づかなかったのか、それとも藪に埋もれてそんなものあったかなって感じでした。どうせ山の中はシカ罠まみれで危ねーし。
蒼と茂る常緑広葉樹の森では林道からの視界は悪く、すぐそこに大峯の山頂があるはずだと分かっていても、どこが頂なのか分からぬまま進んでいくと、やがて通りがかるのがこの地点。標高240mの向山林道での最高所地点ですが、ここで左折分岐が現れます。道標は設置されていませんが、左折しているのは国土交通省東京航空局の航空保安施設への管理道(延長距離700mほど)で、その先には「新島リモート対空通信局」があります。当然ながら施設への立ち入りはゲートによって拒まれていますが、管理道には海を見渡せる素晴らしいビューポイントがあるので、ここは絶対に立ち寄っておきましょう。
なみに分岐を振り返るとこんな感じ。鬱蒼とした森の樹木に囲まれた淋しい地点であり、道標も立っていないので、「この分岐は一体?!」と思ってしまいます。しかし、道を間違えて管理道に進んでしまってもすぐに戻ってこられるので、なんの心配もありません。
→ 管理道に立ち入る!
空通信局への分岐を過ぎて向山林道をさらに進みますが、林道はそれまでの登り坂から一転して今度は下りコースに転じます。大峰山腹の森の中をなだらかに下っていきますが、両脇はびっしりと濃密に茂った常緑広葉樹の森に取り囲まれていて、そこは立ち入る隙間のない緑の壁状態! 見晴らしは全く効かず、どこをどのように進んでいるのかさっぱりです。
→ 景色を眺める!
なみに新島の山は火山の噴火によって形成された溶岩円頂丘。溶岩円頂丘は粘度の高い溶岩でできたドーム状の地形で、山頂付近は多少の起伏はあっても全体的には平べったい地形をしています。したがってこの向山林道は、序盤の登りは急勾配ですが、いったん山の上に取り付いてしまえば、その後はなだらかなコース展開となり、山奥でありながら崖崩れや路肩崩壊を頻発するような地形的険しさがあまり感じられないのが特徴かな。ただし、道すがらに広がる森はジャングルじみて、かなり鬱蒼とした雰囲気が漂っていましたけどね。
してたどり着いた向山林道の終点がここ。新島の中心地、本村方面から防衛省の「ミサイル試射場」へと至る2車線舗装の村道に突き当たる地点です。林道標はもちろん、道標の類は設置されていないので、一瞬「どこに出た?」と思ってしまいますが、なんのことはありません。林道入口のあった2車線村道へとここで戻っただけです。分かりやすく言うと向山林道はミサイル試射場へと向かう村道の迂回ルートになっているというわけ。ということで村道を右折すると林道入口を経て本村方向に、左折すればミサイル試射場に行き着きます。
→ 景色を眺める!
→ 右折側(本村方向)を眺める!
→ 左折側(ミサイル試射場方向)を眺める!
いうわけで向山林道の探索はここで終了ですが、ミサイル試射場へと向かう村道への林道出口を振り返るとこんな感じ。林道入口側には大峰展望台およびハイキングコースを示す道標があったのに、ここには林道標は言うに及ばず道標すら設置されていないので、林道に興味のない一般観光客にはただの脇道くらいにしか見えませんなぁ。しかし、向山林道は村道の迂回ルートになっているので、ミサイル試射場へは、行きは「大峰展望台」のある林道経由で、帰りは「石山展望台」への入口がある村道経由でぐるっと周回してくるのがおすすめ! 
→ 探索終了!
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