瀬の沢林道 / Senosawa 林道探索の書　〜今日もどこかで林道ざんまい〜　
瀬の沢林道　［１］ ［２］
その後しばらく進むと、右手にようやく瀬ノ沢川の流れが見えてきます。地図上では瀬ノ沢川伝いのコースで記されている瀬の沢林道ですが、これまでは道すがらに流れは見えていなかったんですね。ここでようやく沢筋に遡るピストンらしい風情に変化。
それと同時にダートが規格落ちしてきます。車両の通行の希薄さが林道に漂い始めて山奥感がいやが上にも高まる状況であり、荒れやガレは今のところ皆無ですが、路肩から薮が迫ってより草深さが感じられるようになりました。軽車道らしく幅員もぐっと狭まった感じです。しかし、水際を進むコースなので、鬱蒼とした暗さはなかったです。
増水時に崩されたのでしょう。その先では路肩崩壊を起こしている箇所もありました。路面はあくまでフラットですが、それでいながら路肩より迫ってはびこる薮の圧迫感は大きく、ほとんど人の立ち入らないピストン深部ならではの隔絶感を覚えてきます。
→なんだこれは？！
人気のない山奥のダートに落ちていた黒いフン。それがクマのものであるかどうかははっきりしませんが、付近にクマがいることだけは間違いありません。なので、早々に先へと進んでその場を立ち去りますが、状況的には前進するにつれて草深さがさらに増してしまい、より遭遇率の高い生息域へと自ら向かっていく事態になってしまいました。
瀬ノ沢川の源流部を目指してダートはなおも続きますが、道すがらの薮のどこかに隠れているであろう山オヤジの気配をひしひしと感じつつの前進となりました。瀬の沢林道、やってくれますね。そんなゾクゾクするような緊張感がたまらないぜぇ！
はびこるワダチの夏草に埋もれがちなダートですが、一向に終点へとたどり着く気配はありません。まるで当方を誘い込むかのように緩い登りでひょろりと延びています。それなりの距離を進んできたはずなのに、一体どこまで続いているんだろう、ここ。
人の腰の高さにまで茂るワダチの雑草。このような状況が続きますが、路面そのものは固く締まってフラットなので意外と順調に進めてしまうんですね。まったく問題なしで、ワサワサと掻き分けるようにＷＲを進めます。その後はクマの痕跡もないし･･･。
「沢の直渡り箇所！」草深くはあっても、ダートが全面的に埋没することはなかった瀬の沢林道。さらに進んで行くと瀬ノ沢川の流れを越える地点に差しかかりましたが、そこは橋ではなくて直渡り箇所となっていました。ピストン林道深部のこのような地点、わざわざ橋を作るほどでもないためでしょうか。それとも橋を架けてもすぐに壊されてしまうから？
ここぞとばかりにザンブと水しぶきを上げて渡った瀬ノ沢川の直渡り箇所。上流より大水時に流されてきた岩石が一つ転がっていましたが、流れる水量と勢いもそれなりにあって楽しいアトラクションです。しかし、雨天直後は増水で渡河不可能になる恐れもあり･･･。
直渡りで瀬ノ沢川を渡って、草むしたダートをさらに前進します。周囲はどこも緑一色ですが、「エゾニュウ」らしき淡いピンクの花があちこちで咲いていました。数十個もの小さな花を密集して咲かせる大型の多年草ですが、夏の東北の林道でよく見かける植物ですね。この花を目にすると、「今年も東北にやって来たんだなぁ」と思ってしまいます。
どれほど進んだのか、似たような景色が連続するため分からなくなってきますが、次第に山岳ダートならではの険しい趣が漂い始めます。これまでは草深くても、地形的な険しさはほとんど感じられなかったのですが、より山深い林道の深部へと至ったことで変化が起きた模様。ここでは山の斜面を斜め45°に切り崩して道を開設した区間が続きました。
真夏の太陽に焼かれて赤茶けた崖と、崩れて路肩に大量に散乱した岩石群。荒々しくて無骨な山岳ダートというにふさわしいシーンが続出！　林道ライダー的には惚れ惚れとしてしまう状況であり、まさか瀬の沢林道に絶品な山岳ダート区間が隠されていたなんて！
落石が散らばり荒々しさ抜群の山岳ダート区間。緑一色に覆われた山の斜面に、道筋が一筋のラインとなって延びています。林道の位置する標高はおよそ550ｍほどで高くもありませんが、ここは大きく開けて周囲を見渡す開放感が素晴らしかったなぁ。
→景色を眺める！
前進するにつれて落石の発生箇所が増えていく瀬の沢林道。崖から崩れて大量に堆積した落石で走行スペースが狭められる地点もありますが、オフバイク的には問題なし！　鋭利な岩石片を踏んでしまわぬように気をつけながらの前進ですよ。
惚れぼれとしてしまう山岳ダートの趣に、思わず立ち止まってパチリ。分かる方には分かってしまう、ガラガラとした岩石の散らばる無骨な風情に嬉しくなってしまいます。マニアな鋪装林道もたまには良いですが、やっぱり林道といったらこれだし！
→さらに瀬の沢林道を進む！
→探索中止！
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